7月26日 この連休について思ったこと

今年はオリンピックが開催されるという事で 開会式のために 海の日と体育の日改めスポーツの日を 移動してきて寄せ集めて わざわざこしらえた四連休だったのかもしれませんが コロナ禍の影響で 今のところオリンピックが一年延期 という形になり この四連休がなんだか虚しいものになってしまいました。そこで政府は 壊滅的なダメージを受けた 観光業や飲食業に救いの手を差し伸べる為に ゴートゥーキャンペーンなるものを企画しました。そのうちの旅行に関する割引を行う トラベルキャンペーンをこの連休に間に合うように 前倒して 周囲からの反対の声を無視した形で 強引にスタートしました。
このキャンペーンは 当初八月にスタートする予定でしたが 観光業からの悲痛な訴えにほだされたのかどうかは知りませんが 政策に筋の通った信念がないからでしょうけれど 未だ準備が全然整ってもいないのに 前倒しでスタートしたほうが 政府が観光業に対する救済策をいかにも前のめりの姿勢で取り組んでいることがアピールできるとでも浅はかに考えたんでしょうか 大慌てでスタートしてしまいました。最初は 何処の旅行業者を通そうと どんなホテル旅館を利用しようと 有効なキャンペーンのはずでしたが いつの間にか各ホテル旅館が手を挙げてキャンペーンに参加することを意思表示して かつ感染症対策が十分になされていることを確認して 了解が取れた施設だけが利用できるように 話がすり替わっていたみたいです。
直前になって 感染症確認人数の増大が著しい東京がらみの旅行が 対象外になりました。直前になっての変更ですから 東京がらみの旅行をすでに予約していた人たちが キャンペーンを利用できないのならと 予約をキャンセルしようとしたら キャンセル料が発生してしまう位の直前になっていました。政府が 旅行しましょうと煽っておいて 急遽割引の対象から除外したのも政府ですから キャンセル料を政府が支払うなんて常識なのに 最初は支払わないと 突っぱねてみましたが 世間であまりに避難ごうごうなので やっぱり払うと言い出しました。この政府には 肝の座った 泰然自若の人物は一人もいないのでしょうか。情けないことこの上ありません。
政府の方から一方的に旅行しましょうと煽っておきながら 実際に利用する国民の事を一切考えていない事が本当によくわかるような実態が現在の所 繰り広げられています。今のところは このキャンペーンを利用しようとすると 各自が申請書に旅行したことを証明する書類などを添付して提出しなければならないようです。利用客も非常に面倒な思いをするし 宿泊施設も宿泊証明書などを発酵しなければなりませんから 煩雑な仕事が増えてしまいます。いずれは 旅行会社を通じて予約する分については 予めキャンペーン分の割挽きされた料金を利用客が支払えば済むように 手続きが簡略化されるらしい という噂があります。
このキャンペーンは いついつまでに始めなければならない という制約は一切ないのですから どうして準備が全然できていない段階から 周囲の反対を押し切って始めなければならなかったのでしょうか。キャンペーンを始める前日になって ようやく宿泊施設に対する説明会が開かれましたが 具体的なことを質問されても 現在のところまだ決まっていない という返答の一点張りだったのだそうですから 無責任というよりもあまりにも無計画な政策だと思います。このキャンペーンで一兆円以上の税金がつぎ込まれるのです。息も絶え絶えになっておられる観光業の方々を救うために利用されるのですし 国民にもそれなりのメリットがある企画ですから 文句を言う人はあまりいないのかもしれませんが 税金の有効活用になる使い方を考えてほしいものです。
私は 九月にプライベートの旅行 また大分県の移住先へ出かける予定があります。その時点までこのキャンペーンが継続されているのか その前に緊急事態宣言が発令されて 消滅してしまっているのかもしれませんが もし利用できるのなら利用したいと考えています。その頃には 一日二万円分しっかりと割引されるシステムが確立されていると嬉しいのですが こんな世間の評判に左右されまくって ふらふらしている政府が企画したキャンペーンですから 全くあてになりません。
この連休中も うちは当然のように病院の仕事をしておりました。患者さんはそこそこお越しいただけましたが ホテルでお預かりしたのは ワンちゃんが二匹と 猫ちゃんが三匹だけと 寂しい結果に終わりました。旅行に出かけられた方にお伺いすると 大阪も感染確認人数が百人を超えているので 旅先であまりいい顔はされなかったみたいですし 普段通りに過ごされた方々は こんな雰囲気の中 旅行に出かけようなどとは全く考えなかった というご意見でした。関西の人間はもう忘れてしまっているのかもしれませんが 九州では今月上旬の大雨によって 家がつぶれ 職場がなくなり 絶望を抱えたまま避難所暮らしを続けておられる人たちが 山のようにいらっしゃるのです。そんな人々の気持ちまで考えたら のんびりと旅行できる気分にはなっていただきたくないし この四日間お天気が悪かったことが 逆の意味で救いだったように思えてしまいます。

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