12月22日 忘年会について思う事

私は ほんのの三年ほどではありましたが 製薬会社で営業職のサラリーマンをしておりましたので 大学病院の医局単位での忘年会や 医者たちの少数グループの忘年会の企画を頼まれたり スポンサーになったりして 苦労しました。私はお酒が当時も勿論苦手でしたが 接待する側としては お付き合いしないわけにもいきませんから 猶更つらい時間外のお仕事でした。忘年会は勿論務めている会社内でも企画されますし 新入社員としては 理由をつけてさぼることなど許されることのない時代でしたから 当然参加しておりました。飲めないことは 予め断っておきましたので 乾杯だけはビールを口にしましたが その後はウーロン茶でお付き合いをしておりました。
医者相手の 接待のための飲み会は もちろん大事な仕事と位置付けられておりましたから それなりの覚悟をして臨みましたので それ程しんどくはありませんでした。ただ医者という生き物は 大学の医局にいれば 入局した年次により 明確な上下関係はありますが 仕事で接する患者に対しては 基本的に踏ん反り返っている人たちですから 普段からお付き合いをするのに相当苦労しておりましたが それが飲み会の席になると 更にその我儘ぶりがヒートアップしますから 本当に大変でした。
まあ医者相手の飲み会の領収書を上司に提出すると 私が酒を飲めないこと知っててくれているからか 「頑張ったな」と一言褒めてもらえることが 唯一の救いだったように覚えています。会社内の忘年会は 私のような下っ端社員が お酌をして回らなければならないし お酒や料理の追加注文も気を遣わねばなりませんから 医者相手の接待と 同様にしんどい思いをしますので 苦痛でしかありませんでしたが 当時は下っ端が雑用を引き受けるのが当たり前だし その面倒さを嫌って 欠席したりすると ねちっこい嫌味を言われたりしますから 迂闊にはさぼれませんでした。
まあ 楽しくはないけれど そんな場でも嫌な顔をしないで 頑張っておけば 先輩に可愛がってもらえたし 仕事でミスをしても 上手くカバーしてもらえたりしましたから 忘年会での下働きも仕事のうちと考えて せっせと頑張っておりました。現在では 忘年会に熱心に参加を促すだけでもパワハラになってしまうのだそうで 住みにくい世界になっているように思います。会社内の忘年会なんて 勿論下っ端のうちは 楽しいことなんて何にもないはずですが 全く興味の湧かない先輩の愚痴を熱心に聞いたり 先輩のグラスが空になりそうになったら 予め好きなお酒の注文を入れておいたりして ご機嫌を取るのも 仕事をスムーズにいかせるための 大切なお仕事だと考えておりましたから 自分が酒の全然飲めないことは勿体ないことをしましたが 自分のためになることだと割り切って 参加しておりました。
今どきの若者は 彼女や友人との約束を優先して 平気で社内の忘年会を欠席するのが当たり前なのかもしれませんが 頑張って 楽しくないし気を遣うばかりではありますが その後の社内での円滑な人間関係を作るためと 割り切って 参加してみたほうがいいように思いますが こんなことを言うと 話の分からない頑固ジジイと言われてしまうだけで終わるのでしょうから 止めておきましょう。
私はこの歳になっても お酒のおいしさを知りません。お酒の好きな人から言わせれば 人生の何割か損をしている などとよく言われてしまいますが お酒を飲んでハッピーになっておられる方々を見ると 確かにその通りかもしれないと思います。サラリーマンをしているときには 接待のために 割と頻繁にお酒を口にする日々が続きましたが 幾らかでもお酒が好きになるかと期待しましたが 全然効果はありませんでした。ほぼ間違いなく 私は死ぬまでお酒のおいしさを理解できないまま 人生を終えるのだと思います。お酒が駄目な分 甘いものは好きですが 糖尿病を患っておりますので 普段からなるべく甘いものも控えねばなりません。楽しみの少ない人生かもしれませんが 自分の体質とうまく付き合っていくしかないのでしょう。
私の父は 今年92歳で 足腰は弱ってきておりますが 頭はしゃんとしていて全然ぼけてはおりません。趣味は 油絵を描くことで 唯一の楽しみは お酒を嗜むことでした。ところが さすがに90歳を超えてからは お酒が美味しく感じなくなってきて 最近は全然飲んでいないのだそうです。私としては お酒が美味しく飲めているうちは 心配ないように思っておりましたが ここ一二年飲めなくなっているので もうそろそろかと 覚悟をしております。先日話した時に申していたのは 最近では 朝食代わりに 餅を焼いて レトルトの善哉を温めて食べるのが美味しいのだそうです。お酒を飲んでいたころには 一切甘いものを口にしなかった父が 甘いものを好むようになったのを 不思議に思いながら 人間何かしら楽しみを見つけるものだと思いました。これまで中元や歳暮には ビールや焼酎ばかりを送っておりましたが これからは和菓子屋さんを回って 簡単に食べられる美味しい善哉を送ってみようと思いました。

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