よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

フィラリア症について


  • 血液検査で もしフィラリア症に罹っている事が解ったときはどうしたらよいのですか?


    人間は自分の健康管理でさえ、なかなかうまくできないものです。ましてや、犬のこと、どんなに大切に可愛がっていても、うっかりする事もあれば、病気に対する認識が不十分であったりして病気に罹ることは、少なからずあると思います。重要なことは、フィラリア症に限らず病気に罹ったとき どう対処してあげるかではないでしょうか。
    フィラリア症の場合、外科的に成虫を心臓から駆除する方法、薬剤で内科的に成虫を駆除する方法、現在いる成虫はそのままにしてもうこれ以上感染を拡大させない温存療法等があります。どの治療法を選択するかは、その犬の年齢や状態、治療費用等を配慮して、飼い主さんと獣医師が十分に相談すれば、きっと適切な治療法がみつかります。もし、諦めて何もしないでいると、病状はどんどん進行して犬自身も、それをみている飼い主さんもすごくつらい思いをする事になるでしょうから、決して諦めないでください。


  • フィラリアは蚊によって感染すると言うことですが、11月には殆ど蚊は見かけません。何故その時期まで予防する必要があるのですか?


    まず、フィラリアの成長過程を簡単に説明しましょう。フィラリア症に感染している犬の心臓でフィラリアの雄と雌が交尾してミクロフィラリアと言う幼虫を循環する血液の中に産み出します。この幼虫はそのままではこれ以上成長できませんが、中間宿主である蚊がその犬を吸血する時 蚊の体内に入ると成長が始まり約二週間で感染力のある第二期幼虫になります。その蚊が再び犬を吸血するとき、この幼虫は犬の体内に侵入し、約30日で第三期幼虫、更に約30日で第四期幼虫へと成長していきます。更に三から四ヵ月後には心臓に移動して成虫となります。
    飼い主さんはフィラリア予防薬が「まあ成虫は殺せなくても幼虫には全般的に効果があるだろう」と思われている方が多いようですが、月一回投与するフィラリア予防薬は、第三期幼虫にしか効果がありません。
    例えば、9月30日に体内に侵入した幼虫は10月30日から11月30日までの間だけ予防薬の効果のある第三期幼虫であるわけです。ですから、蚊がいなくなっても、11月まで忘れずに予防しましょう。


  • 親戚の家で生まれた雑種犬の子犬を貰い受けて、飼いはじめました。「フィラリアの予防は必ずして欲しい」と言われましたが、フィラリアとはどんな病気で、どんな予防をすればよいのですか?


    フィラリア(犬糸状虫)とは、主に犬の心臓に蚊を媒介として寄生する20~30cm位の素麺状の虫で、フィラリアに寄生される病気をフィラリア症と言います。フィラリアが寄生しても、最初は殆ど無症状ですが、徐々に血液の循環が悪くなる為、ゼーゼーと咳き込んだり、散歩の途中で動けなくなったり、食欲はあるのに段々体重が減少したりします。更に病状が進むと、呼吸困難、腹水の貯留、四肢の浮腫等が表れ、死に至る恐ろしい病気です。
    フィラリア症の予防は、蚊に刺されないように注意するのも ひとつの方法かもしれませんが、現実的にはかなり難しいことですから、感染の恐れのある時期に予防薬を投与することになります。予防薬としては、毎日若しくは月に一回の内服薬、月に一回の滴下薬、年に一回の注射薬等があります。当院としては、月一回の内服薬と、同じく月一回の滴下薬が安全で確実そして経済的なのでお勧めしています。


  • 犬のフィラリア症を予防する前に、血液検査が必要だと聞きましたが、何を調べるのですか?


    前年の夏を過ごしてフィラリア症に感染する可能性のある犬は、例え毎年予防をしていても100パーセント感染していないとは断言できませんから、血液検査をして感染していない事を確認する事が必要です。何故、フィラリア症に感染していない事の確認がそんなに重要かと思われるかもしれませんが、万が一感染していて、予防薬を投与するとショックを起こして最悪の場合死亡する可能性さえあるのです。ですから、感染していない事を確認してから安心して予防を始めましょう。昨年の秋以降に生まれた犬は今年は検査せずに予防が始められますが、来年からは検査を受けましょう。もし、検査でフィラリアに罹っている事が解っても、それなりの対策がありますから諦めないでください。


  • うちの犬(柴犬、メス、10歳)は 4年前にフィラリア症にかかり手術を受けましたが、またフィラリア症にかかってしまいました。今回も手術をすすめられましたが、高齢でもあり、出来たら手術を避けたいのですが、他に治療法はありませんか?


