12月28日 1986年の本日 宇都宮駅で初の駅弁が販売されたのだそうです

私は 凄く太っていますので 食いしん坊です。花より団子で お花見に出かけても 美味しいお弁当が無ければ全く盛り上がりません。そのくせ全くの下戸なので お酒が全然欲しくないのは不思議な気がします。そんな訳で 旅行に出かけるときにも 移動する乗り物の中で食べるお弁当は 必須うアイテムでした。私の家には 父が免許を持っていなかったので 自家用車が無くて 旅行に出かけるのは 何時も電車でした。ですから旅行の楽しみの一番最初は 駅弁を食べる事でした。
私は一時的に時刻表マニアでしたから 毎月交通公社が発行する大判の時刻表を 定期購読していました。時刻表と言うのは 何年かに一度 大きく改訂されますが そのとき以外は大きな変化はありません。一時的に走る臨時列車の情報が 新しく書き加えられる位のもので 時刻表の中身としては 毎月殆ど変化がありませんが 巻頭の特集として その時期のとある地方の鉄道に関係する行事などが紹介されていたり その時期限定のお弁当や駅の売店の商品が紹介されていたり 新型の車両の情報が掲載されていたりしますので そんな記事を読むのが楽しくて 購入していました。
臨時列車は 例えば夏場海水浴場へ向かう路線で 増発されることが多いのですが 行ったこともない海水浴場でも 七月と八月限定で 臨時特急が増発されていたりするのを見つけると 凄く楽しい気分になれるものなのです。大阪からスキー場へ向かう特急バスの時刻表も 当然ですが 夏と冬では 全然便数が異なる事を確認しては 納得したりして そのバスで途中に立ち寄る休憩所などを調べて あたかもそのバスに乗り込んでスキー場へ出かけることを 妄想しては 楽しんだものです。
現在はどこに行くのも 軽のオンボロ往診車で出かけるようになってしまいましたが これは荷物を持ち運ぶ手間が省けて楽ちんなのと 歩くナビゲーターである奥様が何時も助手席に座ってくださっているので 全く初めての土地でも 全然道に迷って苦労することが無くなったからかもしれません。でもそれまでは 旅行と言えば電車を利用する、電車を長距離利用するときには いつも必ず駅弁を食べることが凄く楽しみでした。
現在は ある操作をすると駅弁の容器自体が温まり ホカホカのお弁当を食べられるようになっているものもあるみたいですが 私が食べていたのは 何時も冷め切っていて 弁当箱の素材の木の香りがほのかにするお弁当でした。母は パン好きだったからかもしれませんが よくサンドイッチなどを 朝ごはん代わりに食べていました。私はもともと朝食も絶対に和食派でしたから 朝の時間帯でも しっかりとお米のご飯が詰まったお弁当を食べていました。サンドイッチなんて値段の割には 腹持ちが悪いし コーヒーも結構いい値段でしたから 納得がいきませんでした。私は子供の頃からやっぱり貧乏性だったのかもしれません。
始めて売られたお弁当は 握り飯にタクアンが添えられたもので 五銭だったそうです。当時の五銭が現在の幾らぐらいに相当するのか知りませんが 周囲の人がお腹を空かせているかもしれない状況で 握りめりを食べるのは 注目されるでしょうから 多少は緊張するかもしれないけれども そこそこ優越感も味わえたのではないでしょうか。駅弁を出発する駅で 購入してしまう人がいますが 私は賛成できません。
駅弁には 結構地方色が反映されています。その地方独自の素材や 調理法が楽しめるのかもしれません。ですから私は 駅弁は 走っている電車の中でお姉さんがカートを押して来る車内販売や 昔は電車の窓が開きましたので 駅のホームから 窓越しに駅弁売りのオジサンから 買うのが好きでした。場合によってはホームの駅弁売りのオジサンからしか買えないような レアな駅弁もありました。昔は 結構駅で五分から十分位停車する場合もありましたから そんな時には電車を降りて 駅の売店までお弁当を買い出しに出かけることもありました。もし電車が走りだしてしまったらどうしよう と言う一寸したスリルが味わえるので お弁当の買い出しも結構楽しかったです。
駅弁の三種の神器と言われているおかずを御存知でしょうか。所謂幕の内弁当には 必ず入っている弁当のおかずとしては 当たり前で珍しくもないものですが 玉子焼きと焼き魚、かまぼこなのだそうです。私は何時まで経っても ガキだからかもしれませんが やはりお弁当には絶対に卵焼きが入っていないと気に入りません。焼き魚は 鮭でもいいしサバでもとても美味しく感じます。只上手に調理しておかないと 弁当全体が生臭くなりますので こんがりと良く焼いてある方が好みに合います。蒲鉾は 正直あまり好きではないので 殆ど食べませんが 別に嫌いではないので入っていれば食べます。私の母は 蒲鉾が結構好きだったみたいで 母の作る弁当には 必ずかまぼこを甘がらくたいた 茶色いかまぼこが入っていました。
私がこれまでに一番よく食べた駅弁は 富山の鱒ずしかもしれません。塩野義に勤めていた時に二年弱富山に赴任していましたので チョクチョク頂きました。鱒ずしは富山では 普通にスーパーで売られていましたので オヤツや夜食代わりにつまんだりもしていたように思います。それから大阪に帰省するときには 結構日持ちするので 富山土産として よく買って帰ったのも覚えています。丸い器にびっしりと酢飯を敷き詰めて 鱒で全面を覆い尽くされていますが その他に付け合せやおかずは一切入っていませんから 見た目の華やかさには欠けますし 味の変化も期待できません。当時は 日本の駅弁の売り上げは 鱒ずしが一位だったと聞いていますが 電車の中で 所謂駅弁として食べられていた割合はそれほど高くないのかもしれません。同じ押し寿司でいうと 駅弁以外の用途で食べられる場合の方が多いと思いますが 奈良県の柿の葉寿司の方が 鮭にサバ、鯛、エビと種類が幾つかありますし 一口サイズごとに柿の葉にくるまれているので 食べやすくて好きかもしれません。
地方の名物が入っているのが嬉しいと 最初に書きましたが 例えば松坂の牛肉弁当屋 浜松のウナギ弁当は 高級すぎて あまり好感が持てません。やはり駅弁と言うものは 庶民が電車の中で楽しくおしゃべりしながら 気楽に食べられるべきものだと思いますから 出来たら価格は千円ぐらいまでに押さえて欲しいと思います。高級なその地方の素材を頂くのなら やっぱりその地に降り立って ちゃんとしたお店で味わうべきだと考えます。
本日もたかが駅弁について ダラダラとかき殴ってしまいましたが この辺りで終りに致します。悪しからず。

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