11月20日 混合ワクチンが入手困難で困っています

うちの病院はそれほど流行っている病院ではありませんが それでも毎月ある程度の数の混合ワクチン接種を希望する患者さんが来院してくださいます。私たちは診察して 健康状態に問題がなければ ワクチンを接種して その証明書を発行して 飼い主さんに手渡して その料金を頂きます。ワクチン接種は割と短時間で 収入が得られますから 動物病院にとっては大切であり かつとってもありがたいお仕事なのです。勿論 ワクチン接種は 極まれに起こるアレルギー反応と背中合わせの作業ですから そのような望まれない副作用が発現した時には 冷静沈着な対応についての 知識と治療薬の準備が欠かせません。
先日ワクチンの在庫が残り少なくなってきましたので いつも通りに薬屋さんに注文を入れました。次回の訪問日にはいつものようにワクチンが届く筈でした。所が注文を入れてから 暫くして薬屋さんから電話が入りました。要件は 急に厚生労働省が ワクチンのデーターが不備であるとの横槍を入れてきたので 現在すべてのメーカーの 全ての種類の混合ワクチンの販売にストップがかかったのだそうです。当然うちだけではなくて 全ての動物病院に混合ワクチンの販売が出来なくなっているのだそうです。
ワクチン接種によって何らかの重篤な副作用が多発したりしたのであるのなら 取り敢えず薬屋さんにお役所が販売ストップをかけるのも致し方の無い事かもしれません。しかしそのような事件は起こっていないのだそうです。もしもそんな事件が起こっていれば 当然薬屋さんからの情報よりも早く 獣医師会からその類の情報が回ってきて しかるべきなのですが そのような動きは全然ありません。とにかく厚労省が 突然分けの分らない事で 強権を発動してきたのです。
もしワクチン接種に何らかの問題が発生したのであるのなら 実際にワクチンを使用している私たちに直接その処置の理由や 何時ごろ問題が解決しそうなのか 何時ごろからまたワクチンが販売されるようになるのかといった具体的な見通しなどの連絡が入るはずですが はっきりした情報は今のところありません。お役所にしてみれば たまには強権を発動して 自分たちの権力の大きさをアピールしておきたいのかもしれませんが 現実に混合ワクチンの接種を望まれる飼い主さんにとっては 非常に困った事態です。
動物病院に粗暴接種を希望して来院されたのに ワクチンの在庫切れの為接種できない 等と言う事態は 喫茶店にコーヒーを飲みに出かけたのに コーヒーの在庫が切れている事にも匹敵する由々しき事態だと思います。まあコーヒーぐらいは 辛抱してもらうしかないのかもしれませんが ワクチン接種を希望しているのに キチンとした期日にワクチンを接種できなかったために もしその動物が伝染病にかかってしまい 万が一命にでもかかわるような事件が起こった時には 厚労省は どのような責任の取り方を考えているのでしょうか。
私のような小さな動物病院のドクターが ブログで愚痴ったって何の解決にも向かわないのは分っていますが ぼやかずにはおられない気持ちを御理解いただけると嬉しいです。一日でも早く ワクチンの購入ができるようになってほしいです。これは全ての動物病院の経営者の望みだと思います。年末年始は ホテルで預かる動物が増えますから どうしてもワクチン接種の機会が増えてしまいます。何とかワクチンの在庫が尽きないことを祈ります。

ブログ一覧