4月9日 22歳のチワワが 来院しました

犬の平均寿命は15歳と言われています。私の勝手なイメージとして 犬の15歳は 日本人の平均寿命80歳に該当すると考え 飼い主さんにもそのように説明しています。更に高齢の犬ついては一応の目安として20歳が同様に区切りのいいところで 人間なら100歳位に該当すると考え 飼い主さんにもそのように話しています。所で 私は 超肥満体ですし 心臓病と糖尿病を抱えていますから とても平均寿命である80歳までは生きられないであろうと 覚悟しています。
そんなつもりがあるからか 少しでも早く仕事を引退して 老後を楽しみたいと考えてしまうのです。但し 私の父方の祖母は 103歳まで頑張って長生きしてくれました。かなりの御長寿さんだと思います。私の父も かなり若い頃から 心臓病を患っていました。そんなにきっちりと処方された薬を服用していたようには見えませんし 現在は禁煙していますが 働いている時代は かなりのヘビースモーカーだった様な記憶があります。三十代ぐらいまでは かなり酒が弱かったはずですが 五十代以降は かなり酒好きになり それに応じて自然に酒量も増えているように感じます。
ハッキリ言って 父はそれほど健康に重きを置いた生活は してこなかったように思います。しかし 昨年ペースメーカーを装着しましたが 尚更元気になったみたいで 90歳を超えた今も 元気に一人暮らしをしています。母は 三十代から リュウマチ関節炎を患って その病気との戦いに明け暮れた人生だったように思いますが 若い頃から かなり強い薬を常用していたみたいだし 人工関節の手術を何度も経験していましたからか 77歳で他界しました。痛くて辛い人生だったと思いますが 何の不平も言わずに頑張りぬいた人生だったと思います。
そんな両親から生まれた私ですが 現在の所 心臓病は 不整脈がなかなか治まってくれません。血圧は結構いい具合にコントロールできていますが 不整脈が治まってくれないと言う事は 心臓が不規則な動きをしてしまうために どうしても血栓が出来やすい状態になります。血栓が脳の血管に詰まってしまうのが いわゆる脳梗塞です。脳の血管が詰まってしまう事により 当然その血管の先に正常に血液が送れなくなってしまいますから その血管の先の部分の脳が正常に働かなくなってしまう恐れがあるのです。その為に 脳梗塞の後遺症としては 過去の記憶が欠落したり 上手くしゃべれなくなったり 文字が識別できにくくなってしまったりすることが心配されます。
その為に現在 もう何年にもわたって ワーファリンという血液をサラサラにして 血栓ができにくくする薬を飲み続けています。もっと新しく同様の作用を持つ薬が開発されていますが 当然そちらの薬の方が高い薬価設定になっていますから 毎日の薬代が 高くつきます。別にワーファリンと言う薬の作用が古くなって弱まっているわけではありませんから 私は古くて薬価の安いワーファリンを飲み続けています。ただ ワーファリンの薬理作用は 血液の凝固する仕組みにビタミンKが関与していて その凝固作用に拮抗して働き 血液が固まりにくくするのです。ですから ビタミンK の接種を押さえる必要があります。その為にビタミンKを大量に含む食品である 納豆を食べることが禁じられています。納豆大好き人間の私でしたが ここ数年は一切納豆を食べていません。その事がちょっと辛いだけですから 恐らく私は一生ワーファリンをきちんと飲み続けるだろうと思います。
糖尿病については 普段の血糖値が勿論 大切です。私の場合は 肥満体人生を数十年続けていますから 恐らく若いうちに膵臓を酷使しすぎて 現在では 血糖値を下げてくれるはずのインスリンが殆ど分泌されていないのだと思います。ですから血糖値の上がり易い食品 例えば炭水化物などを食べてしまうと 血糖値が急上昇してしまい なかなか下がってくれないのだろうと思います。その為に血糖値の過去の一か月ぐらいの平均値を示す ヘモグロビンA1cの値がなかなか下がってくれません。正常値は5.8位までと設定されています。いつも検査を受ける前一月間は 炭水化物をできるだけ食べないように気を付けて暮らしていますが 自分なりに頑張っているつもりなのですけれども 6.1~6.3辺りで落ち着いています。出来たら正常値の範囲に入りたいのですが かかりつけの先生からは 頑張って摂生されているので 糖尿病の進行はあまり心配ありません と言われています。
そんなわけで 私は 大きな成人病を二つも抱えていますが 何とか逃げずに向かい合って対処していますので 出来れば80歳近くまでは 生きたいと考えております。話が自分の事ばかりになってしまいましたので 本題に戻ります。本日来院されたチワワの子は 22歳ですから それこそ人間でいうと110歳位にも相当しそうな 超ご高齢犬でした。数日前から徐々に腰が抜けたような状態になって歩けなくなってしまった と言う事で来院されました。普通に考えれば 110歳のお年寄りが 普通に歩けていたこと自体が信じられない出来事です。
股関節を触診すると かなり正常な形からはかけ離れてしまっている変形が分りました。年齢の割に 大腿部の筋肉が発達していますから これまでは発達した筋肉で辛うじて体重を支えていられたのが 
支えきれなくなってしまったのだろうと診断しました。これまで立ちあがれていたことが不思議な位の状態でしたから 今後もとのように立ち上がることは期待しない方がいい と説明しました。ただ本人が立ち上がりたくて もがくので苦しそうで可哀そうだと言われましたので 二枚のバスタオルを丸めて筒状にしたものの間にもたれかかるようにおいて上げれば 何とか体が起こせた状態でいられそうなので おうちでもそのような状態において上げることを勧めました。
人間の場合は あおむけにごろんと寝転がった体勢が楽なのですが 犬の場合体を伏せた状態だと胸やお腹を圧迫されてしまい 呼吸がしづらくて 苦しい状態になってしまうのです。もたれかかってでも何とか体を起こしている方が楽なので そのような体勢になれるように指示しました。心臓は何時停止しても不思議が無いぐらいに 心雑音がひどいので 取り敢えずは呼吸を楽にするお薬と筋肉や関節にかなり負担をかけていましたから その辺りの炎症をやわらげる薬を注射して 内服薬でも一週間分出して様子を見てもらう事にしました。こんな状態でも食欲が衰えていない所が 長生きにつながっているのかもしれません。
私もここまで長生きして 奥様にご迷惑をかけ続けるのは 本望ではございませんが 今後できるだけ長生きできるような努力だけは続けていこうと思いました。

ブログ一覧