2月26日 「勝手踏切」の存在を御存知ですか?

電車が近づくと 警告音が鳴り遮断機が下りるのが 普通の正しい踏切です。段差も少なくて 歩行者が渡り易い構造になっているようです。勝手踏切と言うのは 近所の住民たちが 勝手に線路内を横切っている場所の事を言うのだそうです。私はこの言葉自体が初めて耳にしましたが 全国に何と二万か所近くも存在するのだそうです。そして最近 この勝手踏切での事故が増加してきているのだそうです。JRにしろ私鉄にしろ 線路内に勝手に人が侵入する行為は 鉄道営業法違反行為になりますから 鉄道会社の判断で そんな近所の住民の身勝手な行動が出来ないように フェンスで囲ってしまえば 直ぐにでも解決しそうに思いますが 実はそんなに単純な事情ではないのだそうです。
勿論 鉄道に関する「技術基準省令」と言う決まりごとの39条で勝手踏切の存在は否定されています。所が決まり事には当然の様に 抜け道があっては例外が認められているのです。「交差する道路の交通量が少ない場合又は地形上等の理由によりやむを得ない場合は、この限りでない」と言う一文が 書き加えられているので 鉄道会社が危険だと判断しても 一方的にその勝手踏切を侵入できないように封鎖してしまう事が出来ないのだそうです。
例えば 昔から近所の住人たちが 通路として便利に利用していた小道が 鉄道が敷かれることによって 通れなくなったとしたら 利用していた人たちに少なからぬ不便が生じる場合などに 認められていることが多いのだそうです。勿論勝手踏切を渡る人たちは 自己責任で渡っているのですから 渡っていて事故に遭っても 文句を言える筋合いではないはずですが 人身事故が起きてしまえば 鉄道会社にも少なからぬ被害が及ぶことは間違いありません。
例え 列車と人間の接触と言う事故が起こらなかったとしても 走行中の電車が危険を察知して 急ブレーキをかけることによって 乗車しているお客さんたちに場合によってはけがをする人がいるかもしれませんし その影響でダイヤが乱れることによって 他の電車の到着時間まで遅れたりしたら 相当数のお客さんに迷惑がかかることになってしまいます。健常人なら 体力的にも問題なく渡り切れるのかもしれませんが 子供やお年寄りの場合 渡り切れるという判断に誤りがあったり 体力的に無理があって事故につながるケースも少なくないのかもしれません。
正規の踏切を利用すると 数百メートルも回り道になってしまうケースもあるのでしょうし お年寄りの方が その回り道の負担を大きく感じてしまうので 利用する機会が多くなってしまうのかもしれません。通学路に勝手踏切がある場合 正規の踏切を利用すると数分間でも余計にかかってしまうケースでは 朝の数分間は貴重ですし毎朝の事でしょうから 学生が利用することも多いのかもしれません。若くて身軽な世代なら 体の自由もきくでしょうし 列車との距離によって 渡れるか否かの判断力も 間違いが少ないのでしょうが 危険性がたかまるのは どうしても子供とお年寄りでしょう。子供の場合 体は身軽かもしれませんが 列車との距離感の判断に間違いが生じる可能性が高くなりそうですし お年寄りの場合勿論体は素早く反応しないでしょうし 耳や目が遠くなっていたら 渡れるか否かの判断の精度がどうしても低くなりそうです。
勝手踏切を利用するかしないかは 結局は自分で決めるしかありませんから もし事故に遭遇してしまっても 自己責任であり鉄道会社に責任を一切問わない と言った内容の一筆入れてから 利用するようなルールでも追加したら如何でしょう。そんな一筆入れるぐらいならと 利用者が減少すれば 凄く簡単で有効な対応策の様に思いますが その存在すら知らなかった私がその場で考えたような解決策が有効な訳はありませんよね。

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