Dr.喜作のブログ

2014年1月 の記事一覧

  • 1月21日 冷凍食品農薬混入事件について思う事

     事件が発覚したのは年末年始の事であり 大分ほとぼりが冷めてきたようですが事件とは無関係の冷凍餃子を作る工場がニュースでピックアップされていました。私は冷凍食品は殆ど購入しないので あまり関心も興味もなかったのですが そのニュースによると事件とは全く無関係だけれども かなりの売り上げダウンにつながっているそうです。

     何年か前に中国製の食品で事件が起きましたが 私はもともと中国が大嫌いなので 中国産と分かる食品は絶対に購入しませんので 全く無縁な事件でした。勿論日本の食品会社は全く無関係なのに その時期の冷凍餃子の売り上げが相当に減少したそうで 当然このニュースで取り上げられた会社もとばっちりを受けて売り上げが減少したのだそうです。

     今回の事件は残念ながら日本人が引き起こしたようです。事件の起きた会社でも 会社なりに安全対策は行っていたみたいですが もし人間が農薬を本気で混入しようとしたらどんな対策も無意味だと思います。作業服のポケットをなくしても作業服の下に薬品を隠す方法は幾らでもあるでしょう。ICチップなどで作業員の動きを厳密に把握して管理しても 周囲の人間にばれないように薬品を混入することは それほど難しくはないと思います。

     そのようなあまり効果的ではなさそうな安全対策でもしないよりはましかもしれませんが それなりに相当に費用が掛かるのでしょうから それらは全て商品の価格にうわのせされてしまうのでしょう。そんなことを考えたらますます冷凍食品を買う気がなくなります。

     大体餃子やコロッケなんて昔は 各家庭で作ったもので そのうちの独自の作り方や工夫でいろんな美味しさがあったのだと思います。餃子の場合はスーパーで皮を買ってきて 中に入れる具材も野菜を刻んでひき肉と混ぜ込んでニンニクやニラを加えて 自分たちで皮に包んで作った家庭料理でした。私が子供の頃には 主に母が作りますが子供の私も興味本位で手伝ったものでした。上手く半分に折りたためないときには 皮を二枚使って重ねて丸い餃子も作ったりして それはそれで楽しかったし 自分で焼いて食べれば凄く美味しかったと思います。

     コロッケもジャガイモを茹でてつぶして肉や玉ねぎを炒めて加えて作ったものです。丸めて小麦粉をまぶして溶き卵をくぐらせてパン粉をつけての作業は面白いのでよく手伝いました。あとは油で揚げるだけで 揚げたてにケチャップとウスターソースをかければすんごく美味しかったです。コロッケや餃子なんて昔は各家庭で作るから各家庭独自の美味しさがあったのだと思います。美味しくて安心な料理を食べようと思ったら 手間暇惜しまずに自分ちのオリジナリティーたっぷりの料理を作っていれば 今回のような事件は起こらないように思いますが如何でしょうか

     そもそも今回の事件の犯人の目的が私には理解できません。人間には理屈で説明できない不条理な行動をすることのある動物だとは思います。精神的に追い詰められた状況で 無差別に他人に迷惑をかけたくなる人がいても不思議ではありません。ただ他人に迷惑をかけたいのなら もう少し考えて実行に移すべきではないかと思います。今回混入された農薬は 相当に刺激の強い匂いと味が伴うそうです。まあ、ホームセンターで簡単に入手できる農薬の方が 調べられても見つかる可能性は低いのかもしれませんが 刺激の強い匂いと味が残るのであれば 食べる時点で異臭に気付かれてしまい もし食べても違和感の強い味では実際に人が食べて被害を受ける可能性は甚だ低いように思います。

     犯人の目的が 混入した薬物による人的被害でないのなら 会社への嫌がらせや社会への警告の様な意味合いだったのでしょうか。だとしたらもうそろそろそのような趣旨の発表があってもいい頃だと思いますが そのような気配も感じられません。単に年末年始の時期を狙った愉快犯なのかもしれません。

     兎に角ニュースに取り上げられていた食品会社としては またもやとばっちりで売り上げがダウンして被害を受けた上に 本来なら信頼すべき大切な従業員を疑ってかからなければならないジレンマに深刻に悩んでおられました。真面目に一生懸命に頑張っておられる方たちが 安心して暮らせるような社会になってほしいと 素直に思いました。

