よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

動物の言い伝え


  • 妊婦さんは猫と接触してはいけないと言うのは本当ですか?


    人間や猫を含めた多くのほ乳類、鳥類に経口感染して、主に筋肉に寄生するトキソプラズマという原虫を心配して言われているようです。確かに、女性が妊娠中に初めて感染すると、胎児に移行して流産や水頭症、視覚障害等を起こす可能性がありますから注意が必要ですが、以下の事実をまず知ってください。

    1)感染能力があるのは、その猫がトキソプラズマに初感染してからのほんの2~3週間であり、殆どが子猫の時期である。
    2)トイレ掃除の後十分に手を洗う事、濃厚な接触(口移しで食べ物を与えたり、一緒に寝る等)を避ける事等に気をつければ、猫からの感染の可能性は低い。
    3)日本人の成人の2~3割が感染しているが、最大の原因は鶏肉や豚肉を十分に加熱せずに食べる事である。(肉を生食する機会の多いフランス人は7~8割が感染している)
    4)妊娠してからの検査でトキソプラズマ陽性の結果がでたら、いつ感染したのかを調べましょう。(感染しても殆ど自覚症状はありません) 妊娠前なら心配ないし、妊娠中でも必ず胎児に移行するとは限りませんし、治療法があります。

    以上の事から、飼い主さんが知識と節度をもって猫と接するのであれば、現実的にトキソプラズマの危険性はかなり低く、逆に精神的な癒し効果も期待できるのではないでしょうか。


  • 「犬の鼻の頭が乾いていたら病気」と言うのは本当ですか?


    例えば、人間が脱水状態になったら、口の中は乾いた状態になります。でも、すごく緊張しただけでも同様に口の中がからからに乾く事はあります。ですから、普段湿っている犬の鼻の頭が乾いていたとしても、病気であるとは限りません。逆に、潤っていたとしても病気である場合もありますから、鼻の頭の状態だけで犬の健康状態は、判断できないでしょう。


  • 「動物は傷口をなめて治す」と言うのは本当ですか?


    病院で外傷の治療をする場合、必要に応じて毛を刈り、泥などの異物や血液、膿等を除去し、消毒液で洗浄し、状態に応じて縫合、保定等の処置をします。もし傷口に顔がとどく場合、エリカラー等でなめられないようにして、出来るだけ清潔で乾燥した状態に保ちます。傷口は痛みや痒みを伴うのでなめたがりますが、なめる事により潤いと口中の雑菌を与えて、化膿しやすくなり回復を遅らせる場合が多いからです。だから、傷口をなめても治る事はあるでしょうが、逆に悪化させる事も多くて、「なめて治す」と言う表現が適切だとは思いません。