5月25日 1955年の本日 「広辞苑」の初版が 発行されたのだそうです

昔我が家にあった一番分厚い本が 広辞苑でした。大抵の家に一冊は この類の分厚い辞典が所蔵されていたのではないでしょうか。私は もっと小さくて簡単に引ける 国語辞典を 子供の頃から割とよく 利用して 知らなかったり 意味の分からない言葉の意味を調べるのが好きでした。意味の分からなかった言葉の意味を覚えると 自分がそれだけ分でも 賢くなったような気がしていたからです。

それから昔はどのお宅にも 普段は殆ど飾ってあるだけの たいそうな百科事典と言う代物が 居間の棚に並んでいたように思います。百科事典の場合 説明文に図や写真などで 視覚的にも分り易くて 辞書よりもさらに詳しく説明されていましたが あまりに長ったらしいので 一つの言葉や物の意味を理解するのに 時間がかかり過ぎるような気がして あまり利用していませんでした。私以外の家族が 百科事典を開いて 調べ物をしているのを 見た覚えはありませんから やっぱり百科事典と言うのは 居間の雰囲気を高めるための 飾り物に過ぎなかったのではないでしょうか。今では 百科事典を今の書棚に並べているおたくは 皆無なのだと思います。

広辞苑と言う分厚い辞書は 数年に一度改定されるはずですが 次々に新しい言葉が生まれてきて またあっと言う間に使われなくなり死語となってしまう言葉も多い現代の言葉の流行り廃れについていくのは 正直しんどいのかもしれません。「現代用語の基礎知識」と言うやっぱり分厚い辞書は 毎年発行されているみたいですから 最近使われるようになった言葉で 皆が当たり前の顔をして使っている言葉の意味や使い方を いまさら人に尋ねにくい場合などに 重宝されているのかもしれません。価格的にも 広辞苑よりだいぶ安いみたいなので 毎年ではなくても数年おきに購入して利用されている方は結構いらっしゃるのかもしれません。

但し 現在のお若い方からすれば 分らない言葉に出くわしても いちいちそんな重たい辞書を引っ張り出さなくても 携帯電話やパソコンで ネット検索すれば 簡単なその言葉の意味や使い方は 分りますから 辞書を引く作業とは無縁なのかもしれません。辞書を引くと 私は時間に余裕がある時は 引いた言葉の前後に載っている言葉もついでに憶えようとしていました。その方が 自分の知識量が大きくなって得するような気がしていたからです。

ネットで検索する方が 簡単にできますが やっぱり多少は苦労を伴う作業の方が 自分の身に付いたような気がしますが これは不便な時代を生きてきた人間の 負け惜しみなのでしょうか。昔は 例えば売上金を帳簿に記入する場合 紙の帳簿にペン書きで記入して その合計金額を電卓で計算していました。現在では 伝票から数字をパソコンで打ち込みさえすれば 何時の間にか間違いのない合計金額が算出されるようになりました。今更紙の帳簿にペン書きする作業は馬鹿らしくてとても出来ません。お若い人にしてみれば パソコンのキーボードやスマホの画面をたたくだけで 簡単に未知の言葉の意味と使い方が 分るのに重たい辞書を引っ張り出してきて ページをめくって 細かい説明文を覗き込むような作業は 絶対にできないのは仕方がないでしょう。

そんな世の中でも 広辞苑が存在し続けているのは やはりあんな分厚い辞書を 使いこなしている方が 少なからずいらっしゃるのだと思いますがいずれは広辞苑と言う名称さえも 死語になってしまう時代が来るのかもしれないと思うと チョッピリ寂しくなってしまいます。広辞苑記念日が 何時までも残っていって欲しいと思うこと自体が 年寄りになってしまったことの証なのでしょうか。

ブログ一覧