    犬のフィラリア症の治療法としては次の三つの治療法があると思います。
    一つ目はご質問にもある手術で、頸静脈からかんしを心臓に挿入して虫体を摘出します。一番短時間でフィラリアによるダメージを取り除ける方法ですが、全身麻酔をかけて実施しますし、一時的に身体にかかる負担は小さくありませんから、10歳という年令を考慮すると緊急時でなければ、飼い主さんが心配される気持ちもよく解ります。
    二つ目は、薬剤により殺虫し駆除する方法です。但し、死んだ虫体が血管に詰まって血行障害が起こったりするので、現在はあまり用いられないように思います。
    三つ目は、予防を徹底して新しく寄生されることを防ぎながら、現在寄生している虫体はそのままにして、寿命により死に絶えるのを待つ温存療法です。数年かかる ある意味のんびりした治療法ですが、身体にかかる負担は一番軽くて済むかもしれません。
    どの治療法が、最も適切であるのかは、犬の健康状態やフィラリア症の病状、治療及びその後にかかる手間や費用、そして飼い主さんの気持ち等デリケートな要素が絡みますから、ここで簡単にはお答え出来ませんが、これまで診療されてこられた先生ともう一度よく相談されることだと思います。手術についての説明を求め飼い主さんの心配される気持ちを伝えて、納得できる結論を出されるべきだと思います。もし、納得できなければ他の病院とも相談されて十分に納得されてから治療をされる事をおすすめします。
    最後になりましたが、フィラリア症という病気は予防しなければ何度でもかかりますし、変形してしまった心臓は治療しても 元に戻りませんからどんどん寿命を縮めてしまいます。ですから、今後は是非予防の継続を心がけてあげてください。


  • 最近は犬のフィラリア予防法にいくつも種類があるようですが、どのやり方が一番効果的ですか?


    病気の予防というのは、その処置によって病気にかからずにすむことを目標としているわけで、言ってみれば何もなくて当たり前のことですから どの方法が効果的かという質問にはお答えし難いのですが、その処置の安全性と簡便性についてはある程度比較検討できるかもしれませんのでそのあたりを基準にして判断されたらいかかでしょうか。まず、犬のフィラリア症の予防薬には、毎日もしくは月一回の内服薬、月一回の滴下薬、六ヶ月に一回の注射薬の三タイプがあります。簡便性を考えれば、勿論注射薬が一番優れていると言えるでしょう。続いて月一回即ち1シーズンに7~8回の内服薬及び滴下薬であるのかもしれませんが、毎日習慣的に投与する方がうっかり忘れる心配がなくてかえって便利であると言う考え方もあるようです。尚、滴下薬はノミ駆除作用もあるのでフィラリア予防とノミ駆除を別々に実施する場合に比べると手間と費用を省ける点で利点は大きいと思います。
    安全性については、副作用などの心配がなくて全く安全な薬なんてものはこの世に存在しないと思いますが、フィラリア予防の内服薬は きちんと血液検査さえ実施してから用いれば 非常に安全性の高い薬剤であると これまでの数十年にわたる実績から言えると思います。(但し、血液検査を実施しなければ結構危険な薬ともいえると思います)滴下薬については発売されてからの期間が短いのですが、現在までのところあまり深刻な副作用についての報告は聞いておりませんので、それなりに安全な薬だと判断しております。(私は正直に申し上げてあまり勉強熱心ではありませんので、何かその種の情報をお持ちの方がおられましたら是非教えてください。)注射薬については、日本で初めて発売された年に全国的に少なからぬ死亡例が発生して、新聞にも大きく取り上げられましたから、記憶されている方も多いと思ます。製薬会社からは 原因などについてのきちんとした説明も殆ど無くて、一旦は回収されましたので二度と使用されることもないだろうと思っておりました。ところが、その便利性の為 一部の病院からの要望で再び流通するようになり、使用されているのが現状です。治療に用いる薬剤は、その主作用によるメリットと 副作用によるデメリットを天秤にかけて比較検討する場合もあるかもしれませんが、予防に用いる薬剤は安全性を最重要視するべきではないでしょうか?ですから、私は獣医師として、注射によるフィラリア予防だけは絶対におすすめ致しません。
    以上のことから、ご自分にとって 最も有用な予防法を考えて 選んでください。

狂犬病


  • 愛犬と泊まれるホテルをさがしたら、狂犬病ワクチンの接種済を条件とすると事、混合ワクチンの接種済を条件とする所、特にその様な条件のない所が見つかりました。うちの子は子犬のときに二回混合ワクチンを接種しましたが、その以外は何もしていません。どの様な条件のホテルが便利で安心でしょう?


