2歳の雌猫(雑種)を飼っています。食欲が少し落ちていたので、動物病院で診察を受けた所 血液検査の結果 伝染性腹膜炎と診断され、治療法はないと言われました。まだ若くて元気なのに本当に何もしてあげられることはないのでしょうか?


猫の伝染性腹膜炎という病気はコロナウィルスによる感染症で、白血病、エイズと併せて 猫の三大不治の病と称されます。実は このウィルスによる腸炎は、結構頻繁に発生しますが 殆どの場合猫の免疫力により治癒してしまうようです。しかし、この時期に妊娠、喧嘩等による外傷、ストレス等により免疫力が低下した場合に ウィルスが変異を起こすと、伝染性腹膜炎を発症してしまうと言われています。症状は、浸出型(ウェットタイプ)と言って腹水や胸水が溜まり、食欲不振や呼吸困難を起こす場合と非浸出型(ドライタイプ)と言って主に神経症状(機能障害や麻痺)を起こす場合があります。いずれにしても、発症してしまうと完治することは期待出来ず、抗生剤やステロイド 場合によっては制癌剤等による対症療法により 残された数週間から数ヶ月を少しでも快適に過ごさせてあげることしかできません。ワクチンがありませんし、感染経路もはっきりしませんから予防も難しい恐ろしい病気です。ご質問頂いた方の猫の場合も、肉体的そして精神的にかかるストレスをできるだけ少なくしてあげて、一日でも長く快適に過ごせるよう努力してあげてください。腹膜炎とは一般的には 手術、外傷、内蔵の損傷等により腹腔内を汚染されて起こる炎症を指しますので、ここでとりあげた伝染性腹膜炎とは意味合いが異なります。

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