  • 1月20日 今夜は寒いのでおでんにしました

    おでんの嫌いな方はあまりおられないと思いますが 好きな料理を上げるときにはなかなか名前が上がらない地味な存在かもしれません。私がおでんを作ろうと思うきっかけはスーパーで立派な大根が安く売っているのを見かけたときです。おでんの主役はやはり大根だと思います。子供のころは 練製品例えば竹輪やごぼう天などが好きでした。大根は我が家ではあまり人気がなくて最後まで売れ残っていました。大人になってからは諸々の旨味を吸い込んだ大根が大好きになりました。

    大根は三センチぐらいに厚めに輪切にして 皮を分厚く剥きます。煮崩れを防ぐために面取りも忘れてはいけません。美味しい具材ですから丁寧に下ごしらえをしましょう。蒟蒻は味がしみ込みやすくするために表面に浅い切り目をできる限り細かく入れて表面積を広げてやります。じゃがいもは男爵イモよりも煮崩れしにくいメークインを選びます。玉子も大好きなのでケチらずたっぷりと入れます。一般的ではないのかもしれませんが奥様の好みでフランクフルトソーセージを炒めたものも具材として鍋に入ります。場違いな気がしますが結構美味しいと思います。豆腐や蒟蒻などの味のしみこみにくい具材にしっかりと味がつくまで 丁寧に灰汁を取りながらじっくりと煮込みます。

    一般的におでんには辛子が薬味として添えられることが多いみたいですが 私はだしの旨味が分かりにくくなるような気がするので辛子はつけません。私には自分で勝手に決めたルールがあって一通りの具材を食べ終わるまでは同じ具材を食べてはいけない という分けのわからんルールです。子供のころに好きな具材ばかり食べていてすぐに自分の好きな具材がなくなってしまったからだと思います。普通の男性ならおでんを食べながらビールなり熱燗なりを楽しまれるのでしょうが下戸の私はもっぱらお茶とともに十分美味しくいただきます。

    私は自分の好きなオカズ 例えばカレーとかおでんの場合 大きなお鍋にどっちゃりと作ってしまい数日そのおかずが続くことが多いのでいつも奥様に怒られますが おでんの場合は煮込めば煮込むほど特に大根は味がしみ込んでより美味しくなるので多少多めに作っても許してやってほしいと思います。そろそろおでんの具材に出汁がしっかりとしみこんだ頃だと思いますので二階に上がってお腹一杯いただこうと思いますので今日はこのあたりで御終いです。

  • 1月19日 野良猫の避妊手術をしました

    とある方が 野良猫の面倒をみていて 抱っこできるぐらいに馴染んでくれたので 昨年の秋にも子猫を出産していたので また子猫を生んでも野良猫が増えるだけなので避妊の手術を受けさせようと考えられて 連れてこられました。私の顔を見るなりシャーと威嚇してくる決して人懐こいネコちゃんではありません。当院では野良猫の避妊、去勢の手術は半額で実施させていただいています。費用の半額は連れてこられた方の負担 残りの半額は当院が負担させていただくという考え方です。

    雄猫の去勢の手術の場合は傷口を縫合しませんので抜糸の必要がありません。ですから術後に感染予防の薬を三日間投与するだけで全てが終了します。所が雌猫の避妊の手術の場合は 開腹して子宮と卵巣を摘出しますから 小さくとも10センチぐらいの傷口を縫合します。切開して縫合したらくっつくのに大体十日間かかりますので 抜糸までは入院ということになります。避妊の手術の費用はもともと当院の場合すごく安く設定されていますが 十日分の入院の費用や抜糸の費用など含めてトータル金額の半分を負担いただくわけですが どうしてもウン万円にはなってしまいます。

    連れてこられた方がその猫を引き続き面倒をみるのならまだしも 抜糸して退院したらそのままサヨナラされるのです。言ってみれば行きずりの猫ちゃんの為にわざわざその猫を確保して病院まで連れてきて 半額になるとはいえウン万円の費用を支払われて また迎えに来られて元いた場所に放してあげて サヨナラするなんてよほど猫が好きであり 経済的にも精神的にも余裕がなければできない立派で素晴らしいことだと思います。

    その立派な行為と分っているのならもっと安価な価格設定ができないのかと思われるかもしれませんが 当院としても結構負担は大きいのです。もともと野良猫が対象になりますから なかなか馴染んでくれなくて ご飯も全く食べない子もいます。そんな時には点滴で栄養補給をしてついでに抗生剤も混入して投与します。傷口の消毒もできれば毎日やりたいのですが 中には暴れて抵抗して十分にそんな処置ができない子も少なくありません。

