3月22日 本日は毎月の事ですが語呂合わせで夫婦の日だそうです

私が一番身近に そして長い間みてきた夫婦は 勿論両親です。父親は私と同様に非常に短気であり 九州男児だからなのかどうかは知りませんが 家の中ではかなり威張っていたように思います。子供の頃には私が何か悪い事をしでかすと かなり厳しい叱責を浴びせられました。小学生の頃の私は 大きな声で叱られたり 軽くビンタされたりすると すぐにメソメソ泣いてしまう 非常に情けない男の子でした。その情けなさが父には余計に腹立たしかったのかもしれませんが 泣くとさらに厳しく叱られました。子供の頃の父は 非常に怖い存在でした。

母親は表面的にはおとなしい女性だったみたいで そんな父親を上手に立てて生活していたように思います。母は結構若い頃からリューマチ関節炎という不治の病に侵されていましたので そこそこ若い頃から障害者として認定されてしまいました。その為に私と妹は子供の頃から出来る範囲で手伝いをいろいろとしていました。父もかなりの部分の家事を 特に文句を言うことも無く 受け持っていたように思います。父は口では偉そうに威張っていましたが 母を凄く大切にしていると感じていました。

私が高校生になり 体格的にも体力的にも父親に勝るようになると さすがにしかる時に手を出すことは無くなりましたが 言葉による叱責は 筋が通っていましたから かなり心に響いてきて 私にとっては怖い存在であることは変わりませんでした。しかしある程度大人になってから 父と母の関係を冷静に観察すると 一見父親が偉そうな口調で喋っているので威張っているようですが 母親は上手に受け流していて ある程度父の怒りが収まるタイミングを見計らって ほんの一言か二言で上手に父の発言について 上手に補足したり 訂正したり、あるいは嗜めたりしているのに気付きました。

父は気が短いけれどあっさりとした気性だったので 一旦口調を荒げて文句を言っても 言いたいことを言ってしまえば 直ぐに気持ちが治まっていたようで 上手いタイミングでの母の一言を それなりに有難く受け取っているようにも思えました。

別に自分の両親を自画自賛するつもりはありませんが 非常に短気で表面的には威張っていた父親と 上手に受け流して上手く父を扱っていた母親は とても良い夫婦だったのではないかと思います。母の晩年は 寝たきりの障害者でしたが 父がなんだかんだと文句を言いながらも 家事全般から母の下の世話まで全て父が受け持っていましたから 本当に父は 母を大切にしていたと思いますし、そんな父に母も十分に感謝していたように思います。母が亡くなってもうすぐ七回忌ですが 父は月命日ごとの墓参りを欠かしたことはないと思いますから 未だに母を大切にしていると思います。

そんな素敵な夫婦関係を気づいた両親に比べて 私はどうかと言えば決して褒められた夫婦ではないように思います。私は病院を開業した頃に 一度結婚をしました。二年ともたずに離婚してしまいました。相手の女性が悪いとは全然思いません。私が開業したばかりであり 仕事にも私生活にも全然余裕がありませんでした。開業したばかりですから 仕事が上手くいかないことは今以上にあったと思います。その不満を愚かにも私は全て奥さんだった人にぶつけてしまいました。本当に今思い返すと情けない話です。けれども感情を上手くコントロールできなかった私は 結局離婚するという選択をしてしまいました。今もしその女性と出会ったなら 土下座をしてでも謝りたい気持ちです。

その後仕事はある程度軌道に乗ってきたのかもしれませんが やはり一人では寂しいので 女性との出会いを求めて現在の奥様と巡り合えました。奥様は私の目から見て全く欠点の見当たらない位に 優秀であり魅力的な女性でした。只 奥様も再婚で子供が一人いました。私は連れ子がいる女性と上手くやっていけるのか悩みましたが 余りに奥様が魅力的な存在だったので 奥様と一緒に暮らすことを決意しました。

私も一度結婚に失敗していますから 心に余裕をもって他人と生活するのだから不満な事が沢山あるのは当たり前 という気持ちで同居生活を始めました。所が 私の懐の狭さがまた災いしてしまって 奥様の子供との関係がどうにも上手くいきませんでした。赤の他人同士が 親子になろうとするのですから 実の親子でさえも上手くいかないケースが珍しくないのに いろんな問題が起こるのは当然です。その子に責任は全くなくて 全てを受け入れられない私が全面的に悪い事は 重々承知していましたが どうしても一緒に暮らすことは出来ませんでした。

かと言って奥様との関係を断ち切ることも私にはできなくて 結局近所に家を借りてもらって奥様にはそこで生活してもらいながら 私との関係も継続する現在の形に落ち着きました。結局タイミングを失ってしまい籍も入れてはいません。勿論奥様の今後はすべて私が面倒みるつもりですし、私の残す決して大したことはありませんが 全財産は奥様に譲る由を認めた遺書も奥様に既に渡してあります。

私は両親のようにごくありふれているのでしょうが 平凡で普通の幸せな夫婦生活はおくれていませんが 奥様という私にとっては有難すぎる女性と一緒に人生を歩んでいけますので 決して自分を不幸だとは思っていません。奥様も手放しで喜べる人生ではないと思いますが それなりに納得のいく人生を送っておられるのだと思っていてほしいです。

現在の私の夢は 十分な蓄えが出来て 奥様と優雅で充実した老後がおくれたら それで凄く幸せだと思います。その夢を実現するためにあと数年病院の仕事を頑張るつもりですので どうかよろしくお願い致します。

 

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