12月26日 父の三回忌を執り行いました

一昨年の本日 94歳の父が息をひきとりました。息子と父親の関係では よくありがちなことかもしれませんが 私は父と凄く仲が悪かったように思います。亡くなるに三年前までは すぐ近所で生活しているにも拘らず 十年間ほど絶縁状態になっておりました。ただ父が もう先があまり長くないと直感したらしくて 90歳を過ぎたころに 遺言状を預けて管理を任せている信託銀行を介して 親子としての付き合いを回復したいと働きかけてしました。勿論本人からではなくて 銀行の担当者を介してのアプローチです。
私は長男という立場でしたし 何となく顔を合わせれば 喧嘩ばかりの関係に嫌気がさして 意識的にこちらから縁を切ったような形の絶縁状態でしたので 仲介の銀行員の方が それなりに礼儀と説得力のある働きかけをしてくださったので 日時を決めて 本当に十年ぶりぐらいに 実家を訪れました。実家で 凄く久しぶりに再会した時も お互いに素知らぬ風を装って 「久しぶり」という言葉を掛け合っただけで 挨拶を済ませました。銀行の方と 二つ年下の妹が同席していましたので 無理して話をしても またまた喧嘩になるだけだったでしょうから あっさりと再会の儀式を済ませたのは 賢明だったのかもしれません。
銀行の方は 私と父親の仲が 険悪であり かなりの期間疎遠であった事情は 察知しておられたみたいで 淡々と事務的に相続についての具体的な話を 要領よく説明していかれました。私としても 感情的には 父とかなり険悪な感情を持っておりますが そりゃ血のつながった父親ですから 大切に思う気持ちがないことはありません。ましてや残った人生があと僅かであることも間違いのないことでしょうから これを機会に また時々顔を合わせて 話をしたり食事をしたりするような関係に戻れれば戻りたいとも思っておりました。私の奥様が 頭の回転の速い 気の付く女性でしたので 父とも割と良好な関係を築いておりましたので 間に上手く挟まって 潤滑油の様に取り持ってくれたので その後は何とか時々 実家に会いに帰ったり電話で話をするぐらいの関係には なっておりました。
その後父が家の中で治れてしまって 病院に担ぎ込まれる事件がおきまして 一月ぐらい入院しました。流石にその後の実家での一人暮らしが無理なことは 頑固な父親も何とか納得してくれたので 退院してそのまま実家に立ち寄り 介護施設に入所させました。本当は十年前ぐらいに やはり急に入院する騒ぎが起こりましたので 私が全てお膳立てをして とある施設に入所させる段取りになっておりましたが 土壇場で実家に帰ると言い出して 関係者に相当な迷惑をかけてしまった事がありました。
私としては かなり周到に調査をして 根回しをして かなり良い条件でいい環境の施設に 入所できるような手配をしておりましたのに その苦労を踏みにじられたような 気持ちになって 父との関係が急激に疎遠になってしまった経験がありましたので 心配しておりましたが 流石に家の中で倒れ込んで一晩過ごしたのが 堪えたみたいでその時は観念して その施設に入所してくれました。但し部屋に挨拶に来た 施設長さんに いきなりこんな施設は気に入らないから 直ぐに実家に帰してくれと 言い出したという話を聞いたときには 恥ずかしかったのもありますが 呆れ返ってしまいました。やはり私は父とは仲良くやっていけないなあと思いました。
そんな我儘放題の父が 施設への入所を承諾したのには 十年前の時点では 毎晩毎晩かなりの量の酒を飲んでいたのに 入所したらもちろん飲酒など許されるはずがありませんから そのことが理由で施設への入所を拒否したのかもしれません。所が父がその時点でお酒が飲めなくなって 急に甘い物 おはぎや善哉が好物になっていたのだそうで その辺りも施設へ入ることを前向きに決心することにつながったのかもしれないと思っております。但しその施設に入所して わずか半年ほどで最期を迎えましたから 入所費用などが かなり無駄になってしまったように思います。この類の施設は 長居をするほど割安になる料金システムですの 十年前に私が設定していた施設に入所していたら と思いましたが 今更の話ですね。
そんなことで 一昨年の本日 命日となりまして 本日が三回目の命日なので 丸二年目を迎えた本日が 三回忌と呼ばれるのだそうです。私と妹夫婦の三人で お墓のある施設に小さな部屋を借りまして お坊さんに出張願って 三会議の儀式を執り行いました。予想していたよりも 長くてボリュームのあるお経の後 有難いお説教をしていただきました。普段は無信心な私ですが こういう出来事があると ご先祖様についてや 自分の今後について 考えてみたりもします。
次は 七回忌があるみたいですが その頃私がどこでどんな生活をしているのか 見当もつきません。現在ご縁のできそうな方が 福岡にいらっしゃいますので その方とうまく結ばれましたら 恐らく福岡で生活しているのかもしれません。私としては そうなっていて欲しいのですが お相手のいる事ですから どうなる事やら見当がついておりません。なので 不安な毎日を過ごしておりますが、取り敢えずは 父の三回忌を 長男として何とか執り行えたのでホッとしております。

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