よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

  • うちの猫は、毎年梅雨になると、耳が汚れて痒がりますがなぜですか?


    犬や猫の耳は、健康であれば特に掃除等しなくてもきれいな状態であるようです。もし、耳垢で汚れていたり,いやな臭いがしたり、痒がる仕草(頭を振ったり,足で耳をかく)をみかけたら、外耳炎にかかっている可能性が高いので、すぐに病院で診察を受け、適切な治療を始めたほうがよいでしょう。飼主さんが、耳掃除をしたり洗浄したりすると、かえって悪化させる場合もありますから、おすすめしません。


  • 9歳のゴールデン(雌)が今年の春頃に 首筋から背中にかけて左右対称に脱毛が始まり だんだん広がっています。全く痒がらず かさぶたも無く 皮膚はきれいな状態なので、近所の病院では様子をみるよう言われ 何も治療していません。夏頃から、大好きだった散歩も嫌がるようになり 昼寝ばかりしているのも心配です。何かアドバイスをお願いします。


    痒みを伴わない左右対称の脱毛の場合、内分泌機能の異常が原因かもしれません。元気が無くなり昼寝ばかりすることも考え合わせると甲状腺機能の低下による脱毛の可能性が高いように思いますし、そうであるなら甲状腺ホルモンを投与すれば2~3週間である程度効果がみられるかもしれません。
    一つの病気に対して、幾つかの病院で診察を受けると、同じ診断結果が出るかもしれないし 異なる場合もあると思います。そして同じ診断結果が出ても 病院によって治療方法が異なり その効果に違いが出るケースは結構あると思います。
    ですから、かかりつけの病院で診察を受けても 病状があまり改善しない状態が続くようであれば、他の病院にとりあえず電話で相談されたら良いと思います。きちんと話を聞いてくれて、丁寧にアドバイスしてくれる病院であれば一度診察を受けてみられることをおすすめします。(今回は メールでご質問頂きましたが、細かいことが確認できないと なかなか具体的なアドバイスは難しいので、電話をおすすめします)
    但し、病気特に皮膚病は、治療の効果が目に見えて現われるのに時間がかかる場合が多いので、ある程度粘り強く治療を継続してください。すぐに諦めて病院を転々とするのは時間と費用の無駄になる事が多いと思います。


  • 血液検査で もしフィラリア症に罹っている事が解ったときはどうしたらよいのですか?


    人間は自分の健康管理でさえ、なかなかうまくできないものです。ましてや、犬のこと、どんなに大切に可愛がっていても、うっかりする事もあれば、病気に対する認識が不十分であったりして病気に罹ることは、少なからずあると思います。重要なことは、フィラリア症に限らず病気に罹ったとき どう対処してあげるかではないでしょうか。
    フィラリア症の場合、外科的に成虫を心臓から駆除する方法、薬剤で内科的に成虫を駆除する方法、現在いる成虫はそのままにしてもうこれ以上感染を拡大させない温存療法等があります。どの治療法を選択するかは、その犬の年齢や状態、治療費用等を配慮して、飼い主さんと獣医師が十分に相談すれば、きっと適切な治療法がみつかります。もし、諦めて何もしないでいると、病状はどんどん進行して犬自身も、それをみている飼い主さんもすごくつらい思いをする事になるでしょうから、決して諦めないでください。


  • 生後60日位の雑種犬を知人から譲り受けました。ドッグフードを一日二回 教えてもらった分量与えているのですが、ほんの一分足らずで食べてしまいもっと欲しそうな顔をしています。もっとたくさん与えてもよいのでしょうか? 


