10月29日 1969年の本日 人工甘味料チクロが使用禁止になりました

チクロは、人工甘味料のひとつで正式名称はN-シクロヘキシルスルファミン酸ナトリウム と言うのだそうです。作り方としては スルファミン酸とシクロヘキシルアミンの混合物に水酸化ナトリウムを反応させて安定したものが利用されているのだそうです。私は一つ目の大学で 一応理工学部化学科を卒業しておりますが 何の事だか殆ど理解できておりません。その甘さは砂糖の30倍から50倍といわれています。一度にたくさん食べると後味がわずかに苦いと言われていますが、同様の人工甘味料サッカリンやアセスルファムカリウムほどではないのだそうです。まあ相当に甘みの強い物質みたいですから 苦みを感じるほど 一度にたくさん口にすることはないと思いますが。
チクロはアメリカで発癌性や催奇形性の疑いが指摘されたため、アメリカや日本は1969年に食品添加物の指定を取り消し、使用が禁止されてしまったのだそうです。私が小学校の六年生の時ですから 当然私たちはチクロを使用されたお菓子を食べていたはずです。一番お菓子に関心のある年頃でしたから ニュースにも取り上げられていましたし 学校や家庭でもチクロについての話題になりましたので その直後はお菓子を買うときに 成分表をみてチクロが使用されていないかどうか 確認していたことを覚えています。
ただし多数の追試験では一つも再現されず、英国や欧州では全く問題にされなかったのだそうです。これらの結果を受けて製造元であるアボット・ラボラトリーズ社が米国規制当局に働きかけても規制は撤廃されなかったのだそうです。現在でも中国、カナダ、EU圏など約55ヶ国で使用されていて 特に問題は起こっていないのだそうです。お役所は たまには自分たちが仕事をしていることをアピールする為かのように 根拠の薄い実験結果をもとに 自分たちがもっている強権を発動して 世の中に迷惑をかけることがよくあるように思います。
チクロは人工甘味料としては 安価なものだったらしくて 使用が禁止されてから 他の甘味料を使用することにより 原材料代が高くなったために 価格が上昇してしまい 売り上げが落ちて消滅してしまったお菓子もそこそこあったのだそうです。昔 アメリカがくしゃみをすると日本が風邪をひく と言われた時代がありました。兎に角日本は何でもかんでも アメリカの言いなりになっていた時期が結構続いていたようです。そんな情けない風潮の為に 子供が楽しみにしていたお菓子のいくつかが消滅してしまったことで 当時の子供まで迷惑をこうむってしまったのかもしれません。情けない事だと思います。
大人になっても 甘党の私は 恥ずかしながら甘いお菓子を食べたくなることがありますが 残念ながら糖尿病を患っております身の上ですので 特に甘いお菓子には手を出さないように気を付けております。ですからチクロとは一生無縁の生活だと思いますが 大多数の国で普通に使用されている甘味料が 日本では禁止されている と言うのは何となく残念に感じてしまいます。

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