人間の食べ物で、賞味期限についての不正が次々に起こっていますが、ドッグフードに記載されている賞味期限は信頼できますか?


人間の世の中で 生きていくうえで一番根本的な問題である食物について われわれ庶民の信頼を裏切るような出来事が次々に起こっています。考えようによっては 人間の食物ですら信頼していいのか判断が難しくなっている昨今、ドッグフードの品質について飼い主さんが不安を持たれるのは当然かもしれません。只、私は一介の開業獣医師に過ぎませんから、ペットフードメーカーとは全く関わり合いのない立場です。ですからペットフードメーカーについてどの程度信頼できるかと問われても正直申し上げて正確なことは分かりません。

勿論私も人間の食品については自分が直接関係することなのである程度は勉強しましたし、これまでの仕事の関係で一般の飼い主さんよりはペットフードについての知識がありますのでそれらを総合してわかる範囲でお答えします。
まず、「賞味期限」と言う言葉を理解する為に、その定義を示します。
「賞味期限とは、容器包装を開かれていない製品が表示された方法で保存された場合に製品としての品質を十分に保持できる期限を示す年月日の事」少し解り易い表現にすると、「缶詰やドライタイプのドッグフードを 開封しない状態で 直射日光の当たらない風通しの良い場所に保管しておくならば、ドッグフードとして安心して犬に与えられる期限を示す年月日」位になると思います。この賞味期限は、缶詰やドライフードといった形態についてそれぞれに 監督するお役所が定めている訳でないし、こういうものならこれだけと定めた法律が存在する訳でもありません。ドッグフードメーカーの団体が経験に基づいて、若しくは研究所などが実験に基づいて一律に設定している訳でもありません。そのフードを製造したメーカーが独自の判断で自由に決めることが出来ます。各メーカーが独自に実験したり、それまでの経験や情報に基づいて自らの信用を賭けて決定するものですから、消費者としてはそれなりに信頼するしかないと思います。尚、勘違いされているケースが多いのは、賞味期限は開封しない状態での品質を保証する期間ですから、開封してからは賞味期限より前に何か異常が見つかってもフードメーカーに責任は問えませんし 飼い主さんが自分の責任で判断して与えるかどうか決めてください。

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