    まず、一般的な犬の一歳位までの食事の与え方と 注意して頂きたい事柄を簡単に説明します。食事の一日の回数は、生後三ヶ月までは四回、六ヶ月までは三回、十二ヶ月までは二回を目安にしてください。生後六ヶ月位までは必ず幼犬用を 一回の食事毎に満腹になる分量与えましょう。生後二ヶ月から四ヶ月位の時期は順調なら体重が一ヶ月で二倍位に増加するほどの成長期ですから、満腹になる量も毎日ふえていきますので注意してください。尚、一回の食事の時間は10分間位でよいと思います。それを過ぎたら片付けてしまって、もししばらくして欲しがっても次の食事の時間まで与えないでください。何度か食べ損なうかもしれませんが、すぐにきちんと決められた食事時間内に必要な量を食べるようになると思います。但し、水はいつでも飲めるようにしておいてください。六ヶ月を過ぎたら種類やその子の成長具合にもよりますが、十二ヶ月位までに少しずつ成犬用に切り替えていきましょう。一回に与える量は、その犬の丁度よい体重を維持していける量ですから、一概には表現できません。飼主さんがご自分で見つけて下さい。尚、フードの袋などに書いてある「体重による供与量」はあくまでも目安として考えてください。
    付け足しになりますが、猫の場合も同じように考えて頂いていいと思います。
    さて、ご質問に対するお答えが随分後回しになってしまいましたが、これまでの説明を読んで頂ければお解かりになると思いますが、一日の回数も恐らく一回当たりの分量も不足していると思われます。但し、急に回数や分量を増やすと、嘔吐や下痢などを起こすかもしれません。丁度生後二ヶ月位なら混合ワクチンの接種が望ましい時期ですから、一度ご近所の動物病院で診察を受けて 栄養状態等もチャックしてもらって その子に一番適した食事管理の指導を受けられる事をお勧めします。


  • うちの猫が今朝から何度も嘔吐していますので、脱水状態にならないように 吐く度に温めた牛乳や白湯を飲ませているのですが、嘔吐は治まらず 飲むことを嫌がるようになりました。無理してでも 水分は補った方が良いと思うのですが、どうしてあげればよいでしょう?


    嘔吐や下痢を繰り返した場合、水分が対外へ流出したわけですから脱水状態になることを心配されるのは間違っていません。
    但し、何度も嘔吐している場合、胃が固形物であれ液体であれ、うけつけがたい状態のわけですから、慌てて何かを飲ませるとそれが誘い水になって更に嘔吐を引き起こしよけいに脱水する場合が少なくありません。
    ですから、一度でも嘔吐したら 少なくとも5~6時間は一切食物も飲み物も与えないで様子を見られた方が良いと思います。どうしても水を飲みたがる場合は氷でも舐めさせて口中を潤す程度で辛抱してもらいましょう。
    何も与えなくても嘔吐が止まらなければ直ちに動物病院で診察を受けて適切な治療を受けましょう。数時間嘔吐しなければ、ほんの少しずつ十分に間隔をあけながら、水分や固形物を与えてみてください。それでも、嘔吐を繰り返すような場合は、やはり直ぐに病院で診察と適切な治療を受けられる事をおすすめします。
    尚、嘔吐が続いている状態で、飼い主さんだけが内服薬を求めて来院される場合がありますが、投与しても更に吐く事が予想されますから効果はあまり期待できません。出来れば点滴と共に注射で薬剤を投与する治療から始めた方が効果は速やかに現われると思いますから、ペットを連れて病院へいきましょう。


  • 5歳のダックスフントですが、歯が茶色くなって強い口臭がします。歯磨きをすれば治りますか?


    歯が茶色くなっているのは歯石が付着していて、口臭が強いのもその為だと思われます。歯石は、唾液中のミネラルと歯垢が結びついて石灰化し、歯の表面に沈着したもので、一旦ついてしまったら一生懸命歯磨きしても効果は無いので、人間と同様 病院で除去してもらうしかありません。麻酔をかけての処置になる場合が殆どですから、どこの病院でも 一度診察を受けて、全身状態をチェックしてもらって予約してから、といった流れになると思います。歯の治療は、自分の事でもつい先延ばしになりがちで、ましてや可愛がってはいても犬の事となると尚更かもしれませんが、あまり放置されますと歯周病になり多くの歯を失うことにもなりかねませんから、是非早めに処置してあげてください。
    尚、一度処置しても、歯石は又すぐに付き始めますから要注意です。歯垢を除去するには、歯磨きがある程度有効ですが、犬は大抵嫌がるでしょうし、乱暴にブラッシングをすると、かえって歯茎を傷つけてしまう場合も多いので よほど大人しい犬にしかお勧めしません。指にガーゼ等を巻きつけて、数日に一度 歯の表面を拭ってあげる方が、犬もそんなに嫌がらず安全で効果的かもしれませんので、お試しください。歯石の付きにくいフードが販売されていますが、効果はありますから食べさせてみてください。


  • 柴犬(1才、オス)を飼っていますが、躾けに失敗してしまったようで、飼い主の言う事を聞かず、咬み癖も全然直りません。去勢の手術をすればおとなしくなりますか?


