6月5日 語呂合わせで 落語の日なのだそうです

落語と言えば 私は大阪人ですから 勿論上方落語しか知りません。正直な所 東京の落語家さんの落語を聞いて 面白いと思ったのは 先代の円楽さんと 小朝さんだけです。このお二人の落語は 非常に面白く拝聴させていただきましたが このお二人以外の落語家さんの噺を聞いても くすりとも笑えません。私はあくまでも 落語とはおもろい物 笑わせてもらえるものだと思っています。別に落語を聞いて 上手いねーなんていう感想は 吐きたくありません。なので お名前をお出ししたお二人以外の東京の落語家さんは 正直ん気持ち好きじゃありません。
勿論 関西の落語家さんでも 抜群に面白い噺をされていた方は 極限られているように思います。私が心底面白いと思っていたのは 桂枝雀さんと 吉朝さんのお二人だけです。無論枝雀さんの師匠である 米朝さんの落語も 大いに笑えますが 何となく結構お若いうちに人間国宝になられてしまいましたから その噺も 芸術の域に達しているように感じられましたので 笑い飛ばすには失礼に当たるように思っておりました。ただ残念なことに枝雀さんが59歳の時に 自殺なさっていますし 吉朝さんは胃がんのために 僅か50歳でお亡くなりになられてしまいました。
枝雀さんは その大きなアクションと大きな声で演じる独特の落語スタイルを 批判された時期も結構長かったのかもしれませんが 結局はお客さんが 無条件に枝雀さんの落語スタイルを支持したので 唯一無二かも知れない枝雀さんのスタイルが 立派に認められたのだと思います。只枝雀さんは あまりに生真面目な性格のために 落語を細かく分類して 研究し尽くして 芸術として極めようとなさりすぎて うつ病が悪化してしまい 自殺されたのだと私は理解しています。自分のやりたいスタイルの落語を 世間もプロの落語家さんたちも 認めていたわけだし 兎に角枝雀さんが 落語を披露すれば 爆笑が間違いなく起こっていたのですから それだけで満足されていればよかったのに 天才であるがゆえに あまりにその高みを目指しすぎて 生きるのがしんどくなってしまったのではないでしょうか。その年齢から 更にその話芸に磨きがかかり 円熟味を増して 師匠の 人間国宝である米朝さんさえもが 自分を越えていく唯一の弟子として 枝雀さんを認められていたのに 自らの寿命にピリオドを打たれてしまい 非常に残念で仕方がありません。
吉朝さんは 枝雀さんのような強烈な個性を前面に出すのではなくて どちらかというと正統派の落語を目指しておられたように思いますが やはり師匠の米朝さんが その才能に折り紙をつけておられた 天才だと私は思います。枝雀さんの落語は その個性である大きな動きと表現に 面白みがありましたが 吉朝さんは 各所にくすぐりをちりばめた落語でしたので 常にくすくすと笑かされてしまう 非常に楽しい落語だったと思います。そんな天才落語家が 運悪く胃がんという病気に侵されて あまりに若い年齢でお亡くなりになられたのは 枝雀さんが自殺されたこと以上に 悔しく思います。まだまだこれから 芸を磨き 話術を高められて 最初から最後まで笑かしていただける 本当に面白くて 楽しすぎる落語を聞かせていただけると期待しておりました。
勿論 米朝さんや 文枝さん(三枝)たちの落語も 非常に面白おかしくは感じますが やはりこのお二人の落語の方が 私の感性としては 面白く感じました。私は「ぬかる民」でしたから 鶴瓶さんは 芸能人でも別格に好きな方だし 尊敬もしています。なので鶴瓶さんの落語も非常に楽しく思いますし そのお弟子さんである 笑福亭晃瓶さんも毎朝ラジオを拝聴していますから 大好きだし その落語も好きです。でもやはり 枝雀さん 吉朝さんの落語の面白さとは 距離があるように思います。
ちなみに「ぬかる民」というのは 私が十代から二十代にかけて 鶴瓶さんが新野新さんと日曜日の深夜にラジオ大阪で放送していた「ぬかるみの世界」のディープリスナーの事です。この番組は 十年以上にわたって放送されていました。当時は 鶴瓶さんが生きている限り この番組を続ける勢いで放送されていました。どのような事情があったのか よく分かりませんが 私が岐阜大学に通っていた頃 突然番組が終わりを迎えましたので すごくショックでした。当時は日曜日の深夜は AMラジオが他局はあまり放送されていませんでしたので 岐阜にいても ラジオのチューナーをあわせれば 雑音混じりながら何とか聞こえていましたので 頑張ってリスナーを続けておりました。高校生の頃 何気なくこの放送を聞いていて 凄くインパクトのある話になった時思わず 爆笑してしまったのですが 何と隣の部屋からも 似たような反応が聞こえたので 隣の部屋の妹に声をかかると ある意味私よりもっとディープなリスナーだったのには 驚きました。妹は 番組の本も持っていたし はがきを出して読んでもらったことが あったのだそうです。普段あまり話はしませんでしたが 同じラ時を番組にむちゅうになっていたので 妹との距離が縮まったような気がしました。
そんな訳で 鶴瓶さんは 特別な存在だったので 大好きなタレントさんであり 落語家さんです。落語の方も デビュー当時は いわゆるお笑いタレントの仕事ばかりでしたが いつの間にか本業にも力を入れ始めて そこそこの実力者になってこられたみたいで 嬉しく思っておりました。
私の代好きな というか心底面白い落語をされる落語家さんが 既にお亡くなりになられているので とても残念です。枝雀さんは その落語全集をビデオで買いそろえておりましたが 現在は視聴できません。しかたがないので DVDで発売されているものをまた買いそろえようと思います。吉朝さんのDVD全集も当然発売されていますから 購入して 仕事を引退したら 落語三昧の日々を過ごしたいと思います。

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