3月26日 林経済産業大臣の「おすいせん]発言について思う事

林大臣は 私と同姓ですから古くまでさかのぼれば ひょっとしたひょっとして親戚関係にある方なのかもしれませんから あまり悪口は書きたくありません。そもそも日本における大臣の決め方に根本的な問題があるように思います。日本の大臣は各省のトップでありますが身分としては国会議員である場合が殆どです。大臣の下で各省を構成するお役人は全て国家公務員なのです。根本的に立場が全く異なりますから各々が目指しているものも全然違っているわけで各大臣とそれに従うお役人が上手に連携して仕事が出来るはずがないと私は思います。

各省のお役人は それぞれのお役所を目指して就職したわけですし その道一筋で頑張って一生を終える方が多いのだと思います。しかるにそのトップたる大臣は 原則としては与党のの中でも子分をたくさん抱えた派閥を率いる方々がなられる場合が多いように思います。現在では 自民党の中で以前ほど派閥の存在が声高には 叫ばれていませんが何人かの大物と言われる国会議員さんを中心にしたグループが幾つか存在しているのは間違いないでしょう。

アベチャンは総理大臣になるぐらいだから当然安倍派のリーダーかと思いきや 最大派閥ではありますが 細田さんの率いる派閥に所属しているみたいです。角栄さんが元気なころには閣僚の人選に派閥の力学 つまり派閥の力関係が大きく影響していたように思います。小泉さんがその辺りの悪い慣習をかなり打ち壊してくれたのかもしれませんが 所詮国会で物事を決めるときには多数決ですから 最後は数がものを言うのは必然的な事ですし、所属議員の数が多い派閥が 大きな発言権を持つのは致し方の無い事かもしれません。

話が横道にそれてしまいましたが 国会議員さんは政治家を目指してなられたわけで 特に何々省の大臣になることを目標にしてはいなかったはずです。大臣のポストに就くのは ご本人にしてみれば たまたまめぐりあわせで その席が空いていたので取り敢えずは座らせてもらったという感覚なのかもしれません。勿論大臣の椅子に座れば それなりに知名度は上がるし 次の選挙にも有利な材料になるはずですから喜ばしいことではあるでしょう。

但し大臣という役職についてしまえば 担当している職域については 最低限の受け答えができる位には 基礎的な知識を身に着けておかなければなりません。ほんの短期間で膨大な情報を頭に叩き込まなければならなくなるわけで 情報をため込む記憶力や その情報を自分なりに噛み砕いておける理解力必要に応じてその記憶を引っ張り出せる応用力など それこそ政治家としての資質が問われる状況に遭遇するはずです。

林さん8回も衆議院選挙に当選されている ベテランの国会議員さんですから それなりの修羅場もくぐって来ておられるはずですが 今回の失態,「汚染水」を「おすいせん」と連発したのは情けなかったように思います。意味合いを考えれば 汚染された水だから汚染水であり別にむずかしい言葉ではなかったはずです。一つ一つの言葉の意味合いを理解しながら原発の現状をとらえようとしていれば そのような言い間違いはなかったはずですから よほど内容の理解に努めずに表面的に言葉面だけを記憶しようとしたのではないでしょうか。

自信がなければ 自分にとっては不得手な分野である為に 十分な知識と理解できていない現状を 正直に告白した方が 返ってみている人たちから 馬鹿にされたり 失笑を買ったりしないで済んだのかもしれません。私は獣医師として 動物病院の院長として 来院する動物の どんな分野の病気やケガにも対応しなければならない立場だと思っています。でも私も人間ですから 得意な分野と苦手な分野が混在しているのは否定できません。

飼い主さんに対して 極力嘘はつきたくありませんから 分らないものは正直に分らないと申し上げますし 助かりそうにない状況の時には やはり正直に残念な見込みをお伝えしているつもりです。数ある病院の中から当院を選んで来院されている飼い主さんに対して正直に対応するのが 病院として一番大切な誠意だと考えるからです。

林さんも原発についてのスペシャリストだなんて誰も期待していないのですから せめて基本的な知識だけは正確に身に着けてテレビ番組に対応すべきだったのではないでしょうか。まあ「汚染水」なんて言葉は イロハのイに当たる基本中の基本かもしれませんけれど。長年政治家としてふんぞり返っているのでしょうから 素直にごめんなさいをするのに抵抗があったのかもしれませんが 失態を演じたのは事実ですからそれなりに十分反省すべきだと思います。このままでは少なくとも私の選挙区から立候補しても絶対に投票しないと思います。まあ自民党の候補者には これまでも そしてこれからも投票するつもりはありませんが。

ブログ一覧