9月25日 信じられない位に賢いチワワが 来院されました

昼過ぎに 電話がかかってきて 散歩中に リードが伸びきってしまい よそのお宅に 自分の犬が侵入してしまい そこにいた犬に咬みつかれて 出血が止まらないので緊急で診て欲しいとの事でしたので 早速来院していただきました。思っていたよりも早めに 来院されましたので 直ぐに診察しました。その時には 出血はほぼ止まっていたみたいでしたが 首筋が血だらけになっていましたし 片方の耳たぶにも傷があるらしくて 血が付着していました。
一歳になったばかりのチワワでしたので 本人としては 相当に恐ろしい体験をした直後でしたから 日頃以上に神経質になり 過敏に反応しても不思議ではありません。チワワというのは 犬で最小の犬種ですから 小さい=弱い という事で 相当に神経質で 怖がりな子が殆どです。ましてや 大型犬に首筋を噛みつかれて負傷するという 究極の恐怖体験をした直後に 初めての病院に連れてこられたのですから 傷口付近を 診察するだけで 大騒ぎになっても不思議がないと覚悟しておりました。
所がこの子は 私が 首筋を観察した所 噛まれて 直径三ミリ以上の傷が 口を開けていましたから 取り敢えずは その周囲の毛を刈って 治療できるような状態にするために バリカンを首元に近づけました。ご夫婦で来院されていましたので お二人に 体と両前足を捕まえてもらって 結構大きな音がするバリカンを近づけましたが 平然として大人しくしてくれているのです。勿論飼い主さんとの信頼関係が 旨く構築されているのもあるのでしょうが この子自身が チワワであるにもかかわらず 肝っ玉が据わっているというか 度胸がいいというか 非常に怖い思いをした直後であるにもかかわらず 平然として 傷口の それも首筋の治療をするのに邪魔になる 毛を刈る作業を 平然とさせてくれました。
更には ぽっかりと開いた 傷口にゾンデを挿入して 消毒液を流し込み 傷口内の洗浄をする という はっきり言って非常に苦痛を伴う治療を施しましたが さすがに幾らか手足をばたつかせましたが 唸ったり 噛もうとして暴れたりすることなく 大人しく我慢してくれました。傷口の洗浄は ゾンデ(先端が丸くなっている金属製のチューブで注射ポンプの先端に装着して 使用する)を使って 結構大きく開いてしまった傷口から内部に消毒液を流し込んで 実施しました。傷口の戦場ですから 人間でもジタバタしかねない 非常に苦痛を伴う作業ですが この子は健気にも 歯を食いしばって辛抱してくれました。
ぽっかりと開いてしまった傷口は 麻酔をかけて縫合するほどではないし 病院でこれほど我慢強い態度が取れますから 自宅でもきちんと消毒して 抗生剤の軟膏を塗布するのは 難しくなさそうに判断しましたので 傷口の縫合手術は回避することとしました。自宅で日に何度か消毒と外用薬の塗布 そして甘くて美味しいシロップ剤を 当分 朝晩に要約してもらえれば 二三週間でほぼ直ってしまえそうに判断しましたので 外用薬と内用薬をお渡しいして お帰り頂きました。
この子は 元々肝っ玉が据わっているうえに 飼い主さんと良好な関係が気づけたので 本日も非常に強力的な態度を取ってくれたのだと思います。私は チワワという犬種は 見た目は可愛らしいけれど 非常に怖がりな子が多いし どちらかというとペットには不向きな犬種だと思っておりましたが 本日のように賢いチワワが ごくまれにそんざいしてくれますので ひょっとしたらペットとして飼うのもありかもしれないと思いました。但し 可愛らしい外見に魅了されて 飼い始めて 非常に手を焼いておられる飼い主さんが 沢山いることも事実です。 

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