    正直申し上げて私はペット同伴で旅行したり、宿泊した経験がありませんので、どのような条件の所が安心か利用客としての意見を申し上げる資格はありませんが、飼い主さんから そんな施設についての様々な情報が入ってきますので 獣医師としての経験と知識を合わせて 解かる範囲でお答えしたいと思います。
    愛犬と泊まれるホテルに限らず、ペットホテルや、愛犬と飼い主さんが一緒に遊べる施設等でも予防注射の接種済を条件としている場所は少なくありません。そこで、まず犬の予防注射の意味合いを もう一度考えてみましょう。狂犬病ワクチンは、犬から人間にも感染して 発病すれば100パーセント死亡する恐ろしい病気を予防する注射であり、接種する事が狂犬病予防法で飼い主さんに義務付けられています。義務を果たさないと、犬は拘留、処分されますし、飼い主さんには罰金が科される事が定められています。注射と同時に登録され鑑札が発行されますので、犬同士若しくは人間とのトラブルが発生したときにその重要性を痛感されるかもしれません。例えば 登録されていない犬が 登録されている犬に咬まれた場合、咬まれた犬は被害者であっても、登録されている犬の方が強い立場になりますから、治療費の請求は難しいでしょう。次に混合ワクチンですが、メーカーによって5~9種類の病気(ジステンパー、パルボウィルス感染症等)をまとめて予防する注射で、実際にかかる可能性のある病気を防ぐ為の、つまり人間と同じ意味の予防注射です。
    それでは、犬と飼い主さんが一緒に宿泊できる施設が なぜ予防注射について一定の条件を設定する場合が多いのか考えてみましょう。犬を預かる側の立場としてまず考える事は、犬を健康な状態で預かり、無事にそのまま飼い主さんに返す事です。宿泊施設内では、初対面の人間や犬達が接触する機会が少なからずあると思いますが、犬も人間同様に、或いは人間以上に興奮しているかもしれませんから、何らかのトラブルが起こる危険性は低くないと思います。万が一 何かの事故が起きたとしても、狂犬病ワクチン接種の必要性を理解している飼い主さんどうしであれば トラブルを最小限に食い止める事が出来るでしょう。人間もそうですが、犬にとっても旅行は、普段の生活とリズムも違うし 凄く刺激が多いので緊張状態が継続すると思います。飼い主さんと一緒に過ごせるので楽しくはあるけれど大きなストレスがかかり続けます。当然普段よりも体力や免疫力が低下しますから、伝染病にも罹り易くなるでしょう。ですから、普段以上に混合ワクチンによる免疫力の強化が重要になる訳です。
    以上の事から、犬を旅行に連れて行って一緒に宿泊して楽しい時間を過ごす為には、両方のワクチンをきちんと接種して出かけれることをおすすめします。そして宿泊施設としても、両方のワクチンの接種済みを条件とする所には、犬に対する責任感と病気に対する安心を重要視される飼い主さんとその飼い犬が集まる事が期待されますから、安心して宿泊できるのかもしれません。勿論その様な宿泊施設であろうと、どの様なトラブルが起こるか分かりませんから、慎重に行動される事が大事だと思います。最近はインターネットの掲示板などを利用して具体的な宿泊施設の名前をあげてアドバイスを求めると僅かの時間で かなりの数の体験談や他の施設の情報等が得られたりしますから、その様なサイトを利用してみるのも、情報収集には良いかもしれません。


  • 長年犬を飼っていますが、日本で狂犬病は既に存在しない病気なので 予防注射を受けさせた事がありません。特にこれまで不都合もなく 罰則をうけた事もありませんが,必要なのでしょうか?


    狂犬病予防法という法律において、犬の飼い主は、犬を所有してから(生後90日以内の場合は90日を経過してから)30日以内に所在地の市町村(区)長に登録を申請して、鑑札の交付を受け、犬に着ける事、そして毎年狂犬病の予防注射を受けさせて,その注射済み票を犬に着ける事が義務付けられています。この義務を果たされていない(鑑札や注射済み票を身に着けていない)犬は、狂犬病予防員によって拘留され、場合によっては処分されます。又罰則として、義務を果たさない飼い主は、20万円以下の罰金が定められています。予防注射を実施しないだけで、場合によっては殺処分されるなんて、ひどい法律だと思われるかもしれませんが、致し方ありません。何故なら、狂犬病予防法も狂犬病の予防注射も犬の為のものではなくて,国民のの安全を守るためのものだからです。ですから、日本でもう50年以上発生していなくても、世界中で毎年数万人が死亡している現状では、この法律が改正される事は当分ないでしょう。但し、予防員によって犬が拘留されたケースや、飼い主さんが罰金を支払った事実は聞いた事がありません。ですから、実質的な罰則は無いに等しいのが現実です。しかし、「現実的な罰則が無いから、法律に定められた義務を果たさなくてもよい」という考え方は、恥ずかしいと思いませんか。「自動車運転時のシートベルトの着用」の様に罰則が重くなって、やっと遵守率が高くなるなんて情けない事だと思います。それに、公的な罰則が無くても、もし飼い犬が人間若しくは犬とトラブルを起こした場合、登録して予防注射済みの場合に比べて、登録も注射もしてない場合では立場が明らかに不利になります。罰則の有無や、損得に関わらず、飼い主さんの義務として認識して頂いて一人でも多くの飼い主さんが登録と定期的な予防注射を実施される事を私は獣医師として期待しております。

犬を飼い始める時の注意点


  • 番犬として庭で柴犬を飼おうと考えています。私は強くて番犬に適している雄を選びたいのですが、家族(妻と二人の娘)は大人しいし将来子犬が欲しくなるかもしれないという理由で雌を望んでいます。どちらにすべきかアドバイスをお願いします?


