うちの犬(柴犬、メス、10歳)は 4年前にフィラリア症にかかり手術を受けましたが、またフィラリア症にかかってしまいました。今回も手術をすすめられましたが、高齢でもあり、出来たら手術を避けたいのですが、他に治療法はありませんか?


犬のフィラリア症の治療法としては次の三つの治療法があると思います。
一つ目はご質問にもある手術で、頸静脈からかんしを心臓に挿入して虫体を摘出します。一番短時間でフィラリアによるダメージを取り除ける方法ですが、全身麻酔をかけて実施しますし、一時的に身体にかかる負担は小さくありませんから、10歳という年令を考慮すると緊急時でなければ、飼い主さんが心配される気持ちもよく解ります。
二つ目は、薬剤により殺虫し駆除する方法です。但し、死んだ虫体が血管に詰まって血行障害が起こったりするので、現在はあまり用いられないように思います。
三つ目は、予防を徹底して新しく寄生されることを防ぎながら、現在寄生している虫体はそのままにして、寿命により死に絶えるのを待つ温存療法です。数年かかる ある意味のんびりした治療法ですが、身体にかかる負担は一番軽くて済むかもしれません。
どの治療法が、最も適切であるのかは、犬の健康状態やフィラリア症の病状、治療及びその後にかかる手間や費用、そして飼い主さんの気持ち等デリケートな要素が絡みますから、ここで簡単にはお答え出来ませんが、これまで診療されてこられた先生ともう一度よく相談されることだと思います。手術についての説明を求め飼い主さんの心配される気持ちを伝えて、納得できる結論を出されるべきだと思います。もし、納得できなければ他の病院とも相談されて十分に納得されてから治療をされる事をおすすめします。
最後になりましたが、フィラリア症という病気は予防しなければ何度でもかかりますし、変形してしまった心臓は治療しても 元に戻りませんからどんどん寿命を縮めてしまいます。ですから、今後は是非予防の継続を心がけてあげてください。

よくあるご質問一覧