5月29日  歯よりも大きな歯石を除去しました

先日 十二歳のミニチュアダックスフントで 公衆がひどくて困っているという事で来院されました。診ると歯石がとても分厚く歯に付着していました。普通はこれ位沢山歯石がついていれば 歯肉炎を起こして 歯が知らないうちに抜けてしまっているケースが多いはずなのですが この子はよほど歯茎が上部に生まれついたのかもしれませんが 歯茎自体は相当に炎症がひどくて 真っ赤に腫れあがっていますが 不思議に歯をしっかりと保持していました。解決するには歯石を除去するしか方法がない事を説明して了解してもらい 本日歯石取りをすることになりました。

年齢の割には心音など健康状態は良いので 特に血液検査などをしないで処置する事にしました。本当は健康診断を兼ねて肝機能腎機能などをチェックしておくべきだったかもしれないとも考えましたが 飼い主さんから年金生活者で経済的余裕がない事を伺っていましたので しませんでした。

麻酔はすんなりとかかってくれて安定していましたので スムーズに処置できました。スムーズとは言いましたが 付着している歯石は かなりの年月を経ているせいかもしれませんが 相当に頑固で歯の表面からなかなか剥がれ落ちてくれなくて 正直これほど歯石取りで手こずったのは初めてかもしれません。何しろ奥歯には 歯そのものよりも付着している歯石の方が大きい位の状態でした。

あまりに大きな歯石は超音波のスケーラーでも割れないので 鉗子ではさんで力づくで割りながら作業を進めました。普通の歯石取りの場合、麻酔が安定してから 歯石取りの作業を始めますが 殆ど十分以内に全てと歯石取りの作業が終わります。所が本日のダックスちゃんの場合はたっぷりと三十分ぐらいかかりました。歯石取りの処置料を 普段の五割増で頂きましたが しょうがないでしょう。

ダックスちゃん本人も口内の感触が相当に異なっているはずですから かなりの違和感は感じるかもしれませんが ひどかった口臭は殆どなくなったと思いますし 当分は歯が抜け落ちる心配はないと思いますから そこそこ寿命も延びてくれたはずです。飼い主さんとしても そこそこ費用も掛かりましたし、年齢を考慮して心配はされていましたが 結果的には歯石取りの処置をされて良かったと思います。

私たちも非常にくさい思いをしながら なかなか剥がれ落ちない歯石を相手に必死に頑張って汗をかいた位ですが それなりにこのダックスちゃんのより長生きに貢献できたと思いますので 頑張りがいがあったように思います。

ブログ一覧