7月30日 間に合わなかった急患がいました

夜中の三時ごろに電話がかかってきて 犬の容体が悪いので 診て欲しいとのことでした。三日前ぐらいから 苦しそうに呼吸をして 食欲も殆どなくなり 心配していたが 一時間ほど前から 呼吸の間隔が長くなってきたので 心配だから今から診察してほしい と言う事でした。呼吸の間隔がさらに広がって 呼吸が停止してしまえば 死に直結しそうな状態でしたから 直ぐに来院するように言って 急いで病院に下りて 急患に対応する準備をしました。呼吸が停止しそうな状態ですから 場合によっては気管チューブを挿管して 人工呼吸しなければならない可能性もありますので 酸素ボンベを開いて そちら方面の準備をしました。更には血液検査やレントゲン撮影の可能性もありますので それぞれの機械の電源を入れて スタンバイしました。
うちの病院は どんな深夜や早朝であれ 急患の場合は出来る限り対応しますと 宣言しておりますので どんな時間に電話がかかって来ても 私が目覚めれば 対応するように心掛けておりますし 勿論それなりに稼がせて頂いておりますから 文句を言うつもりはありませんけれど 三日も前から 食欲元気がないのにほったらかしにしておいて 今頃電話をかけてきて 急患だから対応してくれと言うのは やっぱり飼い主さんの怠慢ではないかと考えてしまいます。もし自分や家族がそのような状態になってしまったら もっとずっと早くにアクションを起こしていたのではないでしょうか。
急患に対応する準備をととのえて 待っていたら 十五分後ぐらいに「息を引き取ったようなので もう結構です」と断りの電話が入りました。こちらは夜中の三時にたたき起こされて 死にそうな患者を想定して 準備している待機しているのに 結構ですの一言で 終りにされてしまいました。まあまだ連絡を入れてきただけでも ましな飼い主かもしれません。
以前にも今にも死にそうな状態だから大至急診て欲しいと深夜に連絡があり 準備して待っていましたが 何時までたっても来院しないので 電話をかけてみると こちらに連絡してすぐに息を引き取ったのだそうです。ならばどうしてすぐにこちらにもその旨の連絡がないのかと 尋ねたら「こちらは犬が死んでしまったのだぞ そんな余裕があるわけないやろ 馬鹿やろう」と罵倒されてしまいました。
本来なら 深夜に一時間以上も急患にすぐにでも対応できる準備をして待っていたのですから キャンセル料位請求したいのですが あまりの無茶苦茶な対応をされてしまい 呆れ返っているうちに電話を切られてしまいました。まあこちらも 深夜や早朝などの時間外に 出来る限り急患に対応することを 宣言しておりますし それなりの金額を稼がせて頂いておりますから たまにはそんな不愉快で無駄な働きをさせられることも 仕事のうちと覚悟はしておりますが やっぱり腹が立ちます。
本日の患者は まだ三歳の柴犬なのだそうで 年齢も若くて元気盛りの子が 急に食欲元気をなくしたのですから 一日位様子を見るのは 凄く暑いこの時期でもありますから 致し方のない事かもしれませんが 翌日になっても状態が改善していなければ その時にすぐに病院に連れて行ってあげていれば 勿論治療を十分に施しても それ程寿命が延びたかどうかは分りませんが 少なくともそのような状態に陥った原因位は 解明できていたかもしれません。勿論元気に回復して この先何年も生きてくれていたのかもしれません。
病院に到着した時点で 虫の息 辛うじて生きているような状態で 何とか蘇生を試みても 残念な結果になるケースも少なからずありましたが 何とか最後に救いの手を差し伸べられただけでも 飼い主さんの気持ちが幾らか癒されたのかもしれません。こちらも夜中に 急患を迎える準備をしながら 気持ちも仕事モードに高めていってのキャンセルでしたから 肩透かしを食らったようなもので 残念な気持ちでしたが 結局何にもしてもらえずに亡くなってしまった子が 一番可哀想に思います。一度もお目にかかることもありませんでしたが 心よりご冥福をお祈りいたします。

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