10月30日 1821年の本日 ドストエフスキーが誕生しました

200年近く昔に ロシアで生まれた ロシア文学を代表する作家さんの一人だと思います。私はクラシック音楽でも チャイコフスキーやラフマニノフのロシアの広大な大地を感じさせてくれる 壮大で結構華やかなメロディーの作品は 大好きです。文豪たちの作品も やはりスケールが大きい長編の作品に優れた有名な小説が多いように思います。以前にもこのブログで書いたことがありますが トルストイの「戦争と平和」は 何度も読破しようとチャレンジしましたが 挫折を繰り返しました。けっきょく還暦を迎えた現在も 最後まで読み切ったことはありません。映画化された作品を見たことはありますから 一応ストーリーは最後まで知っていますが トルストイがこの作品で 訴えたかったことが何なのか理解できてはいないように思います。
ドストエフスキーの作品でも有名な作品にチャレンジしたことはあります。彼の五大長編小説の中では 比較的分かり易くて読みやすいと言われていた「罪と罰」です。お気楽で無責任な解説者は この作品をもとにして 日本の漫画「デスノート」が出来上がった等と言っている人もありますが 果たしてそうでしょうか。初めてこの作品にチャレンジしたのは とにかく難しそうな大作に挑んでみたかった年頃の高校生の時でした。先に「戦争と平和」にチャレンジして 叩きのめされた少しあとの時期だったと思います。「戦争と平和」は 私としては耳慣れないロシア人の名前に違和感を感じてしまって その上登場人物の数が多いので 人物関係がよく理解できないので ストーリーが上手く整理されて頭に入って来ないために すんなりと読み進められませんでした。
「罪と罰」の場合は 登場人物や人間関係は それほどややこしさを感じませんでしたが 主人公の内面を深く掘り下げた描写が多いので 人間について というよりも自分についてでさえ あまり深く踏み込んで考えた事の無い年頃でしたから 理解しづらい内容だったと思います。私としては 罪を犯した者が罰を受けるのは 当然だ 等と言う勧善懲悪的な単純なストーリーを想像して 気楽な気分で読み始めましたので 当然の様に叩きのめされて 挫折してしまいました。やはりロシアの日本とは比べ物にならないくらいの広大な大地に生まれ育った人が書いた小説は 簡単に奥が見えない 深くて長大な内容を持っていたのかもしれません。
クラシックの作品の場合 チャイコフスキーの交響曲でも三~四十分の大作が多いのですが 心地よいメロディーに身を任せていれば 自然と最後の盛り上がりまで連れて行ってくれますが 小説の場合は自力で読み解いて 理解しながら 進んでいかねばなりませんので 結末に到達するのが 難しいのかもしれません。クラシック音楽でも ブルックナーの交響曲は 凄く素晴らしい作品ばかりだとは思いますが やはりそのスケールが大きすぎて 身を任せて耳を傾けるだけなのに 正直しんどい事があります。少なくとも 体調が万全で 気持ちも充実している時でないと その作品の魅力を堪能して 十分に感動できる自信がありません。
そんな訳で 私はトルストイといいドストエフスキーといい とても魅力を感じている作家さんなのですが その作品をきちんと読み切って その魅力を堪能できたことがありません。作品のスケール的には 司馬遼太郎の「竜馬がゆく」とか中国の歴史書「三国志」等の方が 文字数から見れば 負けていないのかもしれませんし これらの作品は何度も繰り返し読み通しました。やはり日本や中国と言う理解しやすい舞台のストーリーだからかもしれません。
ドストエフスキーが亡くなったのが 現在の私と同じ六十歳です。私と比較することも失礼にあたるのでしょうが 六十年間の生涯で 死後百数十年経っても 輝き続ける作品を数多く残された作家さんに尊敬の念を強く抱きます。

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