6月17日 1972年の本日 ウォーターゲート事件が表沙汰になりました

ウォーターゲート事件とは 共和党のニクソン大統領が 選挙のために民主党のウォーターゲートビルに盗聴器を仕掛けた事件をワシントンポストの記者が表沙汰にした為ニクソン大統領陣営が窮地に追い込まれたので 様々な方法で自分たちを正当化するために捜査妨害や 証拠隠滅をはかり 最終的にはアメリカで初めての大統領の引責辞任に追い込まれた事件です。

そもそもニクソン大統領は 選挙前に大統領として 外交的手腕として米中関係を改善しましたし 内政的にはニクソンショックなる方法で ドルを切り下げて景気を回復させていましたから 大統領としては凄く高い評価を国民から得ていました。従って 何もしなくても大統領選挙は圧勝する見込みでしたし 事実圧勝しました。なので大統領陣営が 民主党のビルに盗聴器を設置するような異常な手段で 相手側の情報を集める必要などサラサラないはずでした。その為に 他のマスコミも国民も 盗聴器を設置しようとして捕まった犯人が 大統領と直接つながっているなどとは 考えもしませんでした。

しかしワシントンポストの記者二人が 念入りに調査して大統領の直接の関与につながる報告をしたのが44年前の本日でした。その後大統領特権を悪用して 様々な捜査妨害や 証拠隠滅を図りましたが 結局は大統領の直接関与が 明らかにされていき 大統領辞任に追い込まれていく と言うまるで映画にでも描かれそうな政治スキャンダルへと発展してしまいました。韓国では恒例行事のように 大統領が辞める間際になるとスキャンダラスな事件を引き起こしますが アメリカの大統領としては長い歴史上 初めての引責辞任事件でした。日本の都知事さんとはえらい違いです。

私はアメリカの大統領の中間選挙と言うものの意味合いを 殆ど理解していませんから その選挙の重大性がピンときません。ニクソン大統領が在任中に失政を繰り返して ピンチに立っているのであれば 焦って相手陣営の情報を集めるために 姑息な手段に訴えようとした理由が納得がいきますが 何もしなくても再任はほぼ間違いのない状況で 何故そんな非常手段に走ったのか 不思議です。

それに 相手陣営の中枢になぜ五人もの大人数で 侵入したのでしょう。盗聴器を設置する為だけなら その道のスペシャリスト一人で出来るはずですし、なぜ捕まった時に大統領とのつながりを示すようなものを所有していたのでしょうか。その道の一流のプロなら 例え己が捕まっても依頼主とのつながりがばれないように 周到な準備と行動を取るのではないでしょうか。

結局は大統領が引責辞任する結末につながるのですから 大統領と侵入して捕まった犯人たちに直接のつながりがあったのは 間違いないのでしょうが 結果的には被害に遭った形の民主党にとって すこぶる美味しい展開になったのですから 凄く穿った見方をすれば 一見被害者に見える民主党が糸を引いていたのではないかとさえ 考えられなくもない事件です。

この事件が起こった時 私はまだ中学生でしたから なんだかよく分らない事件がアメリカで起こって 結果的に大統領が辞めてしまったことしか理解できていませんでしたが ある程度政治について理解が出来るようになってから 振り返った時には まるで映画の題材みたいで非常に興味深い事件だと思いました。久しぶりにこの事件についての経緯などを ウィキペディアなどで読み返してみましたが 世間が忘れてしまった事件を根気よく調査して 史上初めての大統領の引責辞任事件にまでもって行ったワシントンポストの記者のお二人には 改めて敬意を表したいと思いました。

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