よくあるご質問

飼い主さんからよく受ける質問にお答えします。
※10年前に掲載した内容もあり、情報が古い場合もございます。お気付きの点がありましたらご指摘、ご指導ください。

エキゾチックアニマルのフードについて


  • モルモットを飼い始めることになりました。どのような餌をどれ位与えればよいのか教えてください?


    モルモットは純粋な草食動物ですが、必要栄養素について同類であるウサギ等と比べて明らかに異なった特徴がいくつかあります。

    1)ビタミンCを体内で合成できない為ビタミンCを増強されたフードである事が必要です。但しビタミンCは空気に触れるだけでもどんどん分解していきますから新鮮な 野菜(ニンジン、ブロッコリー、小松菜等)や果物(リンゴ、イチゴ、ブドウ)で補充してあげる事も必要です(他の草食動物はビタミンCを体内で合成できます)
    2)小腸のうちで盲腸の比率が他の草食動物より大きくて食物繊維の消化率が高いので粗繊維が10パーセント以上含まれる事が望ましい(小腸は空腸、回腸、盲腸の三つの部位に分かれます)
    3)タンパク質やカリウム、マグネシウム等の要求量が多いので、マメ科のアルファルファを主とする干草を十分に与える事が必要です。

    モルモットは以上のような特徴を持つので例えばラビットフードでも代用できないわけではありませんが入手できるならモルモット専用フードとアルファルファを主とする干草に新鮮な野菜、果物を加えて与えてください。
    モルモットはデリケートで下痢をしやすいので食物は常に清潔で新鮮であるよう気をつけましょう。それから、時間をかけて少しずつ食事しますから、餌箱が空にならないように注意してあげてください。


  • 先日からハムスターを飼い始めたのですが、ヒマワリの種を主食に時々野菜や果物を与えています。友人から「ヒマワリの種は太りやすいので健康によくない」と言われました。現在の所、その兆候はありませんが本当によくないのですか?


    「ハムスターのご飯」といえば、ヒマワリの種を思い浮かべられる方は多いと思いますし、事実ヒマワリの種の袋にはハムスターが描かれていたりします。
    しかし、本来ハムスターは涼しくて乾燥した砂地で生活していますからヒマワリの種の様に高脂肪の食物を摂取する機会は殆どありません。そして、一晩で10km以上歩き回る程運動量が豊富な動物なのです。
    ところが、ペットとして飼われた場合の生活環境をみると、ハムスター用の混合飼料等は栄養価の高すぎる種子(ヒマワリ、クルミ、ビスタチオ等)の比率が多すぎる傾向がありますし、スペースの問題で致し方ないのでしょうが運動量が不足してしまい肥満気味である場合が来院されるハムスターをみても多いように思います。そして、肥満から肝臓や心臓の負担が大きくなり長生きできないケースも少なくありません。ですから、ご友人の忠告は正しいと思います。
    犬や猫の場合、肥満対策として一番簡単なのは、餌の供与量を減らすことですが、ハムスターはご存知の方も多いと思いますが、頬袋やねぐらに食物を貯蔵する習慣があります。ですから、供与料を制限して、摂取量をコントロールすることは難しく、そのフードの内容を総合的に考慮する必要があります。
    ハムスターは、かなり草食性の強い雑食動物ですから、ラビットフード等の草食動物用ペレットを中心に(勿論ハムスター用のペレットもOK)野菜(ブロッコリー、ニンジン、サラダ菜等)、野草(タンポポ、ハコベ、クローバー等)果物(リンゴ、バナナ、イチゴ等)などを与えればよいと思います。蛋白源として、時々ゆで卵や煮干を与えてください。
    もし種子類を与えるのであれば、脂肪率の低いヒエ、アワ、カナリアシード等を選ばれれば問題ないと思います。
    尚、脂肪率の高い種子は美味しいので主食となるべきペレット等をあまり食べなくなる場合が少なからずあることも、フードとしておすすめしない理由のひとつです。
    (cf)リスの食事についてもハムスターとほぼ同様とお考え頂いて構いません


  • 私は、フェレットにドッグフードを主食として与えて二年間育ててきて現在まで特に病気もしておりませんが、雑誌に「フェレットにドッグフードを与えると長生きできない」と書いてありました。本当ですか?


    フェレットは愛嬌のある可愛らしい風貌をしていますが、ミンクやスカンクの仲間で純粋な肉食動物であるのに対して、犬が雑食動物である事を知って頂ければ、フェレットにドッグフードを与える事が健康上望ましくない事は何となくお解かり頂けるかと思いますが、もう少し詳しく説明しましょう。
    フェレットが必要な栄養素は大量の脂肪とタンパク質であり、炭水化物は腸内細菌のバランスを崩すので必要としません。食物繊維も腸の構造的にほとんど消化できませんから少ない事が望ましいのです。ドッグフードは極端に高脂肪、高タンパクではないし炭水化物も食物繊維も少なからず含まれていますから与え続ければフェレットの腸にストレスをかけ続ける事になり、7~8年と言われるフェレットの寿命がいくらかでも縮む可能性は低くないと思います。
    そして、この様な条件を満たす食物はフェレット専用フードしかありませんが多くのペットショップ等で簡単に入手出来ますから購入して与えてください。
    尚、フェレットは腸の長さが比較的短いので食物の滞留時間(摂食から排泄まで)も短くなり、食事と排泄はそれぞれ一日に十回位すると言われています。餌箱が空になる前に補充してあげてください。