12月29日 夜間診療が 混みあいました

ここの所 割とコンスタントに時間外診療の患者さんがおられて 病院の売上的には 有難いことなのですが 昨夜から今朝にかけて 何と四匹もの急患が来院されました。一匹目は 飼い主さんの薬(鎮痛剤)を 猫が呑み込んだという事で 夜中の一時過ぎに電話がかかってきました。直ぐに来院してもらって 飲み込んだ薬を吐き出させるために 催吐剤を飲ませました。この薬は 液体で胃の中にあるものを 嘔吐させるための薬ですが飲ませましたが この薬は あまり口当たりがよくないらしくて 結構服用を嫌がる子が多いみたいです。この子も かなり暴れて嫌がってしましたので 苦労しましたが 何とか規定量は飲ませることができました。
胃の中に食物などが 存在する場合 ほんの二三分で かなりの割合の胃の内容物を吐き出してくれるはずです。所が 何時まで待っても 嘔吐するどころか 吐き気すら催す様子が見られません。どうやら薬を飲みこんでからそこそこの時間が経過してしまっていますから 既に腸管の方まで流れてしまっていて 胃の中がすでに空っぽなのであろうと 思われました。だとしたら 薬の成分が 吸収されてしまって体に何らかのダメージを受けてしまうことが心配されました。そこで 薬の成分から考えて その作用と拮抗する薬 つまり薬による影響を少なくする薬を投与して 受けるであろうダメージを 和らげるための治療を考えて 実施しました。まあ鎮痛剤ですから 具体的な影響としては 感覚が鈍って 幾らかぼんやりするぐらいのものでしょうし これから朝までは 普通は寝て過ごす時間帯ですから 日常生活においてあまり困ったことには なりにくいと思います。そんな治療をしている最中に 次の急患からの電話が入りました。
今度もまた夜中に おやつの硬いジャーキーの結構大きな塊を 飲み込んでしまって 苦しそうにしているので 対応してほしいとのことでした。直ぐに来院してもらうように返事をしました。遠方からの患者さんでしたが 思ったよりも早く来院されましたので 今回も先ほどと同様に 催吐剤を飲ませる事から治療が始まりました。塊を飲み込む少し前に晩御飯(ドライフード)を食べているとのことでしたから 今回は異物を吐き出させることができると予想しておりました。案の定 かなり大きな塊が 半分ふやけて消化されたフードとともに 吐き出してくれました。これで一応は一安心ですが 飲み込むときも喉につっかえて 苦しかったのでしょうが 吐き出すときには ある程度ふやけて柔らかくなっていたようですが また喉につかえていましたので 喉に残るダメージが心配されます。
そこで 皮下に点滴を入れて そこに抗生剤や消炎剤を追加で投与しました。おそらく明日の朝には 普段に近い形で食事ができるとおもいますが 年末なので念のために同様の薬物を内服で三日分ほど出しておきました。
二件の急患の治療をして 二階に上がり 布団に潜り込んでうとうとし始めたころに また電話が鳴りました。ハムスターが 直超脱の状態なので見てほしいとのことでした。ジャンガリアンというハムスターの中でも小さな体格の子でしたので 急いで連れてきてもらうことにしました。思った以上に早く来院されましたが 診察を始めた時には 既に呼吸が停止していました。聴診器をあてると 微かに心臓の動きを感じられましたので 直ぐに直接心臓に拍動を促す薬を注射して 心臓マッサージを実施しました。三分ほどマッサージを続けてから 再度聴診しましたが 心臓の拍動は戻ってくれません。もう一度拍動を促進する薬を投与して 心臓マッサージを繰り返しましたが 結局心臓が再び動き出してくれることはありませんでした。
残念な結果に終わってしまいましたが 飼い主さんは 京都市内にお住まいの方で 京都の動物病院にかなりの数連絡を取ってみたが 対応してくれる病院はなくて うちの病院にたどり着くまでに かなりの時間を無駄にしてしまったために 来院が遅れてしまったみたいです。もう少し早くに来院してもらえれば 直腸脱の状態の修復は 割と簡単にできましたから 助かってくれていた可能性も十分にありましたので 悲しい結末になってしまいました。
更には四匹目の急患の連絡が 既に明るくなりかけた時間帯に 入りました。自分の家で飼っている犬同士が 喧嘩をして噛み合ったために 一匹が足から出血が続いているので見てほしい という事でした。出血が止まらないのでは 直ぐに対応しなければ命に係わる恐れもありましたので 来院していただきました。診察台にあげて 様子を見ると かなり大きく皮膚が破れていて 静脈ですがかなり太い血管に穴が開いているために 出血が続いていることがわかりました。夜間ですが しょうがないので 麻酔をかけて 血管の破れている部分を修復してから 皮下組織 そして皮膚を縫合しました。
手術としては簡単な作業でしたが 今夜は ほとんど寝られていない状態でしたので 体力的にかなりつらかったです。点滴に 抗生剤や止血剤 鎮痛剤などを加えて投与して 治療を終えました。
今夜は 四件も急患がありましたので 忙しかったですが その分稼がせていただけましたので 正直しんどい思いをしましたが 有難かったです。今後も時間外での急患は積極的に受け入れていこうと考えておりますので このブログをお読みの方も深夜や早朝にペットの異変に気付かれた時には 当院に直ぐにお電話をください。出来る限りの対応はさせていただきますので よろしくお願い致します。

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