2月28日 またまた膀胱炎の猫が深夜に来院しました

基本的に猫の膀胱炎は寒い季節に起こりやすい病気です。その年によって膀胱炎の猫が沢山来院する年もあれば 殆ど来院されない年もあります。今年は猫の膀胱炎の当たり年 等と表現すると罰当たりですが 開業して以来一番来院される患者さんの数が多い年かもしれません。

猫の膀胱炎とは 猫のおしっこが正常であれば酸性の状態のはずですが フードの内容や生活習慣などによって アルカリ性のおしっこになってしまうために起こります。猫のおしっこが本来の酸性であれば溶けている物質がアルカリ性になってしまうと固体になって出現してしまい それらが尿結石となって 膀胱からおしっこの出口までの通り道 いわゆる尿道に詰まってしまいおしっこが出にくい 場合によっては全然出ない状態になってしまいます。

便が出ない状態、いわゆる便秘状態は 人間でも特に女性には多い状態です。私は全く経験がないのでその辛さは想像もできませんが 便がでなくてもそれほど急激に命に関わることはありません。所が 尿は血液の老廃物を排泄するために非常に重要なものです。コンスタントに尿がでないと老廃物が血液に貯まってしまい 直ぐに命にかかわる状態になってしまいます。分かり易く言うと おしっこが三日でなければ 人間も殆どの動物も死んでしまいます。

ですから尿が出ない状態とは 非常に危険な状態 死と隣り合わせの状況なのです。ですからおしっこが出ない状態で来院された患者さんは かなり切羽詰っているのです。このような患者さんは直ぐに預かって 尿道にカテーテルを通す準備ができたら 直ぐにその処置を始めます。

今夜も深夜の十二時ごろに電話があって すぐに来院されて診察すると 膀胱はパンクしそうな位に満タンでしたので そのまま預かってカテーテルを通しました。このところこのカテーテルを通す作業で 非常に苦労するケースが続いていましたが 今夜の猫ちゃんもそこそこ手こずらせてくれました。でも何とか膀胱までカテーテルを挿管できましたので 膀胱内を洗浄して 自然排尿できそうな状態かどうかチェックしてみました、カテーテルを通すのに苦労したこの場合は尿道に狭くなっている場所がありますから 自然に排尿できそうになくて残念ながらカテーテルを縫い付けて留置することになりました。

この子の場合は一応三日間留置してから カテーテルを抜いてみることにしました。処置後に点滴を入れておしっこが出やすくなるためのお薬をたっぷりと投与しましたし、内服薬も同様の薬を七日分準備しました。何とか今回の処置だけで うまくおしっこが出てくれるようになってくれれば 嬉しいのですが 再発を防ぐためにはおしっこを酸性に保つための食餌療法が重要です。食餌療法をきちんと続ければ 先ず再発は考えられませんし そのフードによって 心臓やほかの内臓までが良い影響を受けるのできっと長生きしてくれることと思います。

食餌療法を続けて頂けるかどうかは その重要さを説明する私次第かもしれませんし、猫ちゃんの将来を真剣に考えて頂ける飼い主さんか否かにかかっているのかもしれません。私の言葉をきちんと理解して頂いて きちんと食餌療法を続けて頂けると 一生懸命に説明してよかったと本当にうれしく思いますし、何よりその猫ちゃんが元気で長生きしてくれそうなのが 楽しみです。今回の飼い主さんも食餌療法の重要さを理解して 続けて頂けると本当にうれしいです。

ブログ一覧