    犬を面倒みていくうえで性別による違いは結構大きいと思いますから、飼い始める前に雄雌どちらにするか慎重に考えてみることはとても良い事だと思います。
    まず、柴犬という犬種について私の経験に基づいて説明します。飼い主さんの家族にはなつき易いが、それ以外の人に対しては警戒心が強く聴覚や嗅覚が鋭いので番犬に必要な要素は備えていると思います。但し、来訪者や侵入者だけではなくて単に家の前を通りかかった人や乗り物にも吼えてしまって相手に不快感を与えたり、その鳴き声が飼い主さんやご近所の人にとって耳障りになるかもしれません。(犬種図鑑等では、柴犬は性格は我慢強く無駄吠えの殆ど無い犬として紹介されていたりしますが、我慢強くて無駄吠えがの少ない柴犬を育てるには相当に厳しい訓練が必要だと私は思います)短毛種ですからカットは不要ですが、ブラッシングは習慣づけた方がよいでしょう。活動的ですから、ストレスがたまらない様に毎日の適度な散歩が必要だと思います。
    さて、質問の本題に入りますが、まず人間の場合で考えてみると幼稚園児位の年齢なら、一般的に男の子の方が腕白で利かん気が強く女の子の方が大人しくて素直に言う事をきき易い傾向があるのではないでしょうか。犬の場合も、柴犬に限らず殆どの種類で同様の傾向があると思います。
    ですから、一般的な躾け(咬み癖、無駄吠え、排泄等の習慣)について考えればメスの方がどちらかと言えば簡単で飼い易いと思います。柴犬という種類は、躾けのあまり易しい犬種とは思えませんから、私の個人的な意見ですがメスをおすすめします。番犬として考えた場合も、メスの方が性格が穏やかである場合が多いですから、かえって番犬としては適しているのではないかと思います。
    将来、子供が欲しくなった時メスは割りと簡単にお婿さんが見つかりますが、オスが花嫁さんを見つけることはかなり難しいのが現実です。子供が欲しくなる可能性があるのなら、尚更メスを選ばれるほうが得策かもしれません。
    以上申し上げた事は、あくまでも私の経験に基づく、個人的な見解でありますから、あくまでも参考にして頂くにとどめてください。飼い主さんのご家族で十分に話し合われた上で納得されてから飼い始めて頂く事が、犬にとっても飼い主さんのご家族にとっても一番幸せな結果につながると思います。


  • ミニチュアダックスを飼いたいので、ペットショップを何軒か回って探しています。どうして、同じ種類で同じ位の年齢なのに価格がかなり異なるのでしょう?


    子犬の価格について考える前に電化製品の価格についてすこし考えてみましょう。全く同じ商品でも店によって異なる価格がつくことはよくありますね。それはその商品の人気や注目度、或いは仕入れ価格や在庫数、他の商品との兼ね合い等で店が独自に価格を決めるからでしょう。同じ店でも一週間後に同タイプの新製品が発売されれば旧タイプの商品の注目度はガクンと下がるでしょうし新製品を在庫する為にも旧製品は少しでも早く売りたいので価格はドンと下がる場合が多いでしょう。全く同じ商品が販売店によってそして同じ店でも時期や条件によって価格は大きく変化します。

    子犬の価格については勿論専門外ですからあまり細かい事は知りませんが、わかる範囲でお答えしておきます。電化製品と違って子犬の場合全く同じ子犬が複数存在する事はありません。(どこかにクローン子犬が存在するかもしれませんが、ペットとして販売されている事はないと思います)同時に生まれた兄弟なら年齢も両親から受け継いだ資質も同じはずですが、厳密に言うと性別や体格、顔立ち、毛色や模様の具合等によって生まれたばかりの段階で既に価格が異なる場合が多いそうです。
    同じ両親から生まれた子犬でも、母親の年齢や何度目の出産か、同時に何匹を出産したか、等の条件によって当然子犬の価格は違ってくるそうです。
    ですから、親が異なればその血統の違いによって、子犬の価格の違いは更に大きくなっても不思議ではないのかもしれません。
    そして、同一の子犬の価格もその時期によって変化するそうです。生後6週齢位から3ヶ月位までがピークで、その時期を過ぎると子犬としての商品価値は低下するのだそうです。容貌の愛らしさやあどけない仕草はやはり時間の経過とともに大人びて失われていくのかもしれません。ペットを求めてこられる方はどうしてもより小さくて幼い動物を選ばれがちなのだそうですから、ペットショップはあくまで子犬を商品としてみますから売れ易ければ高い価格売れ難くなれば安い価格をつけるのはしょうがないと思います。
    そして、ペットショップによって少しでも安く売ろうと考えるか、高く売ろうと考えるかによっても価格は違ってくると思います。
    以上の様な諸事情によって同じ種類の同じ位の年齢の似たような顔をした子犬の価格に差が生じるのだと思います。ある程度信頼できるペットショップをみつけましょう。インターネットなどを利用して、その犬種の子犬の価格相場をある程度勉強しておいて、そのショップの価格が相場と違いがあれば何故高いのか若しくは何故安いのか説明してもらいましょう。その説明に自分なりに納得できればそこで購入されればいいのではないでしょうか。


