4月22日 無事に狂犬病集合注射が終了できたみたいです

本日が狂犬病集合注射の最終日で 私は当番獣医師に当たっていたので 久し振りに朝から快晴の中 注射会場に出かけました。つい先日までは寒いように感じていましたが 本日は快晴でありましたから かえって汗ばむぐらいに暑く感じました。当番獣医師とは 会場に来た犬が注射をしても大丈夫か否かを判断するのが役割です。

飼い主さんに郵送してある予疹票を見て 問題なければ 昨日今日の体調を確認してOKを出します。予疹票に何か異常があれば 飼い主さんに事情を確認して 必要があれば聴診器などを用いて診察して 注射をしてもいいのか悪いのかを判断します。

本日は昨年近所の病院で混合ワクチンと狂犬病を同時に接種したところ 手足に震えが起こったが様子をみていたら治まった という犬がやってきました。ここ数日の体調は全く問題がないのだそうですが ワクチンの副作用は体調とはかかわりなくおこりますから心配です。昨年は様子をみていたら治まる程度で済んだかもしれないけれど 今年はもっとひどい症状が発現するかもしれません。

普通の獣医さんなら病院で副作用が発現しても大抵の事には適切な対応ができるはずです。ところが注射会場ではろくな対応ができないのが正直な現状です。万が一にもそのような事態になった時には 近所の病院に駆けつける手はずはついていますが そのような事態になったら注射会場自体がかなりの混乱に陥ります。

従ってそのような緊急事態を未然に防ぐために その辺りの事情を飼い主さんに十分に説明して せっかくお越しいただきましたが注射をせずにお帰り頂きました。以前ならここまで細かい予疹が出来ないうちに注射をしていましたからちょくちょく注射による重篤な副作用が発生して 獣医師会としても困ったことになってしまっていました。

しかし予疹を徹底してからは 副作用の報告が激減しましたので わざわざお越しいただいた飼い主さんには 二度手間になって申し訳ない事をしているのかもしれませんが 獣医師会としては安心して注射業務に当たれるようになりましたのですごく助かっています。

最終的に今年の集合注射では 最終日に別の会場で 注射の副作用で顔が真ん丸に腫れる「ムーンフェイス」という症状が一件報告されましたが かかりつけの病院に駆け込んで適切な処置を受けたので直ぐに症状は治まったそうです。「ムーンフェイス」は それまでにアレルギーの兆候のない犬に突然発症するケースが多いので 未然に防ぐことが難しい副作用ですが 大事にならずに済みそうなのでホッとしました。

夜に保健所の責任者の方から電話を頂き 今年もトラブルが殆ど無くて 寄せられる苦情も全然なかったそうなので お礼を言われました。獣医師会としても昨年から保健所さん主導での集合注射が始まり 慣れない仕事だけにこまごましたトラブルが起きることを覚悟していましたが 市役所さん主導の時に比べて 却寄せられる苦情などがなくなりましたから 保健所さんの仕事ぶりには感心していましたし、凄く感謝しておりましたので 心からお礼を申し上げました。

狂犬病集合注射は獣医師会と保健所さんの共同作業であり 勿論市民サービスの一つかもしれませんが 獣医師が短期間でそこそこのお金を稼がせていただける有難いお仕事です。市町村によっては 集合注射はかなりの手間暇や場所の確保など目に見えにくい所でのご苦労も絶えないので 市町村側にとってかなりの負担がかかりますが それに見合う収入が伴わないので 集合注射という行事をを辞めてしまう自治体も増えてきているみたいです。

枚方市獣医師会としては 集合注射は私たちが短期間で稼がせていただける 凄く有難い行事でありますし、現在の所担当されている保健所さんとも 円滑で良好な関係が保てていると思っております。出来るだけこの関係を大切にして 集合注射が今後も長く続いて行ってくれることを期待致します。

何度も書き増したが 私の会長としてのお仕事も 目出度くこれで御仕舞にしたいところですが 先日から書いていますように 獣医師会関係者の葬儀に対する獣医師会役員の関わり方と 予疹のやり方についてのガイドラインの設定という結構デリケートで難しい仕事が発生しましたので 各会員の先生方に メールで問題提議をして 意見をまとめていくお仕事を最後の御奉公のつもりで頑張ろうと思います。

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