Dr.喜作のブログ

2014年9月 の記事一覧

  • 9月9日  本日初めてハリネズミが来院しました

    正直申し上げますと 恥ずかしながらハリネズミを見るのも触るのも初めてでした。来院される前に 電話で診てもらえるかとの問い合わせがありました。実は初めてです、と飼い主さんに言える訳もなくて どのような症状かを尋ねました。数日前から食欲が落ちて 今日は元気もなくなってしまったという事でした。原因としては 一週間前に引っ越して環境が変わったことかもしれない とのことでした。

    およその治療のプランは頭の中で組み立てられましたので 来院してもらうことにしました。慌てて二階に上がり ハリネズミについて詳しく説明してある本を開き その習性や食性を確認しました。30分後ぐらいに来院されたのは 小学生ぐらいのやんちゃそうな男の子を二人連れたかなり若く見えるお母さんでした。診察している時にもその男の子たちが動物に触ろうとします。ハリネズミはかなり神経質な動物ですから あまり接触が多すぎると それだけでストレスになり食欲が落ちると本に書いてありました。

    その上ハリネズミは基本的に夜行性なので 昼間は寝ているはずです。夜でも眠たそうにしている時には接触しない方が望ましいと書いてありました。この男の子たちはハリネズミの気持ちなど無視して接触している可能性が大きいように思い尋ねると 兄弟で取り合いをしているのだそうです。

    まあ、飼い始めて一年近くたつという事でしたから そんな過度に接触されるという過酷な環境にこのハリネズミは耐えて生き抜いているみたいでした。男の子たちの可愛いペットに触りたいという気持ちもわからないではありませんが 過度の接触はその子の寿命を縮めることになりますので子供たちの接触を制限されることをお勧めしました。

    引っ越しによる環境の変化というストレスが 食欲を低下させている原因としては有力に思いましたが こればかりは本人が馴染んでいってくれることしか解決法がないと思います。食欲の低下により元気が消失しているようでしたので 背中の皮膚にそこそこ余裕がありましたので長い針を用いて点滴を入れました。そこに食欲や元気のでる薬を混注しました。少なくとも二三日は子供たちの接触を我慢してもらい安静に過ごせば 環境にも徐々に対応して食欲が戻ることを期待して飲み薬を三日分ほど処方しました。

    ハリネズミは割と神経質な動物ですが この子は子供たちとの過度の接触によってかなり図太く成長しているのだと思いますので 数日の安静とお薬の助けを借りれば数日で食欲が回復してくれることと期待します。ハリネズミは初めての診察でしたので 経験がない分診断に不安は正直言ってありましたが 初めてだからと言って接触を避けていればいつまでたっても経験を積めません。勿論初めてだからと言って いい加減で手抜きの診断や治療をしたつもりはありません。

    自分の持っているハリネズミに対する知識やこれまでの他の動物の治療で積んだ経験により 出来る限りのことをしたつもりです。勿論その子の食欲が戻ると断定はできませんが 早く食欲が戻って元気になってくれることを祈りたいと思います。

  • 9月8日  本日は冒険家の堀江謙一さんのお誕生日だそうです

    堀江謙一さんと聞いて 一人で操る小さなヨットに乗って 太平洋を横断したり 無寄港での世界一周に出かけた冒険家とイメージできる人は かなり少なくなっているのかもしれません。1962年 私が五歳の時にわずか22歳のの年齢で 日本を出発して アメリカのロサンゼルスまでたった一人で航海されたのですから それは凄いことだと思います。

    但し、日本での扱いは不法出国者として犯罪者並みでした。所がロサンゼルスに到着した堀江さんに対して 当時のロサンゼルス市長が 偉業を称え 歓迎する意図を表明したことにより 日本での扱いも 手のひらを返したように変調して まるで英雄扱いにかわったのだそうです。但し不法で出国したので 一応事情聴取は形式的に行われたのだそうです。

    要は勝てば官軍であるという危うい感覚が最初の成功を成し遂げた時に堀江さんに芽生えたのかもしれません。それ以後も無寄港で世界を小さなヨットで一周したり、更には逆回りで世界を巡ったりしました。その後もアルミ缶リサイクルのソーラーボートで航海したり、波浪推進船等ジャンルの異なるボートに乗って 大きな航海を成し遂げられるなど 冒険家としては次々に偉業を成し遂げられました。

