10月21日 本日は総選挙の前日ですが うちの近所では 全然選挙カーの姿を見ませんでした。

うちの病院がある地域は 人口四十万を抱える中核都市枚方の一部とはいえ かなりの辺鄙な田舎ですから 必然的に人口密度も高くありません。選挙運動なんて 効率的にやろうとすると どうしても人が沢山いる場所 人口密度の高い地域でやる方が 限られた選挙期間ですから より効果的であることは間違いありません。従って うちの近所での選挙運動に力が入らないのは 理解できない事ではありませんが 昔選挙運動の最後の日には 選挙カーが必死に回ってきて 「最後のお願いに参りました」という言葉を連呼するのを 飽き飽きするぐらいに聞かされたものですが 今回の選挙運動では そのような声も全然ききませんでした。
今回の総選挙は ある意味アベ一強時代を ひっくり返す大きなチャンスだったのかもしれません。勿論政権を維持したい欲望と 森友 加計問題から逃げ回りたいアベチャンが自分の都合だけを考えたら 小池さんの国政に乗り出すには まだ準備が整っていないし 都議会選挙の小池ブームの盛り上がりがひと段落した今しかないという絶妙なタイミングを見計らって 解散しての選挙でしたから アベチャンにアドバンテージがあるのは致し方のない選挙運動期間でした。
それにしても今回の小池さんの発言と行動には あまりのおごり高ぶりに呆れ返ってしまいました。アベチャンの唯一の対抗馬と言える 小池さん自らがこの選挙に出馬しないのには 正直ガッカリしました。希望の東野代表は勤めるが 選挙に出馬しないのでは もし希望の党が 与党になった時にいったい誰が首相を務めるのでしょうか。首相は小海議員と言う身分がないとなれないのです。言いだしっぺの二人のオッサンの顔は浮かんできますが その名前を性格にキチンと言える人が一体どれだけいるのでしょうか。
昔から戦をするときにその大将が陣頭指揮するのかしないのかで 兵士の士気が全然異なります。大将が陣頭で指揮を執ってくれるから その働きを見つめていてくれるからこそ 一平卒に至るまで 死ぬ覚悟で戦ってくれるのです。おまけにせっかく民進党から手を組みましょうと言いだしてくれたのに その大切な戦力を「排除する」等と言う信じられない暴言を小池さん自ら 吐いてしまいました。そんな暴言を吐く余裕など全くない状況なのに 自分の立場を全く理解していなかったのでしょうか。世の中は 取り敢えずは人気の高い希望の党の傘下に潜り込む政治家を 凄く冷ややかに蔑みの気持ちで 見ていたことになぜ気づかなかったのでしょうか。
このブログではもう何度も書きましたが 小選挙区制度と言うのは 二大政党の確立された国に適した制度なのです。アメリカは民主党と共和党、イギリスは保守党と労働党 所謂保守系の政党と革新系の政党が強固な地盤を持っている場合には 白か黒か 是か非かの二者択一を問われた時に 国民の意思が正直に当選者の数に反映される制度なのです。アメリカは大統領選挙については 選挙人を選ぶという間接的な分けの解からん選挙制度を採用していますが 日本の衆議院に当たる下院選挙は 完全な小選挙区制度ですし イギリスも同様です。
日本では 長らく中選挙区制度と言う世界でも恐らく唯一無二の選挙制度だったために 細切れ野党が多数存在できる摩訶不思議な議会の政党構成になってしまったのです。そのある意味中途半端ですが自民党と言う保守系の大政党の暴走を適度に抑えるちょうどいい選挙制度だったのです。そんな日本の実情に凄く適していた選挙制度を 深く考えもせずに先進国ではいずれも小選挙区制だから等と浅知恵を巡らせた大馬鹿者がいたのか 自民党に非常に有利な選挙制度に密かに切り替えを画策した保守系の切れ者が暗躍したのか 詳しい事は知りませんが 大して審議された経過を覚えていないのですが すんなりと選挙制度が変更されてしまったのです。この選挙制度を中選挙区から小選挙区に変更すると言う事に どれだけ重大な意味があるのか ひょっとしたら憲法を改正する以上に 重要な制度の変更だったのです。
取り敢えずは小選挙区制度対策として 共産党を除いた野党が連携して新進党という政党を作ってみましたが もともと主義主張が異なるから別々の政党で活動をしていた議員さんたちが 当面選挙があれば 当選するためには 新進党に在籍しておく必要を感じたのでしょうが 当分は選挙がない状況だったために あっと言う間に新進党は空中分解してしまいました。結局自民党に凄く有利な選挙制度だけが残ってしまったのです。
前回の自民党と公明党の保守系政党の得票率は四十パーセント前後だったのに 当選した議員の数は六十パーセントを超えていました。即ち民意は全然は結果に反映されていないのです。その選挙区で 一番得票すれば当選できるのですから その選挙区で二番目三番目の立候補者へ投票した人の気持ちは 選挙結果に全く反映されないのです。つまり細切れ野党なんて存在していないも同様なのです。今回のアベチャンの口から出てきた解散理由には さすがに国民も呆れた人が多かったのかもしれません。解散理由に納得できた人は皆無だったと思います。
そこで自民党を見限った人たちの受け皿として一番人気だったはずの希望の党が 取り敢えずは来るものは拒まずの姿勢で 節操も泣く有力な候補者をかき集めれば 自民党に対抗しうるぐらいの政党に成長できたかもしれません。しかし自らが偉そうに排除した枝野さんたちの方に 潔さ 筋目を通したカッコよさを感じた国民が 相当数いるのは間違いないでしょう。選挙運動終盤の焦った小池さんの暴言連発には 慌てて希望の党に駆け込んだ立候補者も大いにとまどったのでしょうが 私には何故か痛快に感じてしまいました。投票する以前に希望の党は終焉を迎えてしまったような気がします。
もともと小池さんは 自民党の国会議員だったわけですから アベチャンの対抗馬としての立場は無理だったのかもしれません。そんな事を言うのなら民進党の幹部クラスも 根っこは自民党出身という人が多いのですから 基本的に保守系政党同士の 争点が不鮮明な選挙では 国民が昔からある自民党に投票するのはやむを得ないのかもしれません。今回は投票日に大型台風がやってきそうなので 投票率は凄く低くなると思いますが それでも細切れ野党が束になってかかっても 自民党に滅多打ちにされるのは目に見えています。大嫌いなアベチャンがニッコリほほ笑むのが目に見えて不愉快極まりないですが 現実として受け止めましょう。

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