10月11日 1915年の本日 ファーブルが91歳で亡くなりました

ファーブルを日本で有名にしているのは 私の子供のころの愛読書「ファーブル昆虫記」かもしれません。男の子ならありがちかもしれませんが 子供のころ動物や昆虫が大好きでしたので 「シートン動物記」と「ファーブル昆虫記」は 何度も繰り返し読んだ愛読書でした。ファーブルは 今から百年以上も前に91歳とかなり長生きされましたが 昆虫記は 五十代から八十代まで 約三十年にもわたって書かれたのだそうでほかにどんなことをした人なのか 全然知りません。
私も 小学生の頃の夏休みには 一日に一度は虫取り網を持って 蝉取りに出かけました。但し 私は蝉との虫取り網を介した一騎打ちに最大の関心がありましたから 勝負に勝てば 蝉を捕獲できるし 負ければおしっこをかけられそうになって 逃げられます。ですから正直な所 捕まえた蝉にあまり興味はありませんでした。ただ虫かごに入れておいて 気が向いたら 食べ終わったブドウの皮などを樹液代わりに入れてやるぐらいでした。カブトムシやクワガタムシの場合 手のひらに載せて遊んだりもしますが 蝉は暴れるだけだし オスの場合けたたましく泣きわめきますから うかつに触れませんでした。
大抵 二三日で 虫かごの中で静かに息を引き取りますから 死んでしまうと 興味がまったくなくなってしまいます。子供は残酷 というか虫に対するいたわりの気持ちなど 全く持ち合わせていませんから ゴミ箱にポイ捨てしていたように思います。蝉の人生なんて 何年間も地中で暮らして やっと地上に這い出してからの寿命は極限られたものであるのに さらにその短い地上での自由な生活を 奪ってただ死期を早めただけですから 残酷至極な行為なのですが 子供のころは ぞくぞくするような蝉との捕獲できるか逃げられるかという真剣勝負が 止められませんでした。
ある年の誕生日に 親から昆虫採集セットのようなものをプレゼントされました。虫を楽に死なせる毒薬の類とか 体が腐敗しないための防腐剤などを 注射で投入
ファーブルは 虫を捕獲したところから その研究がスタートしますから まずは虫が快適に過ごせる環境を用意し 十分に餌を与えて その生態を観察するのですから さすがに死んでから百年以上たっても その書物がおそらく世界中で 売れ続けているのだと思います。私の昆虫採集の対象は 勿論蝉に限らず カブトムシやクワガタムシなどの甲虫類 キリギリスやコオロキなどのバッタの類 トンボやちょうちょの類 果てはやアブの類等と目につく虫のほとんどを捕獲の対象としていましたが 私の場合は 捕まえるという行為が面白いだけなので 今考えると本当にその対象となった虫たちにとって 迷惑なだけの存在だったように思います。
キリギリスを捕まえるときなんか その鳴き声だけを頼りに 草むらの中で少しずつ接近していくのですが 一匹捕まえるのに三十分ぐらい 草むらの中を匍匐前進しますから 擦り傷だらけになり やぶ蚊に何か所も刺されながら それでも辛抱強く捕獲に取り組みました。この熱意を勉強に少しでも向けられれば ずっと賢い子になっていたのかもしれません。捕まえたらそれでおしまいの私と 捕まえてから細かく観察して立派な書物を完成させるファーブルさんでは 勿論比較の対象にもなりませんが 私もこれからの人生で何とか 社会のお役に立つような足跡を残せれば嬉しいのですが まあ難しいでしょう。

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