10月22日 麻薬管理ノートが行方不明になってしまいました

うちの病院では手術などで麻酔をかけるときに 導入麻酔薬としてケタラールと言う薬剤を使用しています。この薬が十数年前までは一般薬だったのですが どっかの馬鹿野郎がおもちゃにして遊んでしまったために 麻薬に指定されてしまいました。麻酔導入薬として似たような薬がないわけではありませんが 麻酔導入薬と言うのは下手したら命にも関わる薬剤ですから 使い慣れたものでなければ安心して投与できないのです。
但し麻薬に指定されていますから その薬剤を使用するためには麻薬を保管する為に 固定された金庫が必要ですし 麻薬を使用する免許も持ち続けなければなりません。それにこの薬を使うたびに 麻薬管理ノートに細かく使用状況を記録せねばなりませんから 非常に面倒ですが 使い慣れていない薬に変更したくないばかりに 致し方がありません。それに注文する場合も 一応麻薬ですから 薬屋さんに免許を提示しなければなりませんから いらぬ一手間がかかってしまいます。
先日ケタラールの在庫が残りわずかになりましたので 又注文して購入しました。その時に麻薬管理ノートに購入した日付などを記入しましたが 何時もなら麻薬金庫に直ぐ戻すはずなのですが ウッカリと別の場所に置きっぱなしにしてしまったようです。十一月になったら 又麻薬免許の更新の申請書や 年間使用届を保健所に提出しなければならないので 久し振りに麻薬金庫を開けて管理ノートを探しました。当然いつもなら麻薬金庫に入っているはずなのですが 本日金庫を開けたら 入っていませんでした。手のひらに乗るぐらいの小さな薄っぺらいノートですから この前取り出して 記入してすぐにいつもの場所に戻せば問題なかったのですが 例えばその時に患者さんが来院したとか 電話がかかってきた等の急用が発生したのだと思います。取り敢えずは大事なものですから ウッカリゴミ箱にポイしてしまうはずはありませんが きちんと何時もの保管場所に戻さないままに 放置してしまったようで 行方不明になってしまいました。
勿論大切な麻薬管理ノートが見つからないことも 非常に困ったことですが この事実が奥様に知られてしまうと またいつものように怒られてしまいます。病院内で大切なものは 当然きちんと保管場所が決まっているはずですが 私がきちんと元の保管場所に戻さないために起こる 行方不明事件が 結構頻繁に起こっているのです。本日は奥様が所用で外出されていますから 今の所はまだ奥様にばれてはいませんが 奥様が戻られるまでに なんとしても自力で見つけなければなりません。
私としては 自分なりに思い当たる場所を 落ち着いて丁寧に探してみたつもりですが 見つからないのです。またまたいつものようにいい年をしたジジイの私が 怒られたくないので懸命に捜索しましたが見つかりません。時間的には一時間以上も探してみましたが 結局は見つかりませんでした。見つからないままに ほったらかしにもできない事なので 奥様がお帰りになってから 麻薬管理ノート行方不明事件を報告しました。奥様にすれば 私が大事なものを行方不明にすることは 日常茶飯事のように認識されているみたいで 予想していたよりもお怒りの気持ちが小さかったように思います。勿論お小言を頂戴しながら 奥様が 私が散々探した場所を捜索されて 物の五分もたたないうちに見つけてくださいました。私としては全く入れた記憶のない引出しにそやつは隠れておりました。勿論私もその引き出しを探したつもりでしたが 見つけられませんでした。
あの私の一時間以上にもわたる捜索は一体なんだったのでしょうか。幸い短時間で見つかってしまいましたから お小言を頂戴するのも短時間で終わってくれました。本当に私は奥様がいらっしゃらないと 日常生活や仕事にも大いに差し障りがあります。そもそも私が仕事を頑張って 一生懸命にお金を稼ぐのも 自分の為ではなくて 奥様に美味しいものをご馳走したいし 欲しがるものを何でも買ってあげたいからなのだと思います。奥様を喜ばせるために 満足させるために 仕事をしてお金を稼いでいますから もし奥様がいらっしゃらなければ 恐らく私はすぐに仕事を辞めてしまうだろうと思います。
奥様と一緒に優雅で楽しい老後を過ごしたいから あと数年仕事を頑張って 蓄えを増やそうとしているのです。自分一人だけの為なら とっても寂しい老後になってしまいますから 殆どお金を使う事もないと思いますから これまでに蓄えた分だけで十分なのです。奥様にはいつもいつも 何の役にも立たない とか 問題しか起こさない とか 傍に寄られると邪魔になってしょうがない等と散々な表現をされてしまいますが 認めたくはありませんけれども 事実ですから 甘んじて受け入れるしかありません。見切りをつけて出て行かれることが一番心配ですから 出来る限り奥様に優しくして 大切にしていくことだけを 真剣に考えながら生きていこうと思っております。

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