    去勢手術とは、精巣を摘出して繁殖能力をなくする処置をいいます。結果として繁殖本能に基づく攻撃性はある程度低下すると思われます。但し、その程度は個体差が大きく、とてもおとなしくなる場合もあれば、あまり代わり映えしない場合もある事を知っておいてください。
    去勢手術によるメリットは、他にもあります。摘出により、精巣腫瘍の心配がなくなるだけでなく、会陰ヘルニア、肛門周囲腺腫、前立腺肥大、前立腺癌等の予防にもなります。
    以上の事から、去勢の手術をするか否か、判断してください。まあ、ある程度はおとなしく聞き分けのよい犬になるでしょうし、中年以降に悩まされる幾つかの病気の予防にもなりますから、積極的に考えられたら如何でしょう。
    但し、まだ1歳なら、「躾け」というか 「犬との適切な付き合い方」をあきらめるのは早過ぎると思います。今からでも、犬と飼い主さんの適切な関係についてもう一度勉強し、根気よく努力されれば、きっと今よりもずっと良い関係になれると思いますよ。「適切な付き合い方」については、またご質問頂ければお答えします。


  • 8歳のヨーキー(雌)を飼っていますが、月に一回は美容室でシャンプーカットしてもらい、週に一回は家でもシャンプーしているのに体臭が臭くて困っています。どうすれば匂いがなくなりますか?


    特に皮膚病等には罹っていないという事なので、年齢と犬種を考えると、歯周病に罹っていて 強い口臭がしている可能性が高いように思います。小型犬は 大型犬に比べて歯が小さくてその隙間も狭いので 歯垢が付着しやすく、それが歯石となり歯周病なりやすいのですが、特にヨーキーとミニチュアダックスは7~8歳になると歯周病に罹っている比率が高いように思います。唇をめくって歯と歯茎の状態をチェックしてみましょう。歯が茶色くなったり、歯茎が赤く腫上がっていたら、歯周病に罹っていると思います。その場合は、なるべく早く動物病院で歯石を除去して、歯茎の治療をする必要があります。放置しておくと歯が抜け落ちて、噛む力が低下し、ひいては寿命を縮める事にもなりかねません。治療をすれば、口臭も殆どなくなると思います。但し歯石は、毎日歯磨きしている人間でもいつのまにか付着しているわけですから、犬の場合もっと短期間で再び付着します。犬用の歯磨きセット等が販売されていますが、殆どの犬は嫌がりますし、あまり強引に磨いても歯茎を傷つけたりして逆効果の場合もありますからあまりお勧めはしません。指にガーゼ等を巻いて歯の表面を拭いながら歯茎のマッサージをしてあげる方が簡単で効果的かもしれませんので試してみてください。歯石の付着しにくいフードが販売されていますが、メーカーや犬種によって その効果はまちまちですから、またご相談ください。
    尚週に一回シャンプーされているそうですが、これは毛にとっても皮膚にとっても非常に負担をかけていますから、最低2週間 できたら3週間は間隔をあけた方がよいと思います。(特殊な皮膚病の治療などで行う薬浴は別です)


  • ノミはどんな一生を送るの?


    ノミは寄生虫ですが、犬や猫に寄生するのは成虫だけです。
    成虫は寄生するとその日のうちに吸血して交尾し、2~3日目から1日に10~20コ位づつ卵を産み始めます。
    卵は犬猫の寝床などにおちて、環境条件によりますが5日前後で孵化して幼虫になります。幼虫は1~2週間でサナギになり、更に10日前後で成虫になり、条件がよければ1年位生きつづける場合もあるようです。


  • ノミにによる被害はペットが痒がるだけなの?


    ノミによる被害は吸血された部分の強烈な痒みだけではありません。ノミの唾液に対するアレルギー反応が起こり、尾根部や臀部を中心に皮膚炎になる場合があります。脱毛し皮膚が肥厚して悲惨な状態になることもあります。
    またノミはサナダムシ(瓜実条虫)を媒介します。サナダムシは犬や猫の腸内に住んでいるヒダ状の寄生虫で虫卵を多数含んだ片節を便とともに体外に放出します。この片節は3~5ミリ位でウジムシのように動き回り、やがてはじけて虫卵を放出します。この卵をノミが好んで食べるのでノミの体内に入ります。そしてそのノミを犬や猫が毛づくろいする時等に飲み込むことにより、腸にサナダムシを寄生させるのです。