3月11日 私がペット保険をすすめない理由

本日来院された患者さんのうち二人がペット保険に入っておられました。私はペット保険に否定的な考えなので勿論ペット保険の対象病院にはなっていません。といっても対象病院ではなくても きちんと請求すればペット保険は利用できて保険料は受け取れます。私がペット保険に否定的なのは 飼い主さんにとってデメリットばかりでメリットが殆ど無いからです。

そもそもペット保険とは保険会社が儲けるために保険を設計してあります。更にペットショップで犬猫を購入する時には 保険に入っておかないとえらい目に合うと脅かされて 半分強制的に保険に加入させられますが ペットショップは加入させることで保険会社から謝礼を受け取り儲かるからペット保険への加入を勧めるのです。そしてペット保険の対象になっている病院即ち保険会社とつるんでいる病院にも何某かの儲けが発生するように 保険のシステムが出来上がっているのです。

つまりペット保険とは保険会社とペットショップ 保険会社とつるんでいる病院の全てが儲かるようにできているシステムなのです。これだけ得する人が沢山いれば当然損する人もいなければこの世の中成り立ちません。損する人は保険に加入している飼い主さん以外にはありえません。99.9%の飼い主さんが損をするようにペット保険とはできているのです。

このブログを読んでいただいている方で もしペット保険に加入しておられる方は 一度保険料として支払った金額と 受け取った金額を一年ごとにトータルしてみてください、殆ど間違いなく支払った金額の方が多いはずです。当然です。飼い主さんが損をするように設計してあるシステムですから当たり前なのです。

最近テレビで放送されたペット保険のコマーシャルで 「犬が胃腸炎になり動物病院で治療を受けたら十数万円かかりました、」と言っていましたが胃腸炎の原因にもいろいろなケースがあります。厄介なのは胃腸に悪性の腫瘍でもできてその影響で炎症を起こす場合です。もし悪性の腫瘍が原因なら 根本的に治療するとなるとその腫瘍を摘出する手術が必要になります。消化器官の腫瘍の摘出手術は結構面倒で時間も手間暇もかかります。病院によって手術の価格は幅があるとは思いますが 十万円を超えることはまず考えられません。当院でするとしたら、諸々の条件により幅はありますが5~8万円位はかかると思います。但し手術をすれば傷口の消毒と化膿止めに内服薬を投与すれば済みますからどんなにかかっても十万円を超えることは考えられません。

胃腸炎の原因として悪性の腫瘍が一番費用がかかるケースだと思いますがその発生頻度はすごく低いと思います。逆に最も多いのは刺激物などをうっかり食べてしまったり、体調を崩して細菌が増殖してしまい起こる胃腸炎です。その場合の治療は 胃腸に負担のかかりにくい消化しやすいドッグフードを用いる食餌療法と消炎剤、抗生剤の内服による治療がメインになります。その場合の治療費は病気の症状の程度や病院によって幅はあると思いますが数千円から高くとも数万円で済むと思います。胃腸のダメージが大きくて点滴を数日続けても二三万プラスされるかどうかだと思います。

つまり胃腸炎という病気の原因は様々ですが普通の病院の場合(ぼったくり病院の場合は分かりませんが)治療費として考えられるのは数千円から高くても数万円位だと思います。勿論生き物相手の事ですから十万円を超えることが絶対にないとは断言できませんがそれは極めて特殊なケースであり 一般的な胃腸炎という病気の治療を考えたら十数万円もかかることは殆どありえません。つまりこのテレビのコマーシャルは 明らかに誇大広告であり 飼い主さんを不安に陥れて保険に加入させようとしているみたいで 見ていて凄く不愉快になりました。もしこのブログをご覧の方でペット保険に加入されておられる方は次の保険の更新をするときに辞めてしまわれることを強くお勧めします。

当院に来られる飼い主さんで保険に加入されている方には 保険を辞めることをおすすめできますが それほど機会は多くありません。ですから逆にペット保険の対象病院になったら もっと保険に加入されている飼い主さんと接する機会があるのかもしれませんから一度保険の対象病院になってみようかとも考えましたが なんだか悪党一味に加担するみたいで気がすすみません。でも飼い主さんのお役にたつことを考えたら頑張ってアクションを起こしてみようかと思います。

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