    当院ではペットホテルで猫のお預かりもしていますが 何もせずに十日間預かった場合、26500円いただきます。それとほぼ同等の金額で避妊の手術をして化膿止めを投与して、傷口の消毒をするのです。それもなかなか馴染んでくれない野良猫を相手にするのですから スタッフも負傷を覚悟で取り組むのです。ですからどうしてもウン万円の費用が掛かるのはご理解いただきたいのです。それでも何とか野良猫を減らすためには 地道に避妊の手術を実施していくしかないと思います。

    このブログをお読みいただいている方の周囲にも 野良猫はいるかもしれません。猫は半年で大人になり年に二回の発情期を迎えます。放っておけばネズミ算式とは申しませんが 健康な雄猫と雌猫がいれば たった二匹の親猫から一年に10匹ぐらいの子猫が生まれるかもしれません。その子猫も半年後は大人になり繁殖能力が備わるのです。どこかで歯止めをかけないと野良猫はどんどん増殖してしまいます。そして目にはつきませんが相当数の猫が生き残れなくて 寿命を全うできずにどんどん死んでいっているのです。そのような展開は決して猫自身にとっても待ち望む幸福なものではないと思います。

    ですから猫の幸せの為にも 確保できて病院に連れてくることができる子なら どんどん当院に連れてきていただきたいと思います。世の中には猫が可愛いから、猫が大好きだからと言って野良餌に与え続けて自己満足に浸っている大馬鹿者が沢山います。そんな大馬鹿者がいるから山田池公園が猫であふれかえっているのです。猫も動物ですから 餌を食べれば当然糞や尿をするのです。飼い猫の面倒をみている飼い主さんは餌を与えて糞尿の後始末も自分でされます。野良猫にえさを与えて自己満足に浸っている方たちで野良猫の糞尿の後始末をしたことがある方はいらっしゃるのでしょうか。そのような次元の低い自己満足に浸るのはなくて 猫の将来をもっと視野を広げて考えるなら 出来る子からどんどん避妊、去勢の手術を施してあげることを考えてあげていただきたいと思います。

    たまには まじめで建設的なことも書いておかないと 人格を疑われそうで心配なので 一生懸命に書いてみました。猫にえさを与えている方はムッとされたかもしれませんが そのようなご自分の行動を客観的に見直していただきたくてあえて書きました。私の真意をご理解いただけるようにお祈りして今日はこのあたりで終りにします。

  • 1月18日 確定申告の準備に頑張る日々

    私は長時間机に向かうのが昔から苦手でした。だから勉強もあまり長時間は集中力が持続しません。その為に学力もあまり伸びなくて大学を二つも出ておきながら申し上げるのもなんですが、立命館大学と岐阜大学というあまりパッとしない大学しか卒業できませんでした。机に向かうのが勉強なら嫌になったらサボればそれで済みますが 確定申告の準備というのは我々自営業者にとってはとても大切なお仕事ですから サボれません。奥様に頼れば 事務処理の能力でも私より数段勝っておられますから テキパキとあっという間に片づけてくださるのでしょうが 確定申告とは一年間の自分が頑張った仕事に自己採点をするような意味合いもありますから、基本的な事務仕事というか単純作業は全部自分で頑張ります。コンピューターの会計ソフトを使いますから 振替伝票に売上、経費の領収書、銀行帳の起債が済めば準備完了で あとははコンピューターに入力するだけです。

    ただし、会計ソフトが昨年までは「青色申告自慢」というのを使っていましたが このソフトが昨年で終了してしまったので 今年から新しい会計ソフトを使用しなければなりません。どのようなソフトを選べば使いやすいのかなどは私では全くわかりませんので ソフトの選択と導入は奥様に頼り切ってしまいます。新しいソフトになれば 当然データーの入力方法もかなり異なるのでしょうから 具体的な入力方法も 結局は奥様に教えてもらわなければ私一人では何にもできません。

    最初にこの仕事は奥様に頼らずに自分で頑張りますと偉そうなことを書きましたが 会計ソフトの選択や初期設定、入力をスムーズにするための入力登録、データーの入力後の決算処理など応用力の必要な部分は全て奥様頼みです。私ができるのはデーターを入力するための伝票の準備と地道に入力していく馬鹿にでもできる単純作業だけです。伝票の準備だって実を言うと奥様が売上伝票を日付順に月ごとに整理してくださっていますし、領収書の類も月別で日にち順に奥様が整理してくださっているので 短時間でスムーズにできます。本当に情けない話ですが 私は奥様がいらっしゃらなければ確定申告のかの字もできないのが正直な実情です。

