ゴールデンウィーク中は　ペットホテルとしてワンちゃんばかりをお預かりしておりましたが　ゴールデンウィークが明けてから　今度は猫ちゃんのホテルの予約が数件入りました。ワンちゃんの場合　朝夕に裏の運動場にお散歩に出しますが　猫ちゃんの場合　ウッカリ犬舎から出すと　大変なことになりますので　基本的に　入院室に入ってもらったら　後はトイレの掃除と　フードと水を給餌するだけになります。まあ人懐こい猫ちゃんの場合は　甘えてすり寄ってくるので　面倒をみるときに　首筋をなでてあげたら　抱きしめてあげたりしますが　本日お預かりしている猫ちゃん三匹さんは　そろいもそろって　非常に神経質な怖がりさんばかりなので　トイレを掃除しようとして部屋の中に手を入れただけで　シャーシャー言われますし　油断していると猫パンチが飛んできます。
本人の同意もなしにいきなり連れてこられて　置き去りにされたような気分でしょうから　友好的に振舞うのが難しいのかもしれませんが　大抵の猫ちゃんたちは　警戒しながらも　定期的に面倒をみる私に　少しずつ心を許してくれて　僅かずつでも仲良くなっていける場合が多いです。世話をするとき以外は　放っておかれるわけですから　寂しいだろうと思うので　友好的な猫ちゃんとは　なるべく接触を持つように心掛けております。小型犬の場合は　朝夕に散歩に出す以外にも　患者さんがいないタイミングで　受付のカウンターの足元に　放してあげたりもします。最初は警戒しながらも　直ぐに慣れてきたら　ご機嫌で走り回ったり　私の足元に絡みついてきたりしてくれます。構ってほしそうな態度のワンちゃんは抱き上げて　頬刷りをしたりします。
私は基本的犬ネコが大好きなので　折角お預かりして　長時間接する機会がある子たちですから　可能であれば　仲良くしたいし　寂しさを少しでも紛らわしてほしいと思います。でも現在滞在中の猫ちゃんたちは　顔を合わせたら　シャーシャー言われて　敵意をむき出しにされてしまいますので　寂しくて　悲しいです。せっかく縁があって　うちの病院にお泊り頂いているのですから　出来るだけくつろいでいただいて　良い思い出を作って頂きたいと思って　お世話させてもらっているつもりですが　結局指一本触れさせてもらえないままに　お帰り頂くのは残念に思います。
まあ人間同士でも　どうしょうもなく相性が悪くて　顔を合わせない方が　お互いのために幸せである場合もあります。丁度私と父がそんな状態でした。なので父の晩年は　私と顔を合わせない方が　父の長生きにつながるのではないかと　思って　十年ほど絶縁状態にあったこともありました。流石に父が亡くなる一二年前に　父の方から第三者を介して　アプローチがありましたので　復縁しましたが　再開した途端に喧嘩が絶えない状態になりましたので　必要最低限にしか　会わないように心掛けておりました。実の父子であっても　そんな関係にしかなれない場合もありますから　数日間お預かりするだけで　仲良くなろうというのが　無理な話なのかもしれません。無論人懐こいこの場合は　最初からべったりと甘えてくるので　思い切り可愛がってあげて　心底仲良くなれているつもりの子もいますから　致し方のないことでしょう。
結局お返しするときも　飼い主さんに入院室までは言って頂いて　お帰り用のかごに戻していただくしかないのだと　思います。何となく　情けない思いと　悲しい思いがしますが　そんな神経質な子をお預かりして　無地にお返しで来たら　それで良しとするべきなのでしょう。