  • コーギー(生後45日)をペットショップから購入しましたが、我家に来た日から下痢が続き、ショップに相談すると環境に馴染むまで様子をみるように言われました。二三日たっても良くならないので、近所の動物病院で診察を受けると、栄養状態が非常に悪いので、ショップに返す事を勧められました。ショップに相談すると、動物の場合はクーリングオフ出来ないと断られました。何か良い解決策はありませんか?


    ペットショップと飼い主さんの間でよく起こるトラブルの一つです。私は法律の専門家ではありませんので、確実な事は弁護士さんに相談された方がよいと思いますが、私の経験した事から申し上げると、法律的には動物も一般の商品と同じ扱いであるので、購入して二週間以内なら動物をショップに返して、全額返金してもらえるはずです。
    ペットショップによっては、この様なトラブルが頻発しているからかもしれませんが、購入するときに「飼い主の事情で返品はしない」と言った内容の書類に署名捺印を求められる事もあるそうです。もし、その様な書類に署名捺印していたとしても、片方に一方的に不利な書類は無効であるケースもあるそうなので、諦めないで弁護士さんに相談して適切な対処をしてください。
    もし、子犬が重篤な状態になったり死亡した場合、それから一定の期間を過ぎてしまった場合には交渉が難しくなるかもしれませんから、動物を返そうと考えられたら出来るだけスムーズに行動してください。
    動物を返す方法がどうしても難しそうなら、お宅の環境に適応しやすそうな別の子犬と交換してもらう事を交渉してみるのも現実的な解決方法かもしれません。但し、飼い主さんと子犬の縁や飼い主さんとショップの相性というものは不思議な物で、一度上手くいかないと、二匹目でもやはり何かの不都合が生じることも少なくありませんから、二匹目を探すときは一匹目以上に慎重に子犬を選びましょう。


  • 柴犬を購入しようと思ってペットショップを探して回っていたら、二軒のショップで生後50日位の子犬を見つけて同じ位気に入ったので迷っています。片方はワクチン接種済み、もう一方は未接種です。ワクチン済みの子犬を扱っているショップの方が信頼できると思いますが、何か選ぶためのポイントがあれば教えてください。


    一般の方が、ペットショップで子犬を購入しようとした時、ワクチンを接種済みの子犬の方が、未接種の子犬より安心できると考えられるのは仕方のないことかもしれません。子犬の場合大切な事は、ペットショップで販売されている時にワクチン済みか否かではなくて接種するべき時期に接種してあるかどうかです。子犬のワクチン接種時期としては、生後60日目と90日目が理想的であると言われています。60日目に一回目の接種をする理由は、子犬が産まれて初めて飲む母乳(初乳)によって母犬から貰い受けた免疫力が生後50~60日で消失すると言われています。従って、生後60日頃が免疫力を持たない状態で一番幼くて心配な時期であるので接種が必要と考えられます。但し、接種時期は早ければ早いほど良いわけではありません。例えば生後40~50日目に接種しても母犬から貰った免疫が消失する時にワクチンによって獲得できるはずの免疫も一緒に消失してしまうからです。
    ご相談頂いた子犬は生後50日位ですから、今申し上げたように既に接種してあるワクチンの実質的な効果は殆ど期待できませんし、幼い子犬に余分なストレスをかけていると言ってもよいでしょう。
    ペットショップの方は、子犬を扱うプロですから、恐らく時期外れのワクチンが無駄である事はご存知だと思います。無駄であってもワクチンが済んでいる事を強調する方が何も御存知ない飼い主さんには売り易いから接種しておられるのではないでしょうか。勿論、殆ど効果の期待できないワクチンの接種料も価格に含まれているはずです。
    以上の事から、ワクチン済である事で、そのショップを信頼できると考えるのは不適切だと思います。逆に、もう一方のショップが、適切な時期に接種する為に現在はワクチンを接種していないのかどうかは分かりませんから、それとなく尋ねてみられたらよいかもしれません。
    いずれにしても、子犬を飼い始めたら大切なのは信頼できるペットショップを見つけることよりも、信頼できるかかりつけの動物病院を探して、小まめに相談にのってもらう事ではないかと思います。
    (補足)最初だけ90日目にもう一度ワクチンを接種する理由は二重免疫効果といって、まだ免疫効果の高い時期にワクチンを追加すると、更に高い免疫を継続できるからです。以前にQ&Aで「ワクチン」を取り上げた時に詳しく説明してありますので、そちらをご覧ください。