    その代り、確定申告の仕事が終了したら 奥様のご希望の地へ旅行に連れて行って差し上げます。今年もまたディズニイーランドに出かけることになりそうです。奥様はディズニーランドが大好きなのでこれまでにも何度も何度も二人で出かけています。定宿はホテルオークラです。ドルフィンクラブに入会しているので一般の方よりも割安で宿泊、食事ができます。オフィシャルホテルは舞浜以外はすべて宿泊しましたが 雰囲気や設備、部屋の広さと使い勝手、食事そしてリーズナブルな料金などすべての面でオークラが一番だと思います。

    旅行に出るときに不思議に思うことが一つあります。旅行に出かけるたびに奥様は旅行に来ていく服を購入されるのです。私はいつもの服をいつものように着ていくだけなのですが 何故か奥様は新しい服が必要なのだそうです。理由を尋ねると 「男と女は違うのよ」とのお返事でした。まあ私は特に新しい服を欲しくも思いませんから 奥様の気のすむまでお買い物に付き合ってお洋服をプレゼントします。

    旅行については日程が迫ってからまた詳しく書きますので本日はこの辺で終わりにします。

  • 1日17月 久しぶりのカラオケ

    今年初めて奥様とカラオケに出かけました。年末に行ってから約三週間ぶりで私たちとしてはかなりインターバルがあきました。前回に行った時が二人ともかなり風邪の状態がひどかったのに無理して大声を出して 更に風邪を悪化させてまで頑張りましたが トーナメント方式での採点の点数は普段の八割がたにとどまりました。今回はベストの状態とは言いませんが 二人とも普通の状態であり 久しぶりなのでかなり張り切っていました。

    過去の採点の記録を見ると なんと自分たちの記録しか残っていませんでした。ちょっとがっかりしました。他の人の記録が残っているとその記録を上回ることで何とも言えない自己満足に浸れるのです。でも自分たちの記録しかないと その点数を超えてもあまり嬉しくありません。見ず知らずの人の聞いたこともないような曲の点数を抜き去る時に何とも言えぬ快感があって 最近カラオケにはまっているのは この快感の為です。

    カラオケの機械の具合なのか 部屋によって点数の出やすいところと出にくいところがありますが 本日の部屋はまあそこそこの点数が出る部屋だったので二人とも五万点以上を連発してしまいました。残念ながら六万点には到達しませんでしたが この採点法であそび始めたころには三万点を超えたら大喜びの時期もありましたから、二人とも歌がうまくなった というよりもこの採点法での高得点の出し方をマスターしたのだと思います。まあ、二人とも満足してニコニコしながら帰ることができました。

     このブログを始めた時には一体何人の人が こんな私の独りよがりの文章を読んでくれるのだろうかと思っていましたが、結構診察に来ていただいた飼い主さんから「ブログを読んでますよ」と声をかけられることが多くなってきました。ブログを読んでいることを告げられると 嬉しい反面 頭が真白くなりかけてる爺さんが 乃木坂だ カズミンだ と大騒ぎをしていることまでしられている事にかなり恥ずかしくなります。でも、まあ正直な自分をさらけ出しているからこそ 読んでいただけているのだと思いますから これからもブログの中では正直に自分を表現していこうと思っております。

    どうして急にブログの話を持ち出したのかといいますと 結構読んでいただいている方がいらっしゃるみたいなので 唐突ですが一緒にカラオケに行っていただける方を求めます。別に当院の患者さんでなくても全然かまいません。勿論お誘いする以上は費用は私がすべてお支払いします。もし必要とあればオンボロ往診車ですが送迎も致します。平日の昼間 二三時間ともにカラオケで盛り上がりましょう。勿論、カラオケはお上手でも お上手でなくても全然かまいません。ただ私と奥様は一度行くと数十曲は歌い続けますので ある程度レパートリーの数は豊富な方の方が嬉しいです。

    いつもいつも奥様と二人きりで出かけていると 私は月に一曲 奥様が二三曲はレパートリーが増えていきますが どうしてもマンネリ化してきて新鮮味に欠けてしまうのです。それにレパートリーにも当然かなり偏りがありますから どなたか全然異なるジャンルの曲を歌っていただけると カラオケの世界が大きく広がるように思います。我儘なオッサンと気の強いオバハンの二人ですがさらに楽しいカラオケの世界に進みたいので 是非お声をかけてください。男性でも女性でもかまいませんし 年齢も問いません。友達の少ない私たち夫婦の良いカラオケ友達になっていただける方を募集しますので宜しくお願い致します。尚、メールチェックはこまめにしませんので出来たら病院のカラオケ友達募集係までお電話ください。心よりお待ちいたしております。

