5月29日 オバマ大統領の広島訪問について思う事

オバマ大統領が 広島を訪問してくれたことは 取り敢えず大いに評価すべきことだと 私は思います。演説の内容はどこか具体的でない雰囲気でしたし 謝罪のしの字もなかったように思います。日本は立場的に世界で唯一の被爆国であり 原爆を投下されたことで甚大な損害 被害をこうむったのですから アメリカに謝罪を求めたくなる気持ちも分らないではありません。

しかし客観的に考えれば 当時日本とアメリカは戦争をしていたのです。その状況の中で たまたま完成した新兵器をアメリカが使用してしまった と言う事に過ぎないのかもしれません。互いに相手国を倒すために死力を尽くしていたのです。その状況の中で 偶然に核兵器と言う恐ろしい兵器が完成してしまったのですから アメリカがその武器を使用してしまったとしても 一方的に攻められることではないように思いますし、その武器を使用したことについての謝罪を求めるのは 何となく筋違いなのではないかと思ってしまいます。

唯一の被爆国である日本にしたら 現在でも被曝によって苦しんでおられる被害者の方がいらっしゃるのですから どれだけ時が流れても 原爆を使用したアメリカに対する憎しみや敵意が消えないのは 致し方の無い事かもしれません。アメリカに住んでいる日本人が たまたま会話の中でヒロシマと言う地名が出てきただけで「ヒロシマの責任を問うのなら、パールハーバーの責任はどうなるのだ」等と議論を吹きかけられることが少なくなかったのだそうです。アメリカ人が「ヒロシマ」と言う地名に過敏に反応してしまうのは ひょっとしたらほんの少しは原爆を使用してしまったことに 罪の意識があるのかもしれません。でもその意識を素直に肯定できないので 日本が宣戦布告前に真珠湾攻撃をしてしまった と言うルール違反の責任とすり替えてしまっているのかもしれません。

現にオバマさんから謝罪の言葉を日本が期待している と言ったニュースがアメリカに流れたことで 激怒しているアメリカ人が少なからずいることが 報道されていました。現在でもアメリカでは戦勝記念日に お祝いの行事が続いているのだそうです。オバマさんとしても原爆を投下したヒロシマをわざわざ訪問すること自体 かなり敷居が高かったはずです。訪問して前向きの演説をしていただけただけでも これまでの原爆に関する日米関係から見れば 大きく前進できたように思います。

更に当時の日本国民の感情を考慮すれば 被爆したことによって 軍部も政府も天皇陛下も敗戦を覚悟できたのかもしれません。被爆していなくて戦争が続いていたら 沖縄が占領されたからには 日本本土が戦場と化する可能性があり 日本の被害はさらに甚大になっていたかもしれないのです。日本が初めて経験する敗戦を思いきらせてくれたのはある意味原爆であったのかもしれません。これ以上書くと 被爆された方に申し訳ありませんので これで終りにしますが 取り敢えず初めてヒロシマに来てくれたオバマ大統領には 拍手を贈りたい気持ちです。

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