  • 気に入った子犬が見つかったので購入しようとしたら、そのショップではペット保険に加入する事が条件だと言われました。保険は慎重に条件を調べて選びたいので断ると販売できないと言われました。納得できなくても保険に加入すべきか、他のショップをあたるべきか迷っているのでアドバイスをお願いします。


    ペットの保険に加入する事に前向きの考えをお持ちであるのならば、まずそのショップから勧められている保険を他社の保険と比較しながらよく調べて検討されればよいでしょう。その保険に納得できれば問題はないでしょうし、他にもっと魅力的な保険が見つかれば、その事情を説明して理解を求められたらどうでしょう。
    それでも、受け入れられなければ、方法は二つあると思います。ショップが保険の加入を条件にしているのは、勿論一件契約が成立するごとに某かの利益があがるからでしょう。そして一件でも加入せずに販売する前例を作ると今後同様の事が繰り返されるかもしれないし既に販売した飼い主さんからクレームがつく事も心配されます。
    そんなショップに納得が出来ないのなら、他の子犬を探すしかないでしょう。どっちみちそんな儲ける事ばかりを優先するショップが扱っている子犬を購入しても、ろくな事はないと気持ちを切り替えられればよいと思います。
    もう一つの方法は、黙ってショップの条件をのんで子犬を購入する事です。保険は一年毎位で更新するタイプでしょうから、すぐに解約する事も出来るでしょうが勿体無いのでおすすめしません。その一年の間にじっくりと納得の出来る保険をみつけておいて一年後から自分の選んだ保険に加入されればいいでしょう。

    ここからは、私の個人的な見解を申し上げますので、ほんの一寸した参考にでもして頂ければ幸いです。私は普通に健康な犬を飼われているのなら、ペット保険の類は、飼い主さんにとってあまりメリットがあるようにはおもえません。数社のペット保険を比較検討して、実際に当院に来院されている犬でシュミレーションしてみましたが、掛け金と戻ってくる金額、諸々の手続きの煩わしさ等を考え合わせたら、少なくとも私自身が加入したいと考えられるような保険は残念ながらありませんでした。ですから、当院へ来られている飼い主さんからペット保険についてのご相談を頂いた場合、決して加入を積極的にはおすすめしません。
    もし何らかの病気にかかっていて長期間にわたって高額の費用のかかる治療を継続する必要のある犬の飼い主さんなら、保険に加入するメリットはあるかもしれません。ただし、飼い主さんにとってメリットがあるという事は、保険会社のサイドからみればデメリットがあるわけで、その様な場合は保険会社が契約を拒否するかもしれません。


  • 子犬を購入したペットショップから、「成長期だからカルシウムとビタミンのサプリメントが必要です。」と言われてフードとともに与えていました。所が、ワクチン接種に行った病院で「サプリメントは必要ない。」と言われました。どちらの指示に従うべきでしょう?


    一般論として、健康である子犬を育てる場合、必要な栄養素がバランスよく含まれていてそこそこの嗜好性も兼ね備えているフードを適切な量と回数で与えていれば、特にサプリメントの類を与える必要はないと思います。
    もし、その子犬に健康面で何らかの問題があるのなら、三大栄養素やビタミン、ミネラルのうちの幾つかを食餌に加えて補う必要があるのかもしれません。ただ、健康上問題がある子犬を飼い主さんに販売しているのならそのペットショップ自体に大いに問題があるように思います。
    もし、子犬は健康であるがすすめているドッグフードの栄養バランスが悪い為に、サプリメントで補わなければならないのであれば、その様なフードを与える事をすすめるペットショップにはやはり問題があるのではないでしょうか。
    もし、子犬が健康でありドッグフードの栄養バランスも取れているのに、不必要なサプリメントをすすめているのであれば、やっぱりそのペットショップに問題があるように思います。
    食餌のバランスを考える時に特に成長期であったりすると不足することは誰もが心配しますが、逆に摂取し過ぎて過剰症の状態になることも健康上望ましい事ではありません。極端な話をすれば、ビタミンCには致死量がないわけではありません。勿論朝から晩までイチゴやキウイフルーツを食べ続けても摂取出来ないような途方もなく多い量ですから、現実的には心配ありませんが、大切な事はバランスよく適量を摂取する事です。
    私達獣医師は、どうしても動物の健康の事を考えると理想論ばかりを並べ立てる傾向がある事は否定しません。ペットショップさんにはペットショップさんの都合があると思いますから、例えば利益率のよい商品を飼い主さんにすすめる事があるでしょうし、在庫を大量に抱えた商品や期限切れが近い商品を積極的に売り出す事もあって当然だと思います。
    そして、飼い主さんの立場から考えても犬にかけられるお金には勿論限りがあるでしょうから、健康によいとすすめられたフードよりも安売りをしているフードを選ばれる事があっても当たり前だと思います。
    ただ、人間にしても犬や猫にしても、健康は日頃の生活習慣(食事を含む)によって形成されますから、長い目で見ると少々高くても健康の事を考えて作られているフードを選択しておいた方が、病気になってその治療にかかる費用を考えたら結局は安上がりである可能性は強いと思います。
    以上これまでに申し上げた事を参考にしていただいて、飼い主さん自身が納得される指示に従われればよいのではないでしょうか。


  • 子供達が独立して夫婦二人暮しになったら急に寂しくなったので昔から好きだったゴールデンを飼いたいと思っています。なるべく安価で優秀な子犬を購入したいのですが、上手な子犬の購入方法を御存知なら教えてください?


