ちょうど十年前に小学生の女の子がやはり同級生を殺害した事件にも　非常に衝撃を受けましたが　同じ佐世保市で年齢こそ違え　似たような事件が起きたのは何か因縁でもあるのでしょうか。佐世保市の教育関係者の方々は十年前の事件がありましたから　尚更人の命の尊さについて、とか友人関係の大切さについて子供たちと　沢山話し合ってこられたと思います。その努力が水泡に帰すような出来事が起こり　遠い地で起こった　他人事とはいえ　とても残念に思います。

よくいじめによる自殺などが起こった時に　学校の管理責任が厳しく追及されますが　私はそんな事件も学校にだけ責任を追及するのは　間違っていると思います。今回の被害者と加害者の関係などはまだ明らかになっていませんが　その辺りのデリケートな問題に関して　学校が状況をよく把握できていなくても致し方のない事かもしれないと思います。

子供たちのいじめ、いじめられ問題は私が子供の頃にもありました。一人の女の子が髪の毛が寝癖放題のぼさぼさであり、服装もだらしなくて　おそらく蓄膿症だったのだと思いますが常に鼻水をたらしていて　ズルズルと気味の悪い音を立てて鼻水をすすっていました。その子を最初は男子がみんな気味悪がってそばに寄らないようにしていました。いつの間にか女子にまで　似たような行動が伝染していて　その女の子がクラスから完全に浮いた状態になっていました。

当然　担任の先生が気づいて　私たちの行動を改めるように注意しました。しかし私たちは反発して余計にその女の子を無視するようになってしまいました。問題がこじれたので父兄まで集まって　話し合いが持たれました。父兄からは頭髪の状態や服装をもう少しきちんと改めるべきではないか、鼻水については病気であるのならきちんと治療すべきではないのか　という意見が出ました。

私たちも　その女の子の容貌が特に醜かったからなんでいう理由で　特別扱いしたのではなかったので　頭髪や服装が普通の状態になり　常に鼻水をすするようなことがなければ　特別扱いはしないと思っていました。所がその女の子は　いつまでたっても前のままで状態に変化がありませんでした。結局クラス替えがあるまで　その子はクラスのメンバーから一定の距離を保たれたままで　学校生活を送っていました。

私のクラスのケースでは、私たちがいじめた側、その女の子がいじめを受けた側になるのかもしれませんが　一方的に私たちが悪い事をしたとは今思い返しても思っていません。いじめる側、いじめを受ける側　それぞれに事情はあるし　お互いに言い分があると思います。勿論そのことでその女の子は心に大きな傷を負ったのだろうと思いますし　たった一人の女の子にクラス全員でダメージを与えないように心掛けるべきだったのかもしれませんが　その女の子もいじめを受けないための努力、というかきちんと身支度をして、健康なというか普通の状態で登校してくるべきだったのではないかと思います。

ですから、今回の事件も　勿論人を殺すことは取り返しのつかない大罪であり論外ですが　被害者と加害者両方にそれなりの事情があってこのような結末になったのだと思います。学校が二人の関係についてしっかりと把握できていなかったことは　ある意味当然だと思います。生徒全ての人間関係について　学校が全てを的確に把握しているような状態では　プライバシーなど微塵も存在しません。そんな学校が生徒を徹底的に管理下に置いているような組織はこの世の中に存在しないと思います。

加害者が被害者に対して殺意を抱いていても　当事者や周囲の人間に悟られるようでは　人を一人殺害することは現実的に無理でしょう。全く悟られなかったからこそ今回の事件が起きてしまったのだと思います。そんな一人の人間の心に密かに芽生えた殺意を　学校側が事前に察知して未然に防ぐことを期待するのは酷な話だと思います。

それにしても十年前の事件も今回の事件も加害者は女の子でした。いざとなったら男よりも女の方が　大胆であり実行力を備えているのでしょう。体力的には男性のほうが体格に勝りますから腕力などでは　普通男性が女性よりも上回るはずです。性格だって男性の方が荒々しい場合が多いと思います。しかし男と女　一対一の関係においては　ご夫婦であれ　恋人同士であれ　９９％は女性の方が主導権を握っています。勿論私と奥様の関係も体力的には私の方が勝っているはずですが　奥様を抱きしめてキスをしようとしても　簡単に弾き飛ばされて全く勝負になりません。二人で何か決め事をするときも　圧倒的に奥様の言い分が通ってしまいます。

まあ、奥様の方が私よりも数段賢いのは間違いありませんから　奥様の言い分を通しておいた方が　結果的には良い場合が殆どだと思いますので　自分の言い分が通らなくても　私も大して腹が立たなくなってきました。私はおそらく一生奥様の風下で生きていくしかないのだと思います。私はそれで満足です。今回の事件はかなりショッキングであり驚きましたが　今後も同様の事件が起こる可能性は残念ながら　なくならないと思います。ただ人の命を奪ってしまう事は　取り返しのつかない罪を犯す事であり、後でどんなに悔やんで反省しても　その罪を償う方法はないと思います。

大昔から　人が人の命を殺めてしまう行為は　戦争のように大規模なケースを含めて　絶えず起こっています。きれいごとの理想論など書きたくはありませんが　人が人を殺める行為だけはなくなってしまって欲しいと心から望みます。最後になりましたが　亡くなられた女子高生のご冥福を心からお祈りいたします。