9月22日 病院にかかってくる不愉快な電話

つい先ほどかかってきた不愉快な電話は 「犬が足を痛がっているので診察してほしいのだけれども 治療費はいくらかかるのか?」という問い合わせの電話でした。私は即座にわかりませんと答えました。「大体でいいからいくらかかるのか教えてくれ」と繰り返されるのでこちらもわかりませんと繰り返しました。それで電話は切れましたが 恐らく、というよりもほぼ間違いなく来院されないでしょう。

犬が足を痛がっているという情報だけでは どんな名医さんでも その犬の状態を正確に把握できないでしょうし、初対面の飼い主がどこまで犬の治療にお金を賭ける腹積もりか 見当もつかないはずですから 具体的な金額を回答できるはずがありません。私も電話をかけてきた相手が もう少し丁寧な口調で話していたら 痛がっている原因が一時的な打撲によるものであれば それこそ時間薬で直るでしょうから診察料の500円で済むかもしれないし、もし骨折でもしていれば手術が必要になり10万円以上かかるかもしれません ともう少し丁寧に返答をしていたのかもしれません。

私も病院の仕事は趣味でやっているわけではありません。当面の生活費と将来的には奥様と過ごす老後の蓄えのために働いています。ぶっちゃけお金を稼ぐために仕事をしているのです。ですから電話をかけてきた相手の口調が気に入らなかったからと言って 無愛想な応対をするよりも 相手が気持ちよく来院してくれるような対応を心がけるべきだったのかもしれません。地道に一件一件の患者さんの数を増やすことが そのまま売り上げの伸びにつながり 仕事のリタイアの決意できる日を一日でも早める結果につながるはずです。今回の出来事を反省して次回からは 何とか来院してもらえるような応対ができるように心を入れ替える必要があるのかもしれません。

そういえば先日深夜一時ごろにかかってきた電話も 私の短気が原因で患者さんを一件なくしてしまったような気がします。深夜の一時ごろですから 私は当然眠っていました。電話の着信音に反応して 枕元の受話器を取りましたが 私の対応する口調がいかにも今まで眠っていました感のあるものになってしまいました。そうすると相手の開口一番が「何やねとったんかいな。犬が苦しがってんのやけど診てくれるのか診てくれないのかどっちやのん」と問いかけられたので 私はむかっ腹が立ってしまって 体調が悪くもないのに 本日は体調がすぐれないので診察できません、と答えてしまいました。「なんやみられへんのやったら、電話代と時間が無駄になるから電話に出るな」と言われて電話を切られてしまいました。

こんな失礼な飼い主からは沢山治療費をふんだくってやればよかったのに と朝まで後悔していました。但しこんな無礼で非常識な輩の場合 治療費を請求した時に 高いのどうのこうの と文句を言われてきっとまたひともめあったでしょうから 恐らく関わり合いにならなくてよかったのかもしれません。しかし私が辛抱すれば少なくともウン万円は稼げたわけですから 勿体無いことをしたのかもしれません。

うちの病院は何故かしら深夜の救急病院としての需要が結構高いみたいで 売り上げに占める割合も結構高くなってきています。勿論全くの初対面の相手ですから 非常識な輩もいれば 調子はいいのだけれど最初から治療費を踏み倒すつもりで診察を受ける犯罪者紛いの奴らも時々います。けれども こちらも眠い目をこすりながら 懸命に対応して患者さんが回復に向かってくれる場合も少なくないわけで 後日丁寧な礼状やお電話で謝意を伝えられることもしばしばありました。私のような至らない人間でもたまにはお役にたてて喜んでいただけることがあるのだと この仕事についてよかったと思えるときも そんなに多くはないけれどあります。これからも 不愉快な相手かもしれませんが 時間外にかかってきた電話は出来るだけ受けて 例えそれが腹立たしい話し方の飼い主さんであっても 精一杯対応していこうと考えております。

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