6月20日 大学の医学部が 訴訟を起こされています

東京医大や順天堂大学医学部が 入学試験において女性に不利な判定をしたことを理由に 元受験生の女性たちから 訴訟を起こされたのだそうです。女性だからと言う理由だけで不利な判定を それもその人の一生を左右しかねない凄く大きな分岐点で 不利益を被ったかもしれないのですから 凄く怒っておられる気持ちが分らない事はございません。ただ私は恩恵を被った方の 男性の立場ですから もうすんでしまったことで今更訴訟なんか 起こして何某かの金銭を受け取っても どれだけ気持ちが癒されるものなのか と考えてしまいます。

私が高校生の頃から 理系の選択科目を受けるクラスに入る女の子 いわゆるリケ女の方々は 凄く優秀だった記憶がありますから 本気で医学部にチャレンジされたら かなりの数の女医さんが誕生するだろうと思っておりました。そんな賢い女性の方々が 集団訴訟を起こすまでにご立腹であり 許せないのは 大学側の不正な入試があったことを認めているのに その謝罪の仕方や 責任の所在を明らかにして きちんと責任を追及すべきところが 十分になされていないからなのかもしれません。

男女の働く環境は 平等にするべく法改正などがなされていますが 現実的には どれだけ平等な方向に向かっているのでしょうか。昔は 日本に限った事ではないのでしょうが 男性中心の社会でありました。しかし文明が進むにしたがって 女性の地位が向上してきて 例えば選挙権なども 男女平等になりましたし、政治の世界でも 小池さんを始め女性の知事さんが各地にいらっしゃいます。大阪でも太田さんと言う女性の知事さんが 活躍された時代もありました。議員さんでも女性の割合が少しずつ増えているみたいですが 世界の国々の中では 女性の進出がかなり遅れているみたいです。

私は会社組織で働いた経験が 三年足らずですし それも四十年近くも前の事ですから 現在の民間企業において 女性がどれだけ活躍されているのか 見当もつきません。とはいえ男女雇用機会均等法も 何度が改正されているみたいですから 確実に女性の頑張りが認められて 評価されているのではないのでしょうか。但し男性と女性では 性が異なり人間として果たすべき役割に違いがありますから 女性には 妊娠そして出産や子育てなど 男性にはない仕事上のハンディキャップを背負っているのは 間違いない事のようにも思います。その点で 不利益を被る可能性は 否定できないと思います。

私は女性が精神的に 男性に劣っているとは全く考えませんが 体力的には どうしたって差があることは認めるべきだと思います。ですから 肉体を酷使するような仕事においての 女性の進出は どうしても遅れているのではないでしょうか。医者と言う職業は 割と頭ばかりを使う楽そうな仕事に見えるかもしれませんが 長時間の外科手術の場合 手術時間が 五時間 十時間を超えるケースもありますから 体力勝負の一面も間違いなくあるように思います。そんな長時間の手術が 頻繁に行われるとは 考えにくいですが そのような大変な手術の場合 どうしても女性の場合は 体力面で心配される可能性は 否定できないように思います。

だからと言って 医者と言う職業が 男性に向いている なんて短絡的な考え方は 明らかに間違っているとは思いますが 入学試験でどちらかと言うと男子の合格数が多いのに越したことはない 等と考えてしまう方 勿論そんなのは極一部の男性に限られるのでしょうが そのように考えてしまう方が 医学部の上層部に何人かいらっしゃったりすると 男子に有利な判定をする行為が 当たり前に認められてしまっていたので 幾つもの名門と言われてきた大学で こんなとんでもない愚かな行為がまかり通っていたのだと思います。今年の順天堂大学の入学試験では 勿論男女平等の条件で判定されたところ 合格者のうち半数以上を女性が占めたのだそうです。昨年までの合格者の男女比率は 知りませんが明らかに間違った操作によって かなりの数の女性受験者が不合格になっていたことは 間違いなさそうです。

実は女性進出は 獣医学科でも起こってきていました。私が卒業した岐阜大学農学部獣医学科は 定員が三十名でした。私の一つ上の学年までは女性がほぼ十人くらいで かなり長い年月 約三分の一が女性だったのだそうです。所が 私たちの学年では 女の子が五人しかいませんでした。私たちの学年から 二次試験の科目として 英語が削減されたのだそうで 女子学生は 英語が得意な場合が多いので 女子の数が減ったのだろうと言われておりました。

所が 私が卒業する六年生になった時の一年生は 半数以上を女子が占めていました。これは女子向けの漫画雑誌「花と夢」に「動物のお医者さん」と言うものが連載された影響ではないか と言われていました。獣医学科 と言う特殊な学科が その漫画によって 特に女子に注目されて 志願者が増えたのだろうと言われていました。ただし 大学の教授たちは そんなに女子が多いと 獣医さんも結構体力勝負の研究室がありますから 頭を抱えて嘆いておられたように記憶しています。現在の男女比率がどの様になっているのか 全くわかりませんが 漫画の影響はもうないでしょうから 元のような比率に戻っているのでしょうか。勿論獣医学科で 女性に不利な判定が行われていた可能性が 皆無とは申しませんが 大丈夫であったろうと信じたいです。

話を元に戻しますが 訴訟を起こした女性たちは 大学からの誠意を金銭に換算して要求されているみたいですが もしその年の判定を男女平等にしたら 貴女は合格点に達していたから 入学を認めます と今になって言われても困ってしまわれるだけの事でしょうから 悔しい気持ち 憤懣やるかたないお怒りの気持ちは 理解できそうに思いますが 幾ばくかの金銭を受け取ったとしても 本当に気持ちが癒されるとは思いませんので 正直この訴訟を起こしたというニュースを知って あまりいい気持ちにはなりませんでした。

残念ながら 現在の日本には 男女の不平等や 家柄出自による差別 不平等なんて極当たり前に存在しています。お金持ちは よほど下手をうたない限りは お金持ちであり続けるのです。勿論貧しい家に生まれても 成功して豊かな人生を送られる方が少なからずいらっしゃるのは間違いありませんが そんな方がお金持ちの家に生まれていたら もっとずっと大きな成功を収めて歴史に名を残すようになっておられたかもしれません。

世の中 運不運に人生を左右される方もいるかもしれませんし 不平等や不公平な運命なんて 掃いて捨てるほどあると思いますから 入試と言う大きな転換期で 本来平等であるべき判定で 不平等の為に不合格にされたとしても もし今年受験していたら 合格出来ていたのかもしれませんから 客観的に見たら 受験した年が悪かったねの一言で片づけられてしまう出来事なのかもしれません。

世の中から 男女や家柄による 不平等 不公平が無くなってくれることを期待は致しますが 現実には難しいと思います。本当に人間が平等な社会など残念ながら夢物語なのかもしれませんが 現在お若い方の明るい将来の為には 出来るだけそちらの方向に変化していって欲しいと願います。

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