  • 1月16日 獣医師会へ新加入の先生が来られました

    二年前に枚方市で開業されていた先生が新しく獣医師会へ加入されることになり 一応枚方市の代表を務めている私のところにご挨拶に来られました。現在が三十五歳だそうで 開業した時が三十三歳と割と年齢的にゆっくり目のスタートです。話を聞くと代診を務めているうちに結婚して子供さんが生まれたそうで 奥様も獣医師さんらしいです。私も二年半ほど代診を務めて勉強させていただきましたが とても給料が安くて子供はおろか結婚さえ代診時代には考えられませんでした。かなり恵まれた病院にお勤めだったのかもしれません。それとも代診の給料が私たちの時代よりも大幅に上がったのかもしれません。第一印象が割とのんびりしたお坊ちゃんという感じで そのように口にすると友達によく言われるそうです。

    出身大学を尋ねるとと麻布大学だそうです。授業料を尋ねると一年間で二百万を超えるそうです。やはり、本当にお坊ちゃんなのだと思いました。私は以前に書きましたが自分で学費から生活費まで稼ぐために国立大学が必須条件でしたが その時の授業料が約二十万でしたから その十倍以上です。お坊ちゃんと表現しましたが別に悪い意味で申し上げているのではなくて いかにも育ちの良い上品でがおっとりしている雰囲気です。いわゆる貧乏くさいしみったれた所というかガツガツした所が全然感じられない人物だと思いました。

    獣医師会に加入する時期としては 開業する時が一般的であり 私もその時期に入会しました。なぜ二年もたってから入会しようと思ったのかを尋ねたら 入会するのにかなりの金額が必要だと勘違いされていたそうです。私たちが入会した頃には確かに入会するためには数十万円のお金を獣医師会に預ける必要がありました。そのお金は勿論退会するときに返金されます。その預り金は獣医師会で何か事を起こそうとするときの資本金にするためだったのだそうですが 現実にはそのようなお金があっても現実的に使い道がなさそうなので 入会時にお金を預ける制度はかなり前になくなりました。勿論預けたお金はそのまま戻ってきました。それにこの預り金の制度があると 獣医師会に入会するのに結構高いハードルになっていました。みんな開業するときには よほどのお金持ちでない限りはかなりの金額を借金してから始まります。獣医師会に入会するのに数十万円もの金額が必要では 入会したくても金銭的に余裕がないために 入会を先延ばししたり場合によっては入会をあきらめたりするケースも結構あったらしいのです。

    ですから現在は入会金や諸々の費用を含めても十万円を超えるか超えないか位の金額で入会できると思います。本日来られた先生はおそらく昔の制度しかご存じないどなたかの誤った情報で勘違いをされていたのだと思います。獣医師会としては入会の意思のある方ならどなたでも歓迎する姿勢です。特殊な仕事ですから お互いに助け合い共に頑張っていこうというのが獣医師会の精神だと思っています。勿論商売敵であるとも言えますが一人では難しいことも同業者が協力し合えば 乗り越えられることが少なからずあると思います。

    枚方市には動物病院を開業されていても獣医師会に入会されていない先生が結構います。私としてはとても残念なことだと思います。枚方市の会員数は私が入会した頃から廃業して退会された先生もかなりいらっしゃるし 当然私の後に入会された方もかなりいらっしゃるので 結局それほど変わっていないと思います。獣医師会での主な行事は狂犬病の集合注射がメインになりますが 勉強会や情報交換したりしてお互いの仕事がしやすくするために役立つことが少なからずあると思いますので 一人でも多くの方に入会していただけると嬉しく思います。

  • 1月15日 市役所さんから保健所さんへの引き継ぎ

    つい先日も書きましたが 今年の狂犬病集合注射から これまでは市役所さん主導だったのに対して 今年からは保健所さん主導に体制が変わります。狂犬病の集合注射はお役所さんと獣医師会の共同作業で実施します。注射を射ったり 証明書を作成したり 料金の受け渡しは獣医師会でやりますが 会場の確保や設営 飼い主さんへの書類郵送や広報 会場での犬と飼い主さんの誘導などはお役所さんの仕事です。他に登録の確認や会場の後始末もお願いしています。お役所さんにお願いする仕事は それほど専門的な知識や技術は必要ありませんが 犬がたくさん集まる独特の雰囲気の中での仕事ですから ある程度の経験がないとかなり途惑うこともあるかもしれません。

