近所の動物病院の先生は、名医だと評判ですが、診察を受けても 病名やペットの病状について、殆ど説明されません。こちらから尋ねても、曖昧な表現ばかりで はっきりとは答えてもらえません。この様な先生は信頼できるのでしょうか?


ご質問にお答えする前に 最近よく耳にする「インフォームド・コンセント」と言う言葉について、考えてみましょう。直訳すると「十分な説明に基づく同意」となりますが、解り易い言葉で表現すると「医者が、患者に対して、病気や 現在の状況、治療法等について、出来るだけ解り易く、正確な説明を十分にして、患者が病気について理解、納得した上で 自らの意思で治療法を選択して病気からの回復に取り組む事」位でしょうか?この概念を動物病院にあてはめるなら、「医者」を「獣医師」に、「患者」を「飼い主」に置き換えれば適当だと思いますが、如何ですか?
質問者のご近所の先生は、「名医」と評価されているのですから、たゆまぬ勉強と十分な経験に基づいて、適切で患者さんのニーズに応じた診療活動をなさっておられるのだと思います。私のような未熟者がどうのこうの申し上げられる立場ではございませんが、「インフォームド・コンセント」と言う観点からは、不満をもたれても仕方がないのかもしれません。
その先生としては自分なりに丁寧で解り易い説明を心がけておられるのかもしれませんが、獣医さんには無口と言うか、口下手な人間がかなり多いようで、この点についての不満をお持ちの飼い主さんは 質問者以外にも 私が想像するより多いのかもしれませんね。
「インフォームド・コンセント」という概念について、臨床に従事する獣医師なら誰もがその重要性を認識していると思いますが、その取り組み方と成果にはバラツキがあるのが現実でしょう。今後、良い方向へ向かう事を期待してください。勿論、飼い主さんものんびりと期待するだけではなくて、大切なペットの事ですから、任せきりにするのではなくて、どういう病気なのか、どのような状態なのか、どのような見込みで治療するのか、治療に用いる薬にはどのような作用があるのかなど等、自分から積極的に、納得がいくまで質問しましょう。飼い主さんのペットへの愛情や病気に取り組む熱意が伝われば、どんな口の重い先生でもきっと納得できる説明をしてくださると思います。

よくあるご質問一覧