3月29日  本日はかの有名な「八百屋お七」の命日なのだそうです

八百屋お七については井原西鶴の「好色五人女」等に取り上げられてから有名になりいろんな芝居や歌舞伎、文楽にまで取り上げられていますので 超有名人ですが 実在の人物であると言われています。凄く有名なお話ですが 天和の大火で自宅を焼け出されたお七が正仙院という寺で避難生活をするうちにその寺の寺小姓と恋に落ちます。やがて家は建て直されて普段の生活の戻りますが お七が寺小姓にまた会いたくて自分の家に火をつけるという事件を起こします。結局はボヤ程度の事でおさまったのですが 放火は大罪で火あぶりの刑に処せられたのが本日なのだそうです。

火をつけたのが自宅であり、浅はかな考えによる軽率な行動であり、結果はボヤ程度で被害も小さくて 勿論初犯ですから 何も極刑に処することもないようにも思いますが とにかく放火は一番の大罪であった時代なので 致し方のなかったことなのかもしれません。現代なら週刊誌やワイドショーで散々取り上げられるような事件かもしれませんが 当時はそのようなマスメディアがなかったのでその事件自体はそれほど世間を騒がせませんでした。

ただその事件のドラマティックさを井原西鶴が注目して 自分の作品に取り上げたことで 凄く有名になり 後に歌舞伎や浄瑠璃、落語にまで取り上げられて、忠臣蔵みたいに世間で知らない人はいないぐらいの有名な話に当時からなってしまいました。女の浅知恵と言えばそれまでかもしれませんが そこまで思いつめられたのですから 男冥利に尽きる話なのかもしれません。

私は歌舞伎は敷居と料金が高くて 見たこともありませんしそれほど興味もありません。文楽は高校の課外授業で一度だけ見学したことがありますが 実際に接してみてもやはり殆ど興味が湧きませんでした。以前に橋下さんが文楽について自分が全然見識もなければ興味もないものでその予算を削るの削らないのでもめていましたが 結局どのような決着がついたのでしょう。私も文楽自体に興味が殆ど無いのでその結末までは確認していません。

人形浄瑠璃については四百年以上の歴史がある由緒正しき日本の伝統文化であることぐらいしか知りませんが これまで長年にわたって受け継がれてきたのにはそれなりの存在意義があり 大切に思うファンが少なからずいらっしゃるからだろうと思います。橋下さんが知事だった時か市長になってからかも覚えていませんが 自分が興味がないからという一方的な理由でその予算を削るのは許されることではないと思います。

誰にでもすごく興味を持っているジャンルが一つや二つはあるとおもいます。例えば音楽でもクラシックが好きな方もいらっしゃれば私には全く不可解ですが現代音楽に陶酔される方もおられると思います。ハードロックしか聞きたくない方もいらっしゃれば耳に優しいイージーリスニングに心癒される方も少なくないでしょう。クラシック音楽の中でもオペラや合唱など人の歌声が大好きな方もおられれば ピアノだけにしか興味のない方もいるかもしれません。

読書の好きな方でもいろいろなジャンルがあります。純文学がお好みの方もいらっしゃれば ミステリーやSFにしか興味のない方もいるでしょう。純文学でも芥川賞を受賞するような現代文学が好きな方もいらっしゃれば シェイクスピアの様な古典にロマンを感じられる方もいるはずです。

人の好みや興味は千差万別ですから 自分が興味があるかないかだけで政治的な判断を下すのは明らかな間違いだと思います。私は「従軍慰安婦」についての発言などでは 橋下さんを支持してきましたがこの文楽の予算についての問題が話題になった時には凄くがっかりしたのを覚えています。

私も 正直年寄になってきたのを自覚し始めていますので 一念発起して 歌舞伎や人形浄瑠璃などの日本の古典芸能に興味を持ってみようかと思っていますが この歳になると新しい事に対する吸収力も低下しているのでなかなか難しそうです。でも新しい事にチャレンジすることで脳も若返ると思いますので頑張ってみます。

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