    成し遂げらえたことが偉大であることは 間違いないでしょうし 恐らく事実だと信じたいと思います。石原元都知事が根拠のないいちゃもんをつけて バッシングしたのは まあ有名税として致し方のないことなのかもしれません。但し、堀江さんの周囲の人間からの評判が悪すぎるのは かなり気になります。

    つまり冒険にチャレンジして 成功することもあれば当然失敗したことも少なからずあったはずです。成功した場合の功績は全部自分のお蔭、失敗した時の言い訳は全てサポートしてくれた人たちの責任 といった発言が繰り返されているから評判が悪いのだそうです。普通 日本人は何らかの偉業を成し遂げたときの挨拶として 謙虚に自分の周囲の人間、指導してくれたり励ましてくれたり応援してくれた人たちに対する感謝の気持ちをまずは表明する場合が多いように思います。その謙虚な人柄で猶更よい評判が立つのかもしれません。

    堀江さんの場合はその全く逆のケースみたいで 勿論成し遂げられた偉業には拍手を惜しみませんが もう少し上手に立ち回った方が更にその功績が大きく称えられるのではないかと思います。私も、かなり短気で つい言わずもがなの事を口走ってしまい 後悔することが少なからずあります。自分がこの地で何とか仕事を続けておられるのは 周囲の人の支えがあればこそだともう一度よく認識し直して 謙虚な気持ちで生きていこうと 申し訳ないけれど堀江謙一さんを反面教師にして思いました。

  • 9月7日  野良猫の避妊と去勢を頑張りました

    うちの病院では 野良猫が増殖するのを防ぐために 野良猫を確保して病院に連れてこられた場合 通常の半額の料金で避妊、去勢の手術をさせて頂いております。動物愛護の精神からすれば 完全に無料で野良猫の手術を受けるべきなのかもしれませんが 手術をするのに必要な費用は薬代や糸代などですが 結構掛かるのです。もともとうちの病院の手術の料金は相当に安く設定してありますから 大阪市内などの結構遠方からもちょくちょく手術の依頼が入りますがそれを半額にすると 実費ギリギリになってしまいますので 一応野良猫を連れてこられた方にも 半分は責任を持ってもらおうと考えまして 手術費用の半額を頂戴することに致しました。

    今回の野良猫ちゃんたちは お母さんとその三匹の子供たちで 庭の物置で出産して そのまま居座っているのだそうです。子供が生後六か月になりますから その親子同士がかかってさらに増殖したらエライことになるとお考えになって 四匹まとめて手術をすることを決意されたみたいです。母さん猫と娘が一匹、息子が二匹の計四匹です。

    四匹ですから 半額になってもそこそこ費用としてはかさみますが 今なら枚方市にお住まいの方ですから 枚方市から猫一匹当たり3500円の補助金が受け取れますから 結構助かられると思います。自分の飼い猫でもないのに 手術をしようと考えられたのは 賢明であり立派なお気持ちだと思いますので 経済的な負担が少しでも軽くなって頂ければ 嬉しく思います。

    猫の去勢の手術は いわゆるタマタマを切除する手術ですが 正味五分位で終わりますから 全然疲れません。しかし避妊の手術は開腹して卵巣と子宮を切除しますから スムーズに行っても一時間半、脂肪が多かったり、妊娠していたりして厄介なケースの場合は二時間以上かかりますから かなり大変でそれを続けてこなす場合 肩から背中が凝り固まって非常につらい思いをします。

    まあ、数時間である程度まとまった金額を稼がせて頂きますから 肉体的にも精神的にも相当にしんどい思いをするのは当然かもしれません。雄猫たちとはすぐに退院してお別れになりますが 雌猫たちとは十日後抜糸するまでのお付き合いですから 結構長く面倒を見させてもらいます。十日の間に結構慣れてくれて仲良しになれる場合もありますが 基本野良猫ですからやはり警戒心が強くて 抜糸をするときに それなりに暴れるので 仕方なく麻酔をかける場合もあります。

    今回の猫ちゃんたちは 麻酔も安定してかかりましたし 手術も予期せぬことが起きなくて 無事に終了できましたから 女の子たちの抜糸まですんなりと終われることを期待いたします。