    ある程度ご年配で二人暮しのご夫婦にゴールデンを飼い始めたいと相談されたら、正直申し上げて答えに困ってしまいます。ゴールデンは、きちんと躾けをすれば非常に賢いので大型犬の中では飼い易い犬種の一つでしょう。但し、凄く活動的で遊び好きな性格ですから、十分な散歩や遊んであげる時間が必要だと思います。そして毎日とはいわなくても定期的なブラッシングも必要でしょう。ですから犬の面倒をみる為にたっぷりの時間とかなりの体力が飼い主さんに要求されると思います。
    ご質問頂いたお二人とも年齢の割にはお元気でおられるようですが、大型犬の世話をするのは現在でも体力的にかなり大変だと思います。犬を一旦飼い始めたら十年以上先まで面倒をみる事を考える事が必要でしょう。
    十年後まで大型犬をしっかりと面倒をみられる自信があるのでしたら、何も申し上げる事はありませんが不安があるのなら犬の種類について再考してください。小型犬ならご年配の方でもずっと面倒をみてあげられると思います。

    さて、犬を入手する方法としては、種類や年齢を問わなければ、各都道府県市町村に設けられている動物愛護センター、動物管理指導所、動物一時預かり所、家庭動物相談所等の名称の役所に問い合わせてみてください。運がよければ無料(登録手数料等がかかる場合もある)で割りと簡単に可愛い犬との運命的な出会いがあるかもしれません。他に民間の動物愛護団体でも里親探しをしていますから、インターネットで検索すると色んな切っ掛けが見つかるでしょう。
    但し一旦飼い始めたら予想外に躾けが上手く出来なかったり、家庭の事情などで犬を飼い辛くなったとしても、その犬が天寿を全うするまで面倒をみる覚悟が必要だと思います。特にこの様な施設にいる犬は既に少なくとも一度は飼い主さんとの辛い別れを経験している訳ですから、尚更大切に扱って最後まで面倒をみてあげて欲しいと思います。

    純血種の子犬を入手しようと考えたら、一番オーソドックスな方法は、ペットショップからの購入だと思います。勉強するつもりで少なくとも3~4件は見て回りましょう。まず、店の床やペットの展示してある部屋の清潔さをチェックしましょう。そして子犬の健康状態を解かる範囲で結構ですからチェックしてみましょう。元気がよいか、食欲はあるか、クシャミや咳、涎や目ヤニ等はないか便や尿をしていれば異常がないか、など専門的な知識がなくても注意深く観察しているとある程度分かる様になると思います。店員さんに食事の回数やワクチン接種が必要な時期、展示されている動物の気になる点などを質問してみましょう。店員さんが自信を持って丁寧に分かりやすく説明してくれたら、ある程度信用できる安心なお店だと思います。年配の二人暮しの夫婦がゴールデンを飼う事を希望していると相談してみるのもよいかもしれません。もし、無条件に大型犬を勧める様なら商売本位であまり信用できないのかもしれません。現在は数kgの子犬がほんの数ヶ月先には30kg前後にまで成長して、散歩や面倒をみる事にかなりの体力を必要とすることを説明してくれたり更に五年先十年先を見通して心配をしてくれるようなお店なら良心的で信用できると思います。ある程度信用できるお店を見つけたら、十分に相談に乗ってもらって種類を考えて選ばれればよいと思います。
    もし、ブリーダー(犬を繁殖させて販売している人)さんと直接交渉できるなら、それが最良の購入方法だと思います。私の実家で飼っている犬はパドという無料情報誌で「シーズーの子犬お譲りします」という広告をみて私がブリーダーさんのお宅まで訪ねていって子犬を選びました。同様の情報誌や今ならインターネットで個人的に犬を繁殖、販売している人の情報は割と簡単に入手できると思います。
    ブリーダーさんから直接購入する事のメリットは、母親若しくは両親を確認できる事、数匹の兄弟から自分の好みに会う子を選択できる事、価格がある程度交渉しだいで安くなるかもしれない事等があると思います。まず、人間もそうですがある程度親を見ればその子犬の将来を予想できます。体格や顔つき、スタイル等は勿論育て方にもよりますが、親から譲り受ける部分が大きいので大いに参考にされるとよいでしょう。次に、兄弟が何匹かいればその中から比較検討して選べます。ペットショップなどでは殆ど選択する余地はないでしょう。但し見た目の可愛らしさや元気のよさで選ばれることはあまりおすすめしません。特に何かの目的で色んな事を覚えこませるのではなくて、ペットとして飼うのであれば、兄弟の中で一番のんびりとした子犬がおすすめです。少し離れた所から声をかけてみて一番最後に反応するようなちょっと鈍間な位の子を選ぶとよいと思います。その様な子なら咬み癖や無駄吠えの心配が少ないし、少し覚えるのに時間がかかっても必要最低限の食事や排泄等のルールはきちんと教えれば覚えてくれるでしょう。
    もし犬を飼い始めるまでに時間的な余裕があるのなら近所のお知り合いや親戚等で犬が生まれた時勉強の為に見に行ってみるのもよいと思います。そして、一番素早く反応する子犬と一番のんびりした子犬を見極めておいて出来たら半年後くらいの様子を観察してみればどちらが飼い易い子犬だったか一目瞭然だと思います。
    最後の価格交渉についてはその子犬に対する愛情が相手に伝われば案外値引きしてもらえるかもしれませんから頑張ってみてください。