    そこで本日市役所の分室で保健所の集合注射を担当する可能性の高いかたたちを集めて仕事の内容を説明して 実際にやって見せての引継ぎが行われました。約二時間で説明書による口頭の説明と分室の駐車場で会場を想定してテントや机椅子を並べて会場をセッティングしてみました。ただ実際の会場は広くてスペースがたっぷりある場合もあれば すごく狭苦しくて窮屈な場合もあります。会場によってはちらほら犬がやってきてのんびりとした雰囲気でできるケースや 一時に多数の犬が詰めかけて 押し合いへし合いごった返すケースも少なくありません。トラブルが発生するのは当然犬が多数いる場合です。犬同士が近づきすぎて負傷するような喧嘩をしたり、飼い主さんにかみついたり、首輪が抜けて脱走することもあります。混み合っているときに限って 新規で来られて書類作成に時間がかかる方が集中したりして待ち時間が長くなってしまったり お金のやり取りで過不足が起こったりもします。

    会場の構造をよく理解して 犬と飼い主さんの流れをある程度把握してから 犬と飼い主さんを誘導しないと スムーズに注射から書類作成にすすめない場合も多いので それなりの経験とその場で考えて対応する能力が必要とされます。ところが保健所の方は全くの初めてですから もちろん経験は全くありません。よほどその場で仕事の流れを的確に読み取らないと 混乱して予期せぬトラブルが起こる心配もあります。

    特に日曜日にこれまでは広い駐車場のある市役所の分室で行われていたのが それほどスペースに余裕のなさそうな会場に替わるそうなので 車の出し入れも含めて混乱しないか心配です。位置的に辺鄙な場所から中心地に移動するのでさらに集中してしまって大混乱にならないかすごく心配ですが どれくらい混み合うのかは蓋を開けてみないとわかりません。まあ、あまり心配ばかりしていてもしょうがないので保健所の担当される方の能力に期待するしかないでしょう。三月の直前になってから 獣医師会と保健所さんでもう一度話し合う機会を設けて 注意事項や確認事項を徹底してもらい疑問を解決する機会を持とうと考えています。

    今年の狂犬病集合注射は例年よりも不慣れな人間が対応いたしますので  どうしても十分な対応が難しいかもしれませんので かかりつけの病院のある飼い主さんはなるべくその病院で注射してもらうようにお願いいたします。

  • 1月14日 常連の患者さんの急死

    昨日の昼過ぎに電話が入り 朝までは普通の状態だったのが昼過ぎから急にぐったりしたので往診に来てほしいとの事でした。年齢は十二歳のゴールデンでこれまでほとんど病気らしい病気にかかったことが無くて 凄く元気なイメージしかない子でした。直ぐに往診の準備をして伺いましたが げっそりとしていて体に触ると手足の先が冷たくなっていて明らかに体温が低下していましたしおなかを使ってかなり苦しそうな呼吸をしていましたからその場で治療できるレベルではないと判断しましたのですぐに往診車に乗せて病院に連れて帰りました。

    診察台にのせて体温を測ると36度しかありません。このまま冷たくなっていったらそのまま死んでしまいますから とりあえずエアコンのスイッチを入れ、ストーブを持ち込み、ドライヤーで温風を吹きかけて 全力で体を温めました。体を温めながら 血液検査の準備をして 採血し検査を実施しました。何しろ健康な子だったので これまで一度もきちんとした血液検査をしたことがなくて 過去の結果と比較検討もできませんが とりあえずこの子の現状を確認するために調べました。

    まず腎機能の値がかなり高くなっていました。腎臓の働きは血液に存在するアンモニアなどの有害物質を尿という形で体外に排泄することです。腎臓の値が高くなっているということは 有害物質が尿によってスムーズに排泄されておらず 血液に蓄積されていることを示し これだけでもかなり危険な状態です。次に肝機能ですがやはり全ての値が正常値の数倍になるほど高くなっていました。肝臓は多方面で活躍する重要な臓器ですから その不調も多方面にわたって表れているものと推測されます。

    また白血球の数値も相当に高くなっていました。白血球とは体内で細菌と戦う細胞です。白血球が増加しているということは 細菌が体内のどこかで増殖して悪さをしようとしていることを示します。普段から体内にはいろんな種類の細菌が存在しますが 体力があれば免疫力でそれらの細菌をコントロールしていますが 衰弱すると免疫力も低下しますから 細菌が増殖して体に有害な働きを始めます。

    かなり貧血が進行していることもわかりました。聴診すると正常な心音が聴こえなくて 心雑音ばかりが聴こえます。心音というのは血液の逆流を防ぐための心臓に存在する弁が閉じる音です。心雑音とは弁がきちんと閉じれない状態になってしまっており 弁がブルブルと震える音です。つまりこの子の心臓の弁はきちんと閉じれなくて血液の逆流が起こってしまい、心拍出量が減少していることを意味します。心臓が全身に送り出す血液の量が正常よりもかなり少なくなっているわけです。さらにその血液が貧血状態で赤血球が減少しているのです。赤血球はヘモグロビンによって体内に酸素を送り届ける役割をしますが、この子の場合は心臓の拍出量が減少しており さらにその血液の赤血球まで減少していますから 送り届ける酸素の量がすごく不足している状態です。ですから常におなかを使って深呼吸をして 少しでもたくさんの酸素を体内に取り込もうとしているわけです。

