8月29日 ヘビがシェルターから 抜け出せない状態で 来院されました

つい先日 温度計の裏面にある隙間に頭を突っ込んで動けなくなったヘビが来院されたことを このブログで報告しましたが 今朝早めの時間に電話を頂いたのは ヘビが水槽内で 体を休めるために潜り込む人工的な巣穴 いわゆるシェルターに入り込んでしまって うんともすんとも身動きできない状態になってしまった ということでした。電話ではどんな状態なのか 見当もつかなかったので 取り敢えず来院してもらうことにしました。今回のヘビちゃんは コーンスネークと言って 鮮やかなオレンジ色の美しい蛇でした。アメリカのトウモロコシ畑でよく見かけられるので その名がついたのだそうです。名前は聞いたことがありましたが 見たり触ったりするのは 初めての子でした。
診察台の上で 状況を確認すると 見た目は岩のような模様がある 出入口が一つだけの 恐らく材質は陶器のような ヘビのための隠れ家的な シェルターでした。触ってみると かなり固そうでした。先日の温度計は プラスチックの材質でしたので ニッパーで切り裂いて 何とかヘビを脱出させられましたが 今回はかなり手こずりそうに思いました。取り敢えずは ニッパーを出入り口にあてて 何とかその出入り口を広げる事が出来ないものかとやってみました。すると 割と簡単にひびが入って 出入口が 広がりそうでした。何度か同じような作業を繰り返すと 結構出入口が広がって ヘビの頭の部分が 見えてきました。そっと頭の部分を捕まえて 引っ張り出そうとしましたが 体全体が カチカチに硬直しているみたいで 無理でした。
初めて接する動物なので どんな反応をされるか分かりませんから 慌てないで 出入口を広げる作業を繰り返しました。暫くすると 更に出入口が広がり 体全体をそっと引き出して 何とかシェルターからヘビを脱出させることが出来ました。想像していたよりもはるかに大きなヘビで シェルター内にほぼほぼ一杯に詰まった状態でした。これでは 体をずらしたりひねったりする余裕もないので 身動きできないのは 致し方無さそうでした。
取り出してあげたヘビは しばらく体が硬直したまま動けませんでしたが 塊をほぐしてあげて 頭部を捕まえて 話しかけながら 撫でまわしてあげていると 少しずつ動き始めて 飼い主さんが仰るには 普段に近い状態に戻ってきたのだそうです。なので 取り敢えずは 肉体的ダメージと 精神的ダメージを受けた状態から 回復する方向に促す薬剤を注射して お帰り頂くことにしました。暗くて静かで落ち着けるスペースを確保してあげれば 落ち着きを取り戻して 元気になってくれると期待します。
ヘビはとにかく広い空間よりも狭苦しい位の空間に潜り込みたい性質を持ち合わせているようなので これまでのシェルターよりは1.5倍くらいはある 巣穴を用意してあげるように アドバイスしました。年齢が三歳位で ほぼ肉体的な成長は終えているのだそうですから それ位の大きさのシェルターであれば 将来的にも今回のようなトラブルが発生する心配はないように思います。ヘビを飼育されている飼い主さんは 二回続けて ヘビが狭い穴に潜り込んで危険な状態になる事件が起こりましたから 水槽に入れる道具 例えば温度計や巣穴には 十分に注意をしてあげて下さい。こんな事件は 極稀なケースなのかもしれませんが 続けて似たような状態のヘビを診察しましたので お気をつけてください。

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