1月22日 ヒョウモントカゲモドキが 二匹も来院されました

そもそもこんな珍しいなまえのどうぶつなんて 二三年前までは その存在すら知りませんでした。所が 目新しいもの好きの人が少なからずいるので ペットショップが商品として取り扱うために最近 患者さんとして来院されるケースが増えてきました。トカゲモドキですから 勿論トカゲではありません。つまりトカゲはは虫類だしトカゲモドキは両生類ですから 所属する類からして異なるのです。世の中の方々は は虫類と両生類なんて似た者同士だと思っているのかもしれませんが 全く異なる人生を送る動物なのです。
まずは 両生類は 代表的な存在としてカエルを思い浮かべて頂ければわかると思いますが 卵が寒天状のものに包まれて水中に存在しているのを見たことがある方は結構いらっしゃるのかもしれません。よく言われるのがタピオカミルクのような状態絵です。つまり卵に殻はありません。ついで オタマジャクシを思い出していただければ 水中を泳いでいますから えら呼吸をしていますが 成長して大人の体型つまりカエルになれば 肺呼吸をします。つまり幼体と成体で呼吸の仕方が異なるのが特徴です。更には 体の表面が粘膜などで覆われている場合が多いです。それに対して は虫類は 例えばワニを思い出していただければ 卵は普通に殻で覆われています。生まれた時から肺呼吸をしていますし 体の構造が大きく変化することもありません。更には体の表面にごつごつとしたうろこで覆われています。ですから 両生類とは虫類というのは 相当にかけ離れた動物なのです。
まあヒョウモントカゲモドキは 豹のような斑点で体を覆われていて トカゲに似た体形をしていますから モドキと名前が付けられたのでしょう。見た目は 結構愛嬌があって可愛らしいし 性格も穏やかで扱いやすい子が多いように思います。但し食性は肉食なので 体の大きさに応じてなのでしょうが 冷凍もしくは生きたままのコオロギを与えたり ミルワームを喜んで食べたりしているのだそうです。結構残酷なシーンですが 飼い主さんは割と平気な様子で 給餌しているみたいです。やっぱりこの類の動物を好んで飼おうという人たちですから 感覚が少し普通とは違うのかもしれません。
午前中に来院されたトカゲモドキちゃんは 下痢をして困っているという事でした。餌は 冷凍のコオロギを美味しそうにパクパク食べているのだそうです。凄く寒い時期なので 体がかなりひんやりと冷たくなっていました。暖かな部屋にプラスチックのケースを置いているという事でしたが そのケースをビニールのカバーで覆っているという事でしたので それでは部屋の暖かさが ケースの中にまで届かなくなっているので カバーをかけるのをやめるようにお勧めしました。まずは体を十分に暖かい環境においてあげる事と 一般的な整腸剤 つまり下痢止めの薬を処方しましたので 日に二回内服させてもらって様子を見てもらうことにしました。甘い口当たりのシロップにしましたのでそれ程嫌がらずに飲んでくれると思います。
夜に来院された トカゲモドキちゃんは 十日以上も前から一切食欲がなくなり 排便も出来ていないという事でした。餌はいつもミルワームを与えているのだそうです。男の子が興味を持って飼い始めたのですが すぐに興味を無くしてしまいほったらかしにするので 今は仕方なくお母さんが面倒をみているのだそうです。生きたミルワームを割りばしに挟んで 口元にもっていくことに 最初はかなり抵抗があったのだそうですが 美味しそうに食べるトカゲモドキちゃんを見ていると 可愛らしくなり今では平気で給餌しているのだそうです。十日以上も食欲が廃絶している割には かなり太めの体型でしたから 普段から給餌量が多すぎたことがあるのかもしれませんから 今後食事量を調節するように指示を出しました。さらにこの子もまたかなり体温が低かったので 十分に暖かな環境を用意してあげるようにアドバイスをしました。更には十日以上食べていないので 少量の点滴とともに 食欲を増強する薬を皮下に投与しました。同様の作用の薬をシロップ薬で処方しましたから 何とか食欲が戻ってくれることを期待します。
トカゲモドキなんて言う動物初めて診察した時に 初めてみましたが 勿論それまでに両生類の治療経験はありましたので 飼い主さんに正直にトカゲモドキを治療するのは 初めてですが 同類の両生類を治療した経験がありますので 対応できるだろうと思います と申し上げて 来院していただきました。初めての動物は敬遠して治療を拒否する先生もいらっしゃるみたいですが 私はとにかく経験値をあげていけば 知識や対応力が上がっていくと考えておりますので 臨床経験の少ない動物でも 可能な限り治療にチャレンジしています。無論治療経験が少ないことは予め飼い主さんに申し上げて 了解を頂いてから治療させていただいております。これまでにトカゲモドキの治療は三十匹以上と経験値が上がってきておりますので 何とか対応ができる動物の一つになっているのではないかと考えております。今後も新たな動物との出会いがあるかもしれませんが 頑張って仕事に取り組みたいと考えております。
 

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