10月24日 予定外の手術を実施しましたので その分疲れました

本日 ポメラニアンのご夫婦の 避妊と去勢の手術を 実施しました。順番は 面倒な避妊の手術を先に片づけました。こちらの手術は 何の問題もなく すんなりと終了しました。続いて去勢の手術に取り掛かりました。この子は 精巣が本来ある位置にない 奇形でしたので 本来なら おチンチンの付け根を一か所切開して タマタマちゃんを二つとも摘出するのですが 先に正常の一にある精巣を地既出しました。次におチンチンのわきにへばりついている 精巣を摘出しました。手術はこれで 無事に終わるはずでしたが おチンチンのわきにへばりついた精巣の反対側に 似たような大きさの 腫瘤が見つかりました。勿論精巣が三つも存在するはずがありませんから 何かしらの異常事態です。
その腫瘤を 指でつまんで押し込んでやると お腹の中に納まってしまいました。所が手を離すと 直ぐにまた腫瘤が飛び出してきました。つまり この部分に腹腔内のもの 恐らく死亡や腸間膜などが はみ出してきているのであろうと分かりました。つまりこの部分がヘルニア状態になっているのです。ヘルニアというの 人間の病気としてよく耳にするのは ぎっくり腰が起こった場合です。重いものを持ち上げようとして 急に腰を伸ばしたり 反ったりしようとしたときに 祖母根の中に存在する精髄が背骨の隙間にはみ出してしまって 損傷を受けることを 椎間板ヘルニアと言いますので よく耳にされたことがあるのかもしれません。
要するにヘルニアというのは 本来あるべきところから はみ出してしまった状態を言うのです。本来腹腔内に収まっているべき内容物が 腹腔を覆っている膜に裂けめ 隙間が生じて 中身がはみ出してしまった状態なので こんな場合もヘルニアの状態と 表現します。
この子は これまで他の病院にかかっていたのですが そちらの先生に 麻酔をかけると死ぬ危険性が高いので 本来生殖器に奇形のある場合 なるべく早く手術するべきだが この子の場合危険なのでできない と言われていたのだそうです。私が診察した所 精巣の位置には確かに奇形がありますが 心臓の状態は問題ないし 念のため血液検査をしてみましたが 肝機能も腎機能も正常でしたから 麻酔に対売る危険性も 殆どないので どうしてそのようなせつめいをうけたのか さっぱり理解できませんでしたので 飼い主さんに生殖器に奇形がある場合 一般論として 主要化する心配があることなどを説明して 早めに手術をすることをお勧めして 懲戒を頂き 本日手術をすることになりました。
そんな経緯がありますので 何度も手術を繰り返すのは 望ましくないし 昼間は飼い主さんと連絡が取りにくい状況でしたので 了解を頂いてはいませんでしたが ヘルニアの手術も 去勢手術後に行うことにしました。手術器具は 何とか去勢のための手術器具で事足りました。取り敢えず ヘルニアの部分の皮膚を切開して 皮下の状態を確認しました。思っていたよりも大きな裂け目がありましたので 腹腔内からはみ出している内容物をキチンと内部に戻して 裂け目をしっかりと縫い合わせました。これで もう腹腔内のものがはみ出してくることはなくなりましたので 皮膚を縫合しました。
予定外の手術は 大して難しいわけではなかったし 出血が多かったわけでもありません。でも当初から予定していなかったので 飼い主さんの同意を得ていないこともありましたし 心の準備ができていなかったこともありましたので 結構疲れました。そもそも犬の避妊の手術を終えてから 続けて始めましたので 猶更 しんどかったのかもしれません。若いころには 避妊の手術を続けて行う事も ちょくちょくありましたが そんなにしんどい思いをしていませんでしたから やはり私が年齢を重ねて 無理がきかなくなっているのかもしれません。年を取ったことを自覚させられたので 余計に精神的に疲れを痛感したのかもしれません。
術後に飼い主さんに連絡を取り きちんと説明して 手術の必要性を理解していただけましたので 事後承諾のような形になってしまいましたが ヘルニアの手術をしたことを了解していただけたので ホッとしました。明日もまた 猫の避妊の手術の予約が入っています。今週 病院をお休みして 旅行に出かけておりましたので その分のツケが回ってきているのは致し方のないことですが 私の場合 仕事をお休みしてもスケジュールを一杯に組んでしまいますので のんびりとするために旅行に出かけたはずですが 無事に病院に辿り着いたときには くたくたになっておりました。もう若くないことを しっかりと自覚して もう少し楽なスケジュールを組むように 心がけようといつも旅行から戻った時には 思うのですが ついついあれもこれもと予定を詰め込んでしまうのです。
こんな性格ですから 早く仕事をリタイアして 本当にのんびりしたいです。でも私のように 常に何かをしておかないと気が済まない性分の人間が 仕事を引退して しなければならないことが本当に無くなってしまったら 一体どのようになってしまうのか 心配と言えば心配です。でも人生の先輩の皆さんは 仕事を引退して のんびりされてきたわけですから 何とかなるでしょう。
 

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