    かなり深刻な状況であることが判明したので、とりあえず飼い主さんに電話をして現状を説明して 病院でできる限りの治療を施すことを説明しました。まず病室を体温をあげられるように準備しました。さらに呼吸を楽にするために入院室を閉じた空間にして酸素を送り込み酸素室にしました。静脈に留置針をセットしてしっかりと温めた点滴と腎機能や肝機能を改善する薬や抗生剤、増血剤、強心剤などを流し込みました。もう少し早い段階なら、そもそもの原因がどこから始まりどのような経過で現状に至ったのか解明できたのかもしれませんが ここまで危険な状態になると各々の症状に対応する治療を試みるしかありません。薬が効いてくるまで体力が持ってくれるかどうか微妙なところだと思いました。

    そのまま治療を継続して深夜になり十二時ごろにいったん呼吸が停止してしまいました。あわてて人工呼吸をしながら呼吸促進剤を投与したら何とか息を吹き返しました。同様のことを二度三度繰り返した後 朝方の四時ごろに呼吸が停止した時には残念ながら呼吸が戻らず心臓も停止して死に至りました。私としては出来うる限りの手を尽くしたつもりですが 残念ながら力及びませんでした。朝の七時になって飼い主さんに電話で悲しい結末をお知らせしました。病気やケガで苦しむ動物の役に立ちたくてこの仕事を始めた私としては 一番つらい仕事ですが、正直にできる限り正確に最後の様子を報告しました。

    糞と尿で汚れた体をできるだけ奇麗にしてあげて 自宅に送り届けました。子犬の時からずっと面倒を見させてもらっていた子だったので 私も飼い主さんと同じくらい悲しかったけれど落ちついて冷静に最後の説明をして お別れをしました。この子の場合は飼い主さんに細かく経過を訪ねていくと数日前にも同様に急にぐったりしたことがあったそうですが様子を見ていると三十分ぐらいで元に戻ったので 今回も同様に戻ることを期待して様子を見ていたので病院へ連絡するのが遅れてしまったのだそうです。

    若くて元気な子ならそれでも治療が間に合うのかもしれませんが この子の場合のように高齢になればなるほど 体力が低下しているので あっという間に命にかかわることが珍しくありません。今回のことを教訓として 高齢のペットを飼っておられる方は 些細なことでも普段と異なる様子に気が付いたら とりあえず病院で原因を確認されることを繰り返しお勧めしていこうと思います。このブログをお読みいただいている方も ご自分の事は勿論 ペットの些細な異常を見つけたらそのままにしておかず 早めにその原因を確認されることをお勧めします。

  • 1月13日 成人の日でした

     私には ハッピーマンデーシステムで日にちの変わる祝日にはなかなか馴染めませんが 特に成人の日は一月十五日に固定してほしく思います。昔はラグビーファンにとって一月十五日は学生ナンバーワン対社会人ナンバーワンの対決する日本選手権の日でした。ラグビーの大好きな私にとって成人の日はとても楽しみな日でした。

     特に子供の頃は学生が勝つか社会人が勝つか分からなくて凄くワクワクしていました。やがてメンバーが固定できて外国人の補強までしてしまう社会人の強さが圧倒的になってくると 勝敗の興味は薄れて学生がどれだけ善戦できるかを期待するようにはなりましたが それでもラグビ―の日本選手権は私にとってとても楽しみなイベントでした。現在のわけの分からんトーナメント形式になってからの日本選手権には残念ながら殆ど興味が湧きません。

     成人の日ですから各地で成人式が行われたみたいです。もう数十年も前の自分の成人式を思い出しました。女の子はかなりの割合で振袖を着ていました。似合うかどうかはよく分かりませんでしたが それなりにチャーミングな雰囲気にはなっていたように思います。私自身は確か初めて作ってもらったスーツを着ていたと思いますが 汚したら申し訳ないので 緊張していたように思います。男でもカッコつけたやつが羽織袴で出席していたのには結構驚きました。

     会場では中学時代の友人と久しぶりに再会できて 同窓会のような雰囲気でした。成人式で何を言われてどのように行動したのかは全然覚えていませんがさつきの苗木を貰って帰ったので庭に植えたら結構立派に成長しています。私たちの成人式ではガヤガヤ私語をする連中は勿論いましたが 式場の厳かな空気をぶち壊すような輩はおりませんでした。

