私の愛犬(ポメラニアン、13歳)は、昨年の夏頃から興奮すると咳が止まらなくなり 病院で「心臓弁膜症」と診断されて、それからずっと薬を飲み続けています。ある程度症状は治まっていますが「死ぬまで薬を飲み続けなければならないでしょう」と言われて不安になりました。薬を長期間続けても副作用や身体への悪影響などは心配ありませんか?

薬は身体にとって有効な作用があるから投与されるわけですが、残念ながら殆ど全ての薬には何らかの望ましくない作用即ち副作用も併せ持っていますし、内服薬なら消化吸収する胃腸そして薬剤を代謝する肝臓に負担をかけます。私たち獣医師は薬の主作用と副作用、そして身体にかかる負担のバランスを総合的に考えて投与するように心掛けているつもりです。ただ、初めて投与する薬剤や以前投与した事があっても本人の体調の変化や年齢による体力の低下等によっては、主作用いわゆる薬の効果が期待するより小さいこともあるでしょうし、予期せぬ副作用に出くわす事や、胃腸への負担から下痢や嘔吐を伴う事があるかもしれません。ご相談頂いた様な高齢の動物の場合は、まず薬剤を投与する前の段階で、必要と思われる検査を行い特に肝機能等を十分にチェックをします。そして、薬を投与し始めてから一週間目位、更に一ヶ月目位に薬の効果は勿論ですが、副作用の有無、そして問診及び必要に応じた検査により身体への負担をチェックします。それで問題がなければ治療を継続しますし、何らかの異状が見つかればその段階でもう一度治療の方法を検討します。更に治療が順調であっても2~3ヶ月毎に心配な項目だけでもチェックを繰り返します。勿論これは当院の場合であって、病院によって治療を継続する中での効果や副作用、身体への負担のチェックのやり方はまちまちだと思います。正直に先生にご心配な気持ちを伝えられて、相談されれば良いのではありませんか?飼い主さんの気持ちが伝われば、効果や副作用、身体への負担のチェックについての説明もして頂けるでしょうし、飼い主さんのご希望であればより決め細やかに対応してもらえると思います。もし、納得の出来るような説明や決め細やかな対応が望めないのであれば 他の病院に相談されて、納得の出来る病院が見つかればそちらに転院される事をおすすめします。

よくあるご質問一覧