9月20日 滋賀県流域治水の推進に関する条例案について思う事

 今回の台風と秋雨前線が絡んでの大雨による被害の大きかった滋賀県で制定されようとしている条例案「滋賀県流域治水の推進に関する条例」について考えてみました。条例の中身は 県が独自に作成した水害マップに基づいて、200年に1度の大雨で3メートル以上の浸水が見込まれる場所を「危険区域」に指定して その区域内では住宅や福祉施設など浸水で人命が失われる危険性が高い施設について新築や増改築を規制し、想定水位よりも高い床面や屋上を設けるよう求める と言うものです。違反した場合は20万円以下の罰金か5万円以下の科料と定められています。
 私が疑問に思うのは 県が勝手に作成した水害マップにどれほどの信ぴょう性があるのだろうかという事です。県の職員ではなくてそれなりの研究機関が調査して作成したのでしょうが 何も今回の被害にあってから慌てて作成したわけではないでしょう。その研究機関が作成したマップにそれなりの学術的な根拠や自信があるのなら 何故もっと早くに公表しなかったのかと言うのが疑問です。災害についての研究は 防災に役立てる目的でなされるのではないでしょうか。その研究成果を200年に一度起こるか怒らないかの災害が起こってしまってから 公表しても実際に役立つのは(実際にその規模の災害が起こるのが)200年後かもしれないのでは少なくとも現在生きている人にとっては全く無意味な研究になってしまうのかもしれません。
 それにその災害マップで危険生が高いと指定された地域は財産価値が下がるでしょう。当然地価の下落が予想されます、災害マップなどと言う信憑性に?が付く一枚の紙切れによって 所有する土地の地価下落という損害を被った住民への補償について県知事のおばさんはどのように考えているのでしょうか?
 そもそもこのおばさんが知事になってすぐに凍結したダム工事を遂行していれば 今回の災害のかなりの部分が防げたのではないかと言う住民からの声にどう申し開きをするのでしょう。ダム工事の是々非々についてはややこしい話になるのでここでは触れませんがわけの分からん条例を通すことよりもダム工事について十分に再考してほしいと思うのは私だけでしょうか?
 200年に一度起こるか怒らないかの災害に対して 個人の財産である家屋の建築や増改築について 勝手に規制を作り 一方的に罰則を決めるなんて チャンチャラおかしいでしょう。住宅のCMで100年住宅を売りにしているものがあります。つまりその住宅は100年間住めることがアピールポイントなのだと思いますが、その住宅を販売しはじめてからまだ100年たっていないので事実かどうかは実証されていません。現代は一般住宅の工法も進歩していて耐久性もかなりすぐれているのでしょうが なかなか200年間ももつ可能性が高いとは言えないと思います。なのにどうして200年に一度あるかないかの災害に対応を求められるのか全然理解できません。
 勿論200年に一回あるかないかの災害が たまたま今年起こったからと言って 次に同様の災害が起こるのが200年後と決めつけているわけではありません。ひょっとして来年、いや今年のうちにまた同規模の災害が起こる可能性は否定しません。その災害に対する備えはその建物の所有者の自己責任においてなされるべきだと思います。
 例えば地震保険に加入していなかったら地震による災害に対して何の補償もされないのは個人の責任であるようにです。3mの浸水に対してそれより高い床面なり屋上を作るか否かは個人の勝手でしょう。勿論そのような構造にするにはかなりの建築費に上積みが予想されますが もし3mの浸水が心配ならそのような構造にすればよいと思います。
  もしそのような水害が起こりそうな時には早めに安全な避難所へ避難するつもりで 対応しなくてもそれはそれで個人個人の考え方だから お役所が一方的に規制して罰則を設けるのは絶対に間違っていると思います。
 あとこれは細かい事なのですが 罰金と科料の違いは金額の違いだと理解していました。科料とは1000円から1万円まで、罰金とは一万円をこえる場合だと定義されているように 理解していました。ですから、5万円以下の科料と言うのはその定義に反していて正しい表現ではないように思いますが これは私の勘違いでしょうか。 
 何にしても私は滋賀県人ではないので 直接関与しませんが 大阪府でもこんなバカげた条例が提案されたら絶対反対の大きな声を上げたいと思いました。

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