私はシドニーポワチエと言う俳優さんが大好きなので　たぶん昨年も同じ日に　シドニーさんについて書いたのではないかと思います。好きな映画作品は「手錠のままの脱獄」や「招かれざる客」そして［野のユリ］等です。アメリカでの黒人の辛い立場について全然知らなかった私は　シドニーさんは初めてアカデミー主演男優賞を獲得しましたから　ある意味黒人の地位を高めた功績で　黒人の方々から　尊敬され好かれていると思っていました。

しかしシドニーさんが演じる黒人は　品行方正で知性と教養を兼ね備えた　いかにも白人が求める理想の黒人像を忠実に表現していましたから　黒人の社会ではかえって反発を招いていたみたいなので　その事を知った時には　かなり驚きました。まあ先駆者と言うのは　あまり正当に評価されないのかもしれませんし、「出る杭は打たれる」とも言いますから　私の様に端正な顔立ちと巧みな演技力に対して　単純に憧れているものには理解できない事情があるのかもしれません。

一番好きな作品は　やっぱり［野のユリ］だと思います。シドニーさんが尼さんたちに便利使いされて　こき使われている場面は　ある意味情けない状況ですが　シドニーさんの優しさが滲み出ているように感じられて　凄くカッコいい人物に見えました。「エーーメン」と言う歌は単純な詩とメロディーですが　かなりの名曲だと思います。

もう一つのシドニーさんの代表作と言える「夜の大捜査線」は名優ロッドスタイガーとがっぷりと四つに組んだ演技が秀逸であるのは認めますが　私はあまり好きではありません。最後にビル保安官がチップス刑事のカバンを運ぶシーンは　最初は感動していましたが　今では何となくわざとらしくて　好きになれない場面です。それとこの作品は　続編が二本も作られていますが　ありがちな駄作だと思いますから　猶更残念です。

黒人社会からはあまり高く評価されていないのかもしれませんが　私はシドニーさんと言う俳優さんが大好きだし　彼なりに頑張って映画界でのし上がって　相対的には黒人の地位向上に貢献したのは間違いないと確信しますから　これからも好きな俳優さんの名前をあげるときには　忘れないようにしようと思います。