11月30日 1993年の本日 世界で初めて安楽死法がオランダで成立しました

世界的に見て オランダに続いてスイスやベネルクス三国と言われた国々など 他にアメリカのいくつかの州では 安楽死が法律上認められています。安楽死と言えば 人間が終末期を迎えていて 苦しいだけの延命治療を本人が望まない場合だけの事例かと思っていましたが ヨーロッパなどではかなり若い年齢の方で安楽死をされているケースもあったようです。

ベルギーでは29歳の女性が 既に癌の末期で余命半年と医者から宣告されたのだそうです。癌末のかなりの苦痛を伴う中で 何の希望もなく生きていくことよりも 安楽死を選択されたのだそうですが もし自分がそのような立場に置かれたとしたら 安楽死を選択する可能性は結構あるのかもしれません。まあ日本では安楽死は認められていませんし 下手に医者が関わると自殺を手助けしたと言う事で 大きな事件になり 殺人者扱いを受けてしまう可能性大ですから 現実的には難しいでしょうけれども。

安楽死を法律で認めてしまうと 生きていくことに意義を見いだせていない若者が安易に安楽死を選択してしまう弊害は確かにあるみたいです。ベルギーやオランダでは 安楽死専門のクリニックも誕生していて かなりの数の患者が殺到しているのだそうです。判断が難しいのが 人生の終末期をすでに迎えておられる方は別として まだ将来が残っている方で安楽死を望まれる方のケースだと思います。

誰だって自殺することをある程度真剣に考えたことはあるのかもしれません。私も正直な所 自殺を本気で考えたことが無いでもありません。誰しも苦痛や恐怖を伴う方法で死にたい方はいらっしゃらないと思います。苦痛や恐怖を伴わず 奇麗な死に様が約束されているとしたら 恐ろしいことですが自殺願望の方の数は急増してしまうように思われます。

現在の私には ちっぽけですが夢があります。あと数年現在の仕事を頑張ってから ある程度リッチな老後を過ごせる目途が立ったら 奥様と二人でのんびりと楽しい老後をおくることです。その為には現在できることとして 仕事を頑張る事と 少しでも長生きしたいので健康に気を配る事を考えていますから 最近は自殺について考えることは全然ありません。但し無様な死に際は嫌だし これまでさんざん奥様に迷惑をかけてきましたから 延命治療を受けてダラダラ生き続ける事だけは断固拒否しようと思っています。

自分の事はさておき 現在の動物病院の仕事でも 安楽死と直面することはあります。老齢や癌の末期で 余命が幾ばくも無いけれど だらだらと生きながらえるのは 動物本人の苦痛も計り知れないし それを看護する飼い主さんの辛い気持ちも凄く大きいようなケースです。私から積極的に安楽死をすすめることはありません。けれど飼い主さんからその希望があれば 治療しても回復の見込みが殆どなくて 生きながらえても動物本人と 看護をする飼い主さんの苦痛だけが大きいようなケースでは 安楽死の希望を受け入れる場合もあります。

安楽死をする場合は その為の薬剤を静脈注射するだけで 実際にする作業としては簡単に終わります。しかしその薬剤を注射するときには 獣医師としてもそれなりに大きな苦痛を伴う処置ですから それなりに高価な料金を頂きます。あと数年でこの仕事をおしまいにするつもりですが あと何回ぐらいこの辛い処置を繰り返さなければならないのでしょうか。

動物に関しては 飼い主さんの了解を頂いて 安楽死を実行するケースは時々ありますが 人間についての安楽死を認める法律は 日本では当分成立することはないと思います。日本と言う国は 物質的にはかなり恵まれている国だと思います。真っ当に生きていれば 飢え死にすることは考えにくいように思います。それだけに精神的に追い込まれた時に 自ら命を絶つ方向に考えてしまうケースはそこそこあるように思います。

ちなみに人口比でみた自殺率でいうと日本は世界で十七番目であり かなり高いのです。安楽死が自殺の後押しになるとは限りませんが 法律で認められてしまうと 人が生きていくうえでの選択肢の一つになる事であるのは間違いありませんから 当分 少なくとも私が生きている間には 安楽死が合法化されることはないでしょう。

ちなみに韓国は二番目と凄く高いのですが これは自殺をする方の高齢者の割合が相当に高いことからきているのだそうです。韓国では高齢者が安心して生活できる体制が不十分なために 生活不安から自殺されるケースが多いのだそうです。日本も年金問題などから考えると決して安心な老後を迎えられるとは限っていませんが 韓国ほど深刻な問題にはなっていないのかもしれません。

私は現在 奥様との楽しい老後を夢見て頑張っていますから きっと幸せなんだと思います。この幸せが長続きするように頑張って生きていこうと思っています。

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