     最近の成人式のニュースでは 必ず愚かな行動をする馬鹿者が取り上げられています。そのニュースを見てまた馬鹿者が自分の成人式の時には目立つような行動をして 取り上げられようと考えるのでしょう。成人式なんてそんなに長時間に及ぶものでもないのだから 一応大人になってとされる式で 常識ある行動をとれない馬鹿者にはそれなりのペナルティを課すべきだと思います。ニュースで取り上げられて スターにでもなった気分なのかもしれませんが 常識ある行動がとれなくて 周囲に迷惑をかけたのだから 例えば税金を一生五割増にする位の罰則を設ければ そんな愚かな行動をとる勇気のあるものはいなくなると思います。

     目立って人目を惹きたいのなら 例えばスポーツで結果を出して注目を集めるとか 勉学をを頑張ってノーベル賞とはいかなくてもそれなりに周囲から評価される実績を残す方向で頑張るとかいろんな方向でやり方はあると思います。人目をひきたくて暴走行為を繰り返す暴走族なども同様だと思います。そもそも「暴走族」なんて聞きようによってはカッコいいのかもしれないネーミングに問題があるように思います。バイクを愛してきちんと交通ルールを守りながら走行を楽しんでいるバイク愛好家の方から見れば 暴走族なんてうんこかゲロみたいな存在なのだから 大きなエンジン音と暴走行為で周囲に迷惑をかける集団は「暴走グソ」か「暴走ゲロ」とでも呼んでやれば 積極的になりたい輩の数がが少しでも減少するのではないでしょうか?

  • 1月12日 負傷した猛禽類が来院しました

     夕方 「こんな鳥でも診てもらえますか?」と男性がタオルにくるんだ猛禽類 詳しい種類は分かりかねますが嘴と眼光の鋭さは恐らく鷹の幼鳥であろうと思われます。自分の家の駐車場で何かが激突したような音がしたので様子を見に行くと その鳥がうずくまっていたそうです。出血しているみたいなので取りあえず診察台で羽を広げてみました。なんと右の羽の第一関節と言っていいのかどうかわかりませんが最初の関節から先がそぎ落とされたように無くなっていました。

     この鳥は勿論一生飛ぶことはできません。一時的な負傷で傷が治れば自然に返してあげられるのなら 先の見込みが立ちます。この鳥は恐らく成鳥にはなっていない巣立って間もない位の若い鳥だと思います。まだ上手く飛べなくて駐車場に激突したのでしょう。そして鳥にとって最も大切な羽の半分を一瞬にして失ってしまったのだと思います。

     当院では野生動物を連れてこられた場合 一般的な治療は無料でさせて頂きます。但し、基本的に面倒をみるのは連れてこられた方に責任を持ってお願いします。きちんとした面倒が見られないのなら 可哀そうでも元いた場所に放置することをおすすめしています。この子の場合羽を失った部分は骨がむき出しになっていましたから この先面倒をみるのなら突出している骨を除去して皮膚を縫合する手術が緊急に必要になります。

     私はこの鳥を連れてこられた方に尋ねました。「この子は治療して自然に返すのは不可能です。負傷した傷の手当はできますが、一生飛べないので今後ずっと餌を与えて面倒をみていかなければなりません。責任を持って面倒をみていけるのなら治療させて頂きますが 無理なら元の場所に戻すことをおすすめします。どうされますか」連れてこられた方は慎重に考えられて 面倒をずっと見ていくのは無理であると決断されました。

     賢明な選択だったと思います。何しろ猛禽類ですから 負傷しているとはいえその爪の鋭さとつかむ力の強さ、手袋をしていないと手が傷だらけになります。嘴もすごく鋭くてその攻撃力も半端ではありません。性格的にも人間との生活に馴染めるのかどうか疑問です。餌は生の鶏肉で多分代用できると思いますが、人間から与えられた肉を食べてくれるかどうかは疑問です。

     元の場所に放置すれば遅かれ早かれ飛べない鳥は猫の餌になるしかないのかもしれませんが この子の寿命は駐車場に激突して羽を失ったときに尽きてしまったと考えるしかないように思います。当院で引き取って面倒をみることは物理的には可能ですが このようなケースの度に動物を引き取っていてはただでさえ手狭な入院スペースが足りなくなり動物病院としての役割を十分に果たせなくなってしまいます。連れてこられた鳥にとっては残酷な結論ですが 甘んじて受け入れざるを得ないのが現実だと思います。