12月23日  本日は笑福亭鶴瓶さんの63歳のお誕生日です

勿論天皇陛下のお誕生日ですが 私にとっては鶴瓶さんの方が 身近であり一時期は崇拝していた存在でした。鶴瓶さんは 現在も芸能界第一線で活躍されていらっしゃる落語家さんですが 私が立命館に通っていた頃には 関西ローカルですが鶴瓶さんのてれび番組が沢山ありました。勿論ラジオ番組も もっと沢山あったように思います。

沢山あった鶴瓶さんの番組のうちで 一番強烈なインパクトがあったのが 昨日のブログでも触れましたが 鶴瓶、新野の「ぬかるみの世界」です。この番組は 普通のラジオ番組とは かなり趣が異なります。日曜日の深夜12時から始まります。終わる時間は 二人の話に一応の決着がついたところでした。ですから終了時間はまちまちでした。

落語家の鶴瓶と 放送作家の新野先生の二人のオッサンがグダグダ喋っている番組です。定番のラジオ番組のようなコーナーなどは一切ありません。二人に最近起こった出来事などを どちらかがぼそぼそと喋り出すと もう一人のオッサンが反応して会話が始まります。コーナーなどありませんからリスナーが自分の都合で送ってきたハガキの内容がネタになることもあります。例えば「私は実は山が凄く恐ろしくてとても山を正面から眺めることが出来ません」というハガキが読まれたとします。二人のオッサンがそのネタに関してお互いの見解を述べ合います。

次の週になると 同様に山が怖い人からどっさりとハガキが届きます。そのぞれに具体的な山が特定してあったり 山が怖くなった切っ掛けや理由などが それこそ山のように送られてきます。そこで何故山が恐ろしいのか、とかどの山が一番恐ろしいのか 等というどうでもよさそうな話がドンドン盛り上がっていきます。勿論、山以外にも実は私は○○が恐ろしいといったハガキもどっさりと届きます。

客観的に聴いていると そんなんどうでもいいやん みたいな内容ですが はがきを書いた人が本気なので 二人のオッサンも本気で紹介し 本気で語り合います、あまりに話が過熱してしまった場合 みんなで集まって討論会をやろうということになります。時間と場所が設定されてファンが集まり二人のオッサンと 熱く語り合ったりするのです。

それからぬかるみ語という言葉が存在します。これは二人のオッサンが作り出した言葉で 番組をかなり熱心に聴いていないと理解できません。ぬかるみ語を理解できるディープなファンを ぬかるみん と呼んでいたと思います。番組についての書物が発行されていて その中にぬかるみ語辞典なるページもあったように思います。

二人の話の内容としては 結構深刻なお悩み相談など暗い内容も多かったのですが そこは鶴瓶が喋っている番組ですから 途中で思わずぷっと吹き出すように面白い場面もたまにあります。ある時に凄く笑える面白い場面があって 私は思わず吹き出して腹を抱えて笑ってしまいました。何しろ日曜日の深夜ですから 辺りはシーンと静まり返っているはずです。所が私と同じように噴出して笑い転げている気配が 隣の部屋からも感じられました。

隣は二つ年下の妹の部屋です。私はどうしても気になって 妹の部屋をノックしました。ドアを開けると 私と同じラジオ番組を妹も聴いていたのです。話をしてみると 妹の方がぬかるみの本も持っているし ぬかるみ語についても私より詳しい位で 私よりも妹の方がヘビーなぬかるみんであることが分かりました。高校生ぐらいの年頃でしたから 妹とはなんとなくかなりの距離が生じていましたが ともにぬかるみんであることが分かって 何故だか急に距離が縮まった気がしました。

立命館を卒業して塩野義製薬に就職しました。勤務地は石川県と富山でんでしたが 北陸では残念ながら ぬかるみの世界は聴こえませんでした。岐阜大学にいた頃は 雑音混じりながらもかろうじて放送を聴くことが出来ました。岐阜大学は二度目の大学生活なので 同級生と十歳位年齢が離れているので なかなか友達ができませんでしたが 関西出身の子とタマタマぬかるみの話をしたら その子もぬかるみのリスナーだったので 急に親友ができたみたいで凄く嬉しかったのを覚えています。

鶴瓶も新野先生もこの番組はどちらかが死ぬまではやめない と宣言していましたから ぬかるみの世界は半永久的に続くと信じていました。いずれは島でも購入して ぬかるみんだけで集まって生活をしようという話も盛り上がっていましたから 私ももしその話が実現したら永住は無理でもしばらくはぬかるみ島にすんでみたいと真剣に考えていました。

そんなぬかるみの世界が終わってしまうのは 悲しかったです。日曜日の夜をこれからどう過ごせばいいのか と心配になってしまいました。今では日曜日の十二時からは「乃木どこ」の放送時間なので一週間で一番楽しみな時間になっていますが 乃木どこが始まるまでは 日曜日の深夜にはラジオの放送が少ないのでさびしいi時間帯でした。

鶴瓶さんの話 というよりもぬかるみの世界の話に終始してしまいましたが それ位笑福亭鶴瓶という落語家が私にとって特別な存在だったというお話でした。

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