10月11日 長年こびり付いていた歯石を取るのに 悪戦苦闘しました

先日 二十数キロもある スタンダードプードルのシャンプーカットをしたのですが 歯石が非常に大量に付着していましたので このままではいくらシャンプーをしてきれいにしても 歯石取りをしなければ ひどい口臭が治まらないと 飼い主さんに説明したところ すぐに歯石取りの処置を決断されましたので 本日のお昼から実施しました。スタプーというのは手足がすごく長いので まずは麻酔をかけるのにも一苦労しました。まあでかい犬なので 静脈も太いから 静脈に針を入れるのは 簡単ですが 何しろ投与する麻酔薬の量が かなり多いのでそこそこ面倒なのです。
首も長いので 気管チューブを挿入するのも 小さな犬に比べて大変なのです。まあここまでの苦労は 想定内の事でしたが 麻酔がかかって落ち着いてから 実際に歯石を除去するために超音波のスケーラーを歯石にあててからが本当の苦労の始まりでした。付着してから 二三年の歯石なら スケーラーの先端を当てれば パラパラと簡単にめくれ上がるように除去できるのですが 付着してから十年近く経過すると 歯石自体の硬さが増すのかもしれませんが 簡単に割れてくれて除去できないのです。大きめの鉗子で何とか割ってしまおうと試みてみましたが 殆ど割れなくて 作業がスムーズに進みませんでした。
スケーラーの強度を最強にして 時間をかけて歯石をこそぎ落とすしかありませんでした。コツコツと地道な作業を続けていると 少しずつ歯石はなくなっていきましたが 歯は若いころのように 輝くような白さを取り戻してくれませんでした。そのことは事前に飼い主さんに説明してありましたが 出来る限り白さを取り戻せるように 時間をかけて出来るだけ丁寧に除去しました。何しろ大きな犬なので 歯もでかいので 除去する歯石も大量でしたので 通常よりもずっと手間取りましたが 何とか大部分の歯石を除去出来て 口臭も殆ど無くなりました。
まあまッ茶っ茶だった歯が 輝くほどの白さには戻りませんでしたが かなり白っぽくなりましたし 歯周ポケットの歯石も丁寧に除去しましたから ひどい歯肉炎も回復すると思います。何よりも鼻が曲がりそうなくらいだった口臭がなくなりましたので 飼い主さんにも喜んでいただけました。ぐらついていた歯も歯茎が回復すれば また歯をしっかりとホールドしてくれるでしょう。十一歳という高齢の子でしたが 寿命がそこそこ延びてくれたであろうと思いますから 飼い主さんは良い決断をされたと思いますし かなり手こずりましたが この子の長生きのお手伝いができたのでしょうから 頑張った甲斐あったと思います。

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