  • 我家は夫婦(共稼ぎ)と息子(8歳)、娘(5歳)の四人家族です。家を新築したので、息子の希望で小型犬を飼い始めようと思いますが、犬を飼った経験が無いので どんな種類が飼い易いのか アドバイスをお願いします。


    犬は、飼われる環境に対して馴染みやすい犬種や逆に適応しにくそうな犬種があると思います。一時的な流行に影響されたり、ペットショップで衝動的に飼い始める事を決意して、後悔されている飼い主さんは 当院に来院される患者さんにも少なからずおられます。そんな事になれば 飼われる犬にとっても、面倒をみるご家族にとっても不幸なことだと思います。ですから飼い主さんの家の環境になるべく適応しやすい犬種を慎重に選択されることは賢明な事だと思います。犬種図鑑等の犬種の特徴を紹介した本をみると特殊な犬種を除いては、大半の犬種が飼う事が難しくないように紹介されている様に感じますが、正直に申し上げて、その様な表現はあまり鵜呑みにされない方が賢明だと思います。当たり前の事ですが、ペットショップの店員さんに質問されても、「この犬種はお宅の家庭環境には向いていません」と言った否定的な解答は万に一つも無いと思います。ですから、ご相談頂いたご家庭に私が向いていると思われる犬種と、あまり向いていないように思われる犬種を具体的に幾つかあげてみましょう。(あくまでも、私の経験に基づく個人的な見解ですから、単なる参考にしてください)初めて犬を飼われる場合、躾け(トイレ、無駄吠え、咬み癖など)の難しくない犬種が適していると思います。具体的には、シーズー、ミニチュアダックス、ミニチュア若しくはトイプードル等は如何でしょう。これらの種類は、勿論個体差はありますが、性格がおおらかでのんびりしている子が多いので新しい環境に馴染みやすく、新しい飼い主さんの決めたルールを割りと素直に受け入れてくれるケースが多いように思います。勿論、飼い主さんのご家族全員が犬の躾けについて勉強して頂いて、全員で協力して躾けに取り組んで頂く事が 必要条件です。これらの犬種なら、ご両親が共稼ぎでお忙しくても、息子さんが朝、夕の家の近所での10分前後の散歩は出来ると思います。息子さんの希望で犬を飼い始める訳ですから、お散歩は息子さんに任せられれば、飼い主としての自覚と責任感が生まれるでしょう。犬も大好きなお散歩に連れて行ってくれる息子さんに一番懐いてくれるでしょう。逆に、躾けが結構難しい犬種としては、チワワ、ポメラニアン等をあげておきます。これらの犬種は小型犬の中でも 特に体格が小さくて華奢ですから、自分達が小さくて弱いことを自覚しているのだと思います。その為に警戒心が必要以上に強くなりがちで、新しい環境に馴染んだり、飼い主さんの決めたルールを受け入れる事に時間がかかるケースが少なくないのかもしれません。飼い主さんサイドから考えると、小さくて華奢な体格を意識しすぎて どうしても躾けに厳しさを欠いて 甘やかしてしまいがちになり、結果的に躾けが上手く出来ないケースが多いのかもしれません。
    ここで、声を大にして申し上げておきますが、これらの犬種で きちんと躾けの出来ている賢い犬を私はたくさん知っています。只、躾けに苦労されている犬をそれ以上にたくさん知っていますので、初めて犬を飼われる方の場合、出来たら避けていただいた方が無難だと思って あえてあげさせて頂きました。私がこれらの犬種を嫌っているわけでも、けなしているわけでもない事だけは、理解しておいてください。どんな種類を選ばれるかは、ご家族で十分に話し合って、皆が納得できる種類に決められれば、それが正解です。その選択に決して間違いは無いと思います。只、どの様な犬種を選ばれようと、飼い主さんがいい方向に導いてあげる為に精一杯の努力をされる事を期待します。

12345