5月19日 父の我儘が止まりません

三月末に 実家の玄関であおむけに倒れたまま 一晩明かして 冷たくなってから発見されて 救急搬送されましたので 一人暮らしがもう絶対に無理だと判断して かなり強引に説得して 老人向けの施設に入ってもらうことにしました。今まで父は 実家の広い家で やりたい放題の生活をしてきました。要介護一段階と認定されていましたので ほとんど毎日ヘルパーさんに来ていただきながら 何とか頑張って独り暮らしを続けておりました。十年以上も前から 私と妹は 父の状態を客観的にみて 一人暮らしは難しいと判断したので 何度も施設に入ることをすすめましたが そのたびに喧嘩別れになっておりました。さすがに今回のトラブルは 父にもこれ以上一人で実家で暮らすことが不可能であることを分からせてくれたみたいでしたが 病院から施設に案内した日から 施設で面倒を見てくださる職員さんに 実家に戻りたいと訴えるなど 前途多難を思わせる父にとっての新生活の始まりでした。
それから 取り敢えずは新生活に必要な電化製品や家具 日用品を実家から持ち出すために 父のリクエストに応じて 実家とその施設を何度も往復しました 最低減のものは 病院から施設に移るときに 持ち出すために実家に立ち寄りましたが 時間は限られておりましたし ご近所さんたちがお別れのあいさつに尋ねてきてくれたりして 本当に必要なもの何品かしか持ち出せなかったので 仕方がないようにも思いましたが 持ち出したいものを 退院するまでに リストアップしておくように言ってありましたが 勿論入院中なのでたっぷりと時間はあったはずですが 半分ボケたのかもしれませんが 全然そのような準備は出来ていなかったことも 上手く必要なものを持ち出せない理由だったのかもしれません。
父は今年93歳になりましたから 半分頭がボケていても 恥ずかしいことではないように思いますが プライドの人一倍高いので どうしても自分が大切なことを忘れて思い出せなかったり やるべきことがほとんどできていない自分の現状を 素直に受け入れて 自分の衰えを認める事が難しいようです。そんなに自分が 凄くだらしなくなっていることを全く自覚していないのに 自己主張だけは 相変わらず凄く強いので困ったものです。実家から何か持ち出してほしい場合のリクエストも 的確に表現できないので こちらが同じようなもの でも父の意図するのと異なる品を届けても ありがとうではなくて 文句を言うのです。
コロナ騒ぎの最中の現在 施設からの外出も 自由には許されませんので 何とか入所したばかりで 必要なものを取りに帰ったり 買い物に行くためにとどうしても必要だからと頭を下げて これまでに二三度外出の許可をもらっていました。施設としては とにかくコロナウィルスを施設内に持ち込まれることが恐ろしいからだと思いますが なかなか外出の許可が出してくれないのはしょうがないように思います。そんな中 ようやく許された外出での時間を 出来るだけ有効に活用するために 二三日前に 今回の外出の大まかなスケジュールを伝えて 実家に戻ったら 持ち出す物や 欲しいものを出来るだけ具体的に明確化しておくように繰り返し伝えてあるのに 殆ど準備ができていないままに 外出してしまうので ひどいときには 何一つ新しく買い物ができないまま施設に送り返したことがありました。
室内に置くテーブルと ゆっくりと寛げるイスが欲しい というので探して 三つほど候補に挙がったものを 実際に自分で座ってみて これがいいと自分で選んで決めたイスなのに 届けてもらって三日目に イスが固すぎて座り心地が悪いので 別のイスと交換してもらう 等と言い出しました。まだ二日しか使用していないのだから 他のイスと交換してもらえるはずだ 等と無茶苦茶なことを言い出すのです。購入したお店に その次に訪れた時に 一応父の言い分をお店の人に話しましたが その商品に大きな傷があるとか ひじ掛けが取れてしまったなどの 明らかな欠陥があるのなら 交換させてもらえますが 座り心地が悪い という理由では 交換に応じられません と至極まともな返答されましたので その旨を父に伝えましたが お前の交渉の仕方が悪いからだ 等と言い出します。
その後 父が直接 若くて優しそうな女性の店員さんを捕まえて 自分の勝手な理論による主張を延々と聞かせて交渉していました。最後には 店員さんが折れて 本日新しい椅子を選んで購入されるのなら 先に購入したイスを引き取る という風に話がまとまったようです。父にしてみれば 自分の思惑通りに事が運んだので 鼻高々ですが 交換してもらえるのは 貴方が社会不適合者と判断されたから 大きなお店としては ごたごたを避ける為に 無理を通して道理を引っ込めただけのことですよ と言ってやると へそを曲げて不機嫌に黙り込んでしまいました。私は 父と話すといつもこんな風になるので なるべく話さないように心掛けていて なるべく奥様に会話してもらうように心掛けていますが つい私が口をはさんだので 案の定喧嘩になってしまいました。
そんな風に 偉そうに踏ん反り返っているくせに 実家から持ち出す貴重品として 実家の権利証や実印 銀行の通帳 保険の証券などがどこにあるのか サッパリ覚えていないのです。寝室の押し入れに不似合いな位に大きな金庫がありますから 大切なものは まとめてそこに保管してあるのか と尋ねたら その金庫は出し入れが面倒なので 金庫の中にはあまり大切なものは入れていない という事でした。押し入れのかなりのスペースを占領している大きな金庫に なぜそんな日常生活では必要のない 大切なものを保管しておかないのか 不思議だし それらの大切なものがどこにあるのか あやふやなのに どうしてそんな風に偉そうに踏ん反り返っていられるのか まるでさんざん悪事を働いておきながら 偉そうに総理のイスに踏ん反り返っているアベチャンみたいだと思いました。
次回の父の外出がいつ頃許可されるか分かりませんが 実家の大切なもののありかは分かっているから大丈夫だと言い張る父の言葉が本当であることを祈りながら 実家訪問をしてみようと思います。ちなみに実家の金庫は ダイヤルがついていて番号式の上に 鍵穴がありますから 金庫のためのカギが必要みたいですが 金庫の鍵だけは持っているみたいですが 番号をメモした紙が行方不明なのだそうで そのメモを次の外出時までに 見つけておくように言ってありますが 多分見つからなくて そのことを咎めたら また喧嘩になってしまうのだと思います。本当に面倒なジジイですが 実の父親ですから 亡くなるまでは面倒を見なければならないのだと思います。まあこの歳になると 皆両親の事では 煩わされたり 悩まされたり 散々しているみたいなので 私も出来る限りは頑張って 向かい合っていこうと思っております。

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