  • 9月5日盲導犬が人を誘導している途中で負傷する悲しい事件がありました

    皆さんはラブラドールといえば 盲導犬や聴導犬の代表選手であり 凄く大人しくて賢い犬種だと勘違いされているのかもしれません。私の患者さんに現役で盲導犬もしくは聴導犬として働いているラブラドールは残念ながらいません。ですから 私はごく普通にペットとして飼われているラブラドールしか知りません。

    普通のラブラドールは はっきり言ってかなりがさつです。凄く落ち着きがありません。盲導犬になるような犬は もともとその素質を持った選ばれた犬が 厳しい訓練を受けて 立派に成長して 盲導犬としての役目を果たせるようになるのです。今回被害を受けた子は自分が攻撃されて負傷しても 誘導している人間にそのことすら気づかせずに振る舞いましたから 凄く優秀な子だと思います。攻撃した犯人が現在のところ見つかっていませんから よほど人目のない場所で狙いすまして攻撃したのだと思います。

    世の中には犬の大好きな人が沢山いらっしゃいます。当然 犬の苦手な方 もしくは犬の大嫌いな方も同じぐらい沢山いらっしゃると思います。私たち獣医師は もともと動物が好きだからこの仕事を選んだのだと思いますが 当然仕事柄噛まれたり引搔かれたりしますし、素直にゆうことをきかない子も少なくありませんから、長年仕事をしていると だんだん動物好きではなくなってしまう事もあるかもしれません。

    犬嫌いの人にすれば 盲導犬が人の歩く道を堂々と歩き 電車やバスに乗り込むことに 嫌悪感を持たれるのは致し方のないことかもしれません。しかし、盲導犬や聴導犬は 目や耳の不自由な方を手助けするパートナーとして 本来人間のいるスペースに存在することで一生懸命にその使命を果たしているのです。

    今回の犯人は 人間を手助けしている犬に危害を加えるのではなくて 本来ならその犬を連れている飼い主に 己の不満をぶつけるべきだったと思います。そうすれば己がどんなに我儘で自己中な理屈から腹を立てているか明確になります。目の不自由な方、耳の不自由な方でも 用事があれば人通りを歩くのは当たり前だし、必要に応じて公共の乗り物を利用するのはごく普通の行為です。その人を援助している犬がその方に同伴するのは当たり前のことです。

    目や耳の不自由な方に対して直接危害を加えたりしたら 傷害罪という重い罪になり それなりの罰則が科されます。けれどもその同伴している犬に危害を加えても 器物破損というごく軽い罪にしかなりません。子供がいたずらでよその家の窓に石を投げてガラスを割ったのと同様の罪にしか問われないのです。

    こんな卑劣な犯罪を犯したものは いっそ死刑にでも処すればよいと思います。そんな重い罪に問われるとしたら 今後この手の犯罪はなくなると思います。勿論、犯人が見つかって マスコミで実名まで報道されれば ひどいバッシングを受けてそいつの人生は実質的に終わりを迎えるのかもしれませんが 人権保護の為とかいう理由で 実名が伏せられてしまっては そいつの人生に大してダメージを与えることができません。

    そんな卑劣な奴の人権など保護する必要があるのか大いに疑問に思います。よくあるケースですが 凶悪な犯罪が起きた時 被害者は実名が報道されて その家族までがより辛い目に合うのに 犯人の方が実名を伏せられて守られるのは全く理解できません。そんな凶悪な犯人は一族ともども末代まで恥をさらせばよいのにと思うからです。

    盲導犬を負傷させた犯人が 一日も早くつかまり そんな奴の人生が御終いになるのを願ってやみません。

     

  • 9月4日 1943年の本日から上野動物園で猛獣の薬殺が始まったのだそうです

    「かわいそうなぞう」もしくは「トンキー(花子)物語」を読んだり、その映像化されたものを目にした方は多いと思います。但し、この物語は 猛獣の殺害を命じたのが軍部になっていますが 現実には東京都の命令であることや、薬を注射で投薬しようとしたが ゾウの皮膚が分厚くて出来なかったとされていますが 現実には注射できますから 現実に起こったことを題材としていますが 一部にフィクションの部分も含まれていることを知っておいた方がいいのかもしれません。これらの物語は 一時期小学校の国語の教科書に取り上げられていましたし ドラエモンのストーリーにまで登場しましたから 全くご存じない方は少ないのかもしれません。

    戦争により多くの人々がお亡くなりになり それ自体が悲しいことですが 人間が引き起こした戦争の被害者に人間がなるのは ある程度必然的なこととも考えられます。しかし、空襲によって猛獣が脱走すると一般市民に被害が及ぶ危険性があるからと言って 人間が勝手に引き起こした戦争のとばっちりを受けて 動物園の猛獣たち、ライオンやトラ、クマ、ゾウなどが殺処分されたのは また違った意味合いで 凄く悲しい話だと思います。

    猛獣たちには 何の罪もないのに 織の中で無抵抗の状態で 本人たちにその理由さえ説明もされずに 殺処分されたのが余計に悲しくて残念に思います。戦争というのは 人間の犯す過ちの最たるものであると思いますが なかなかこの地上からなくなりません。現在も戦争が進行形であり 愚かな欲望と縁を切れない人間に 真の平和なんてものは訪れないのかもしれません。

    戦争放棄をうたった憲法を有する日本ですら 集団的自衛権を認めて なし崩しに戦争に参加する方向に動いていますから いずれ自衛隊がどこかの戦争に参加する事態が起こりかねないように思わないでもありません。

    正直な気持ち 全ての国に認められた絶対的な権利だと思われる個別的自衛権すら 日本はきちんと遂行していないので それよりもずっと積極的な考え方の 集団的自衛権なんて 現実的には日本と全く無縁なものかもしれません。いずれにしても日本が再び戦争という愚かな行為に巻き込まれて そのとばっちりで 猛獣たちが納得のいかない殺処分を受けるようなことは 二度と起こってほしくありません。

  • 9月3日 結構面倒な獣医師会の仕事

    このブログでは何度も書きましたが 私は現在枚方市の獣医師会の代表を務めております。この役職は入会した順の古いものから順繰りに回ってくるもので 別に私が偉いわけでも 人一倍頑張りたくてそんな役職を引き受けたわけでもありません。二年間の任期なので今年と来年は取り敢えず問題を起こさないように気を付けて 何とか切り抜けようと思っております。

    先日保健所の方が二人病院にお越しになりました。要件は 保健所さんから各獣医師に連絡するのに これまではファックスを利用していましたが ファックスの場合電話機メーカーによって相性の悪いパターンがあるみたいで 結構読みづらくなってしまう場合もありますし、そのたびに経費もかかります。今の時代はメールという便利なアイテムがありますので 今後の連絡はメールで送信したいのですが如何でしょうか という事でした。獣医師会の連絡も数年前からファックスも併用していますが メールを活用しています。

    今の時代便利なものは利用するべきだと思いましたので 一応全会員の了解を取ってからになりますが 獣医師会には知らせているメルアドですから 別に保健所さんにお知らせしても特に問題がないと思っておりました、早速メールでメルアドを保健所さんにお知らせする件を流して 反対意見がなければそのように事を進めようと考えておりました。

    大半の方からは別に問題ないから了解、とのお返事を頂きましたが、一人だけ強硬に反対する人がいました。まあ、人間が十数人も集まれば いろんな考え方をする人がいても不思議ではありませんが 個人情報の保護のために絶対に反対だと仰るのです。獣医師会なんていろんな考え方の動物病院の院長の集まったあやふやな団体であり 一般の方々から見れば 保健所さんの方が公的なお役所でありよほど信頼できる団体だと思うのですが保健所さんが信用できないのだそうです。

    メルアドも確かに大切な個人情報であることは間違いありませんが 現に獣医師会には知らせているアドレスであり 万が一その情報が世間に流出したとしても 現実的にどんな被害を受ける可能性があるのでしょうか。迷惑メールが届くようになる事ぐらいしかないように思います。私にはその人の断固反対する考え方が全く理解できません。

    その方が主張されるのは 個人と保健所さんで きちんと契約書を交わさない限り 絶対にアドレスを知らせてもらっては困るということなのです。この件に関しては一応全員一致で了解しなければ 連絡網として不完全な形になりますから 保健所さんにお断りをすることにしました。情報を伝達する手段として 今後もメールの果たす役割はさらに大きくなっていくと思いますから メルアド位の事でガタガタいう輩は本当に面倒な存在だと思います。

    保健所さんが来られたのにはもう一件用件がありました、十月に枚方市主催で動物フェスティバルを開催するので 獣医師会にも協賛という形で 名前だけでも参加してもらえれば 箔がつくので有難いのですが というご要望でした。どのような内容なのか尋ねていくとまだはっきりとしたプランが固まっているわけではないらしくて こんなことをやってみたい、あんなことができたら面白い位の段階のようでした。

    最初は名前だけを協賛という形でお貸しする話でしたが その内容をうかがっていくうちに ペットの健康相談もできたら有難いのだが というような話になりました。ちょうど水曜日で私が休みの日だったので 私が引き受ければ他の会員さんには一切負担をかけないことだから 「私で差支えなければお引き受けしましょうか」とその場で答えてしまいました。

    勿論 協賛という形で参加するかしないかは全員にはかってからしか決定できませんが、別に強いて反対する理由もないだろうと思い安易な気持ちで保健所さんの要望を受け取りました。所が協賛するという行動が 具体的にはどのような形になるのか 疑問を持たれる方や不安な気持ちになる方が多くて 私のわかる範囲でフェスティバルについてや 名前を貸すだけであり 実質的な負担は私が相談役を引き受けることで 他のメンバーには一切負担がかからないことを説明するメールを追加で送信しました。

    所が どんなことにでも反対しなければ気のすまない輩が 残念ながらいるみたいで 先ほどのメルアドの件でも反対された方から、また強硬に協賛することに反対する意見が出てきました。仕方がないので 保健所さんにお願いして フェスティバルについての説明や獣医師会に協賛を求める理由などを文書にして郵送してもらい、その文書を見て協賛するか否かを多数決で決めることにしました。

    私としては 今後も獣医師会として 保健所さんにはお世話になることは間違いのないことですし 別にこちらに負担もリスクも殆どないことですから その要望を気持ちよくお受けしておいて 決して損な話ではないと思うのですが 世の中には空気の読めない輩がいるみたいで 本当に不愉快であり 困ったことだと思います、

    勿論 大部分の先生方からは 協賛することに前向きで好意的な意見が送られてきていますから 賛成多数で協賛することに決まるとは思いますが メール一本で済むと思った私が甘かったのかもしれませんけれど 結構面倒なお仕事になってしまいました。人間が十人以上集まれば、ましてや動物病院の院長なんて 結構変わり者が多いし 小なりといえども一国一城の主なので それなりのプライドを持ってる人も多いのでしょうから 一つにまとめるのは 簡単そうに見えても厄介なことだといい勉強になりました。

  • 9月2日  本日はいしいひさいちさんのお誕生日です

    いしいひさいちさんと言ってもすぐにはぴんと来ない方も多いかもしれませんが 一時期には一世を風靡した漫画家さんです。代表作はアルバイトニュースに連載された「バイトくん」「がんばれタブチくん」「おじゃまんが山田くん」であるといえば 懐かしく思い出される方も少なくないと思います。私が立命館大学に通っていたころ アルバイトを探すのにしょっちゅうアルバイトニュースを見ていましたから その度に「バイトくん」を見て笑っていました。

    そのうちに「がんばれタブチくん」が注目され始めて いつの間にやらアニメ化までされてしまいました。更に調子こいて映画化までされてしまいました。四コマ漫画で これほど人気が出たケースは「サザエさん」を除いては 珍しいのではないでしょうか。私は岐阜大学に通った六年間 親の援助を受けませんでした。そこそこ名門の私立大学を親の援助で卒業させてもらっておきながら、自分勝手でもう一度大学に戻ったのだから 自立して卒業することが 両親へのお詫びの印だと考えたからです。

    生活費から学費、教科書代などを全てアルバイトで賄いました。相当な貧乏暮らしで それこそバイトくん並みの生活でした。食パンのへた(端っこの部分)をサンドイッチ屋さんでもらって主食にしていました。うっかりこの情報を友人に話してしまい パンのへたをもらうライバルが出現して 困ったこともありました。今思い出せば笑い話になることばかりですが 財布の中に80円しかなくて三日間凌がねばならなかったときなど すごく不安だったことを今も覚えています。そんな貧乏暮らしの中では 「バイトくん」の中に楽しく貧乏を乗り切るヒントが結構ちりばめてあって助かりました。

    「がんばれタブチくん」では 主に西武球団とヤクルト球団がフューチャーされていましたが 私は広岡監督と安田投手のキャラクターが大好きでした。久しぶりに思い出したら また読みたくなってしまいました。この類の漫画を読むには インターネットのソフトを利用するか マンガ喫茶もしくはネットカフェにでも出かけるしかないのでしょうか。昼間はありがたいことに仕事が詰まっていますので 病院を閉めてからの時間に久し振りにネットカフェにでも出かけてみようかと思います。

    いしいさんは風刺のきいた非常に面白い作品を生み出すだけの漫画家さんと 思われがちだか 政治や流行 生活習慣 風俗などを鋭い切り口で面白おかしく描写する 極めて優れた表現者だと思います。現に、文芸春秋漫画賞や 手塚治虫文化賞、日本漫画家協会の大賞、菊池寛賞などを受賞されています。体調を崩されて 仕事を中断された時期もありましたが 現在も少しずつですがお仕事を継続されているみたいなので お体をいとわれて元気に長生きして頂きたいと思います。

  • 9月1日  父親がやっと退院しました

    8月2日に入院しましたから ほぼ一か月の入院生活でした。以前にも書きましたが 入院前の父親は 要支援1の状態で 週に2時間ヘルパーさんに来てもらって 体力のいるトイレ掃除や風呂掃除、庭掃除などを手伝ってもらえばなんとか自立して生活ができる状態でした。所が全身麻酔をかけての手術でそのダメージが大きく 一気に要介護3の段階まで状態が悪くなってしまいました。即ち家族が同居していれば別ですが 当面一人では生活するのが困難な状態になってしまいました。

    私は長男として 父親の気持ちを尊重するなら 実家に帰って元の生活に復帰したい希望をかなえてあげたい気持ちもありましたが 当面何処かの施設に入ってもらって 全面的な援助、介護を受ける生活からスタートするしかないと判断しておりました。父親もそのつもりになってくれているものと考えて 何か所か実際に施設を訪問して自分の目で確かめて お世話になる施設を決めさせようと思っておりました。所が退院の直前になって やっぱり自宅に帰りたい、と主張するようになりました。

    その為に急にケアマネージャーさんに ヘルパーさんのスケジュールを組んでもらったり 宅配の食事を注文したり、危険なのでガスコンロを当面使えなくしてしまいIHヒーターを用意したりと 大わらわで準備しました。当面は1日に1時間×2回ヘルパーさんに来てもらう体制で それもいずれは1日一回に減らされる見込みで 父親の実家での生活を始めることになりました。

    私はそんな貧弱なサポート体制では とても父親が安全に安定した生活をおくれるとは到底考えられません。昔の父親は意志が強く 煙草を辞める時なども一度決意したらほぼ完ぺきに禁煙を達成していました。お酒の量も種類によって ウイスキーなら何ミリリットル、焼酎なら何ミリリットル、と自分の適量を決めて、その分量を厳密に守って生活していました。所が最近では入院する前から 酒の分量に関して全く自分を律することが出来なくなってしまっていたみたいで 飲みたいだけ飲んでいたらしいのです。

    おまけに昨日話していたことの およそ半分の事を覚えていません。きちんと決まった時間になったら 朝昼晩決まった分量の薬を飲まなければならない状態なのですが それもきちんと実行される可能性は 決して高くはないと思います。こんな不安を抱えたまま 父親の退院後の生活が始まりますが 私としては今後の父親の生活にはもうあまり関わり合いを持ちたくありません。施設見学に連れ出されたことを 本人としては不本意ながら同行していた、みたいなことを口にされたからです。

    私の正直な気持ちとしては 父親が生きている限りは実家の敷居をまたぐつもりはありません。長男なのでその後の後始末はせねばなりませんが 出来る限り簡略な形で済ませようと思っています。私は自分が死んだときも 基本的には火葬してもらってそのお骨を自分の家のお墓に納めてもらえれば十分だと思っておりますので